第十六歩
sideなのは
現在私とはやてちゃんはシャマルさんの報告を聞きながらこれからの方針を少し話しあっていた。
報告を終えたシャマルさんはそのまま警戒を続けるようだ。
シャマルさんの報告によると裕也君の行動は
①翠屋でケーキ購入
②そのまま帰宅
③ダーツを楽しむ
④買い物に出かける
⑤勉強
どこから見ても普通の学生。
不自然な点はない。
シャマルさんの話からして、尾行や監視を警戒している様子はない。
もし監視を警戒するならカーテンの一つでもするうえ、外から勉強やダーツする姿なんか確認できるわけがない。
それに最大の要因として、私がいるかもしれないのに翠屋に訪れるというのはあり得るだろうか。
事前に私たちのことを調べていたなら過度な接触はしないためにむしろ避けるべきではないか。
わからない。
「はやてちゃんはこの状況をどう見る?」
「はっきり言うとわからへん。
翠屋を訪れたのは最悪は、魔法に対処しようのないなのはちゃんの家族を盾にするためかもしれんけど・・・。
シャマルの話道理だとすると怪しいそぶりは全くなかった。
いや、メニュー見つめて20分以上悩んでいるのは変やけど・・・。」
そうなぜか裕也君は翠屋で買うケーキを20分以上悩んでいたらしい。
そんなに時間が経ったら私たちとはち合わせる可能性とかは考えないのだろうか。
「ねえはやてちゃん。
やっぱり裕也君は関係ないんじゃない?
こっちの陣営の監視を前提に考えても明らかに行動がちぐはぐだし。
シャマルさんの話じゃ、監視カメラをお店に設置した様子もない。
さっきレイジングハートに確認してもらったけど私たちの近くにサーチャーの反応すらない。
どう考えてもこんな状態じゃ監視をすることなんか無理だよ。」
「確かにそうや。
けど幻術のレアスキルに関してはほぼ間違いないはずや。
どちらにしろ事件との因果関係を調べて、無実が確定するまでは安心はできひん。
それにもし、本当に事件にかかわってたんならこっちが得られる情報もはかりしれないんや。
なのはちゃんもそれはわかってるはずや。」
はやてちゃんに言われなくてもそれはわかっている。
すると
≪はやてちゃん、なのはちゃん。
監視対象にリンカ—コアを確認しました。
デバイスの所持はわかりません。
それと念入りに調べましたが、自宅に結界は微弱なものすら確認できませんでした。≫
≪わかった。
シャマルもいったんこっちに戻ってきてや。≫
リンカ—コアがある。
それは魔法が使えるということ。
地球にもごく少数持っている人がいるが、ほとんどの場合が持っていない。
否定材料がどんどん減っていくのを実感する。
だが、結界を張らないのはなぜだろう?
昔、シグナムさんが使ってた管理局にばれないようにするための結界とかは使っていてもおかしくはないのだ。
だがそれすら使用しない。
あまりにも読めない。
はっきり言って、いまの状況は白と黒が均等に混ざった灰色。
情報と状況が絶妙に絡み合い複雑化している。
「おそらくジュエルシードに関しては厳重に管理されていて、反応はでんやろ。
それに下手にジュエルシードにサーチをかけて相手に気取られるのも危険や。
とりあえずしばらくの間は監視と警戒や。」
やはりどうしてもそこに集約してしまう。
私にできるのは、証拠を集め友達の無実を証明すること。
それと今のはやてちゃんを支えてあげること。
頑張ろう。