一旦封印処理して訂正しようと思ったのですが、削除しないでっていう文が出てきたのでしばらく訂正前の原文で置いておきます。
陸戦魔導師なはずのフォワード陣が飛びます。
飛びます、飛びます。
それを訂正したかったのに、おのれにじファン。
という訳で、その部分はスルーして下さい。
いずれ直します。
どっかこの辺の話
「先日、存在が確認されたロストロギアが、レリックの可能性があるということで六課が回収を担当することになりました。
よって、早速現地へ赴き回収作業に入ります。
場所は第97管理外世界。
スターズ・ライトニングの両隊はすぐに準備をしてくること」
「はい!」
「ヴィヴィオも、今日は六課の方に任せられる人が居ないから私達について来てね。
現地で私の知り合いが預かってくれるから」
「うん!」
「お稲荷さんもいい?」
「第97管理外世界か……また厄介な場所に行くことになるな。
分かった。
俺も準備をしてこよう」
今日も今日とて訓練開始かと思いきや、集合をかけられ新たな任務があると言い渡された。
俺はチビッ子達の隊に入ってはいないものの、話の流れ上行くことは確定しているらしい。
拒否権がそろそろ本格的に欲しくなってきた。
チビッ子達は、なのはさんの号令後すぐに任務の準備に取り掛かる。
俺も重い腰をあげようと思ったが、その前に聞く。
「ところでなのはさん」
「どうしたの?」
「第97管理外世界って、何だ」
全員準備が完了したらしい。
何でも泊まりの任務らしく、みんな鞄にお泊り用具を入れてきたとか。
修学旅行に行く前の集合場所に居るときのようだ。
因みに俺には泊まりの連絡が回ってこなかったので、着替えてきただけ。
どうしよう。
「じゃあ、みんな準備できたかな?」
「あの……なのはさん」
「どうしたのティアナ?」
「こいつも連れていくんですか?」
名前で呼んで。
「うん、私の使い魔だもん!
連れて行くよ」
「……この姿で騒ぎになりませんかね」
「大丈夫、対策はあるから!」
そう言って、なのはさんは自分の荷物の中から何かを取り出した。
リュックと紙袋である。
「リュックは分かるけどこの紙袋は何でしょうかなのはさん。
凄いピンクでアニメ絵が書いてあるんですが。
そして俺の尻尾がアラートを鳴らしまくっているので出来ればお留守番していたい」
「文句言わずにお稲荷さんも来る!
お稲荷さんは目的地に着いたら、このリュックを担いで紙袋下げて移動してね。
そのままだと本当に騒ぎになっちゃうから」
「つまり、オタクスタイルに変装し、俺のこの姿はコスプレしてますよアピールをしろ……と?」
「流石、よく分かってるね!
あ、因みにその格好でいるときは私達の50〜100m後ろを歩いてね」
あまりの理不尽さに涙が止まらなかった。
○ ● ○ ● ○ ●
俺達は今、六課から第97管理外世界とやらに着いた先の湖畔で休息している。
因みに第97管理外世界とは地球の事なんだとか。
最初からそう言えよ。
そして、この静かな湖畔にマッチしたコテージが今日の俺達の宿舎になるんだとか。
加えてこの場所は、現地協力者のおかげで準備できたとか。
実はその協力者はなのはさんの知り合いなんだとか。
色々な情報が飛び交ったが、右手から発せられている禍々しいオーラをもつピンクの紙袋が気になり過ぎて、右から左に聞き流している。
「これって任務というより罰ゲームじゃなかろうか」
「あ、お稲荷さん。
50mは離れてって言ったでしょ?」
「泣くぞフォルァ」
少しでも気晴らしをしたいのでみんなから離れて幻覚の狐火で紙袋を放火してみる。
燃え上がった。
けれど炎の中に無傷で佇む紙袋を見ていると、なんだか呪いの装備に見えてきた。
知ってはいけない一面を知ってしまったようである。
「あ! あんたが稲荷?
……何やってんの?」
燃え上がる紙袋を見つめていると突然声をかけられた。
振り返ると、見た目なのはさんと同い年くらいの、金髪で気の強そうな子がいるではないか。
「なのはさんが用意した呪いの装備を処理したいのだが方法が分からない。
で、どちらさん?」
「噂に違わずよく分からない事言うわね。
私はアリサ。
アリサ・バニングス。
なのはの親友よ。
あんたの事はなのはから色々聞いてるわ。
まぁ、短い間だけどよろしくね」
「よろしく、稲荷です。
親友ならもう少しなのはさんの暴走を押さえて。
俺の命が毎日すり減ってるから。
とりあえずこの紙袋をあげようか」
「うわ、あんたそんなもの持つ趣味ある訳?」
俺の精神力はもうそろそろ底をつく。
「あ、お稲荷さんここにいたんだ。
任務の説明に移るから集合してね。
ヴィヴィオはアリサちゃんに任せたから」
「いいよ、俺が動くとこの紙袋ももれなくついてくるから。
もうこの地域歩けなくなるから。
この素晴らしいコテージで食っちゃ寝してるので行ってらっしゃい」
「ママー、あれなにー?」
「こら、指さしちゃいけません!」
結局問答無用で連れて行かれました。
着いてほとんど時間は経っていないが、早速捜索を開始するんだとか。
何でも対象が移動してるから歩きまわって見つけないとなんだそうだ。
で、探し始めたのだが。
俺の精神力は先ほど臨界点を迎えました。
ヤンデレな顔で笑いながら泣いてフラフラとみんなの約50m後ろをついていっています。
「狐だー!」
「おい狐、こっち向けー!」
「わ、本当にこっち向いたぞ!」
「こ、怖いよー!」
「ママー!」
「わーん!」
「……騒ぎを抑えようとした対策なのに何でお稲荷さんは騒ぎを起こすかな」
どう見ても俺は悪くないだろう。
「しょうがないなぁ……
あ、そういえばさっき依頼主から連絡があったんだ。
私達が探してるロストロギアには危険性がないから、焦って回収する必要は無いみたい。
だから、みんなちょっと寄り道しちゃおっか」
何でも、近くに喫茶『翠屋』なる店があるのだとか。
しかもそれは、なのはさんの両親が営んでいる店なんだとか。
遠くで楽しそうに話しているなのはさんの話を聞き取った感じそんな内容の事を話していた。
丁度いい。
こんな娘に育てた両親の顔を拝んでおくとするか。
「お稲荷さん、ちゃんとついて来てね。
あ、でも近づき過ぎないでね」
「でも、あいつが後ろからあんな表情でついてくるのもホラーね」
「ティア、私、怖い」
「フリードも鞄の中で怖がってます……」
「稲荷さん……辛いのは分かりますが、出来ればもう少し離れてください」
お前らに慈悲という言葉はないのか。
「みんな楽しそうだなー賑やかだなー
何で俺の周りだけこんなに木枯らしが吹くんだろう。
あ、みんな店に入った。
なのはさーん!
そこが翠屋って店!?」
叫ばないと声がもう届かない寂しさ。
「そうだよ!
あ、でもお稲荷さんはちょっと待っててね!」
なんでさ。
でも言われるままに、みんなが入っていった店先でなのはさんを待つことに。
数分後、何かを抱えたなのはさんが再登場。
その手には、ダンボール。
「うちってペット入店禁止なんだ。
でも地面に座らせるのは可哀想だから、はい!」
「はいって……これ、ダンボール」
「じゃあ、もう少し待っててね!」
ただ呆然と、店の中に入るなのはさんを見送る。
残された俺とダンボール。
そして紙袋。
仕方なく、入り口の横にダンボールを置いて、その中に体操座りしてみる。
ふむ、なるほど。
切ない。
中でシュークリームを美味しそうに頬張るチビッ子達を見ていると、心が張り裂けそうだった。
○ ● ○ ● ○ ●
あの後、再び探索を開始したものの、日が落ちる現在に至るまで有益な情報を得ずに終わったようだ。
もっとも、俺はただ後ろをついてまわっただけなので毛程の役にも立っていないのだが。
そして翠屋から湖畔のコテージに戻ると、その周辺でバーベキューの準備をする人影が。
よくよく見てみると、フェイトさんと八神、アリサと……紫の髪。
新キャラがまた増えているではないか。
「あら、なのは達もう帰ってきたの?」
「うん、ヴィヴィオの面倒見てくれてありがとうね、アリサちゃん。
これお土産!
ヴィヴィオにも食べさせてあげて」
「いいわよ。
……てかあんたはどうしたのよ、目が真っ赤よ」
「体中の水分を目から垂れ流した。
もう出るものも出ない。
で、あの紫の髪は誰だ」
「泣き腫らした訳ね。
あの子は月村すずかって言って、私となのはの親友よ」
「そうか。
またなのはさん絡みか。
興味なし。
それじゃ」
「ちょ、お稲荷さんどこいくの!?」
旅に出ます。
探さないでください。
「これからご飯だよ?」
「一日中後ろ指さされてみろ。
ご飯なんて喉を通らなくなるから。
という訳で散歩してくる」
なのはさんは渋ってはいたものの、騒ぎを起こさないのと遠くに行き過ぎない事を条件に許可してくれた。
昼の騒ぎの原因はなのはさんではないかと思うのは俺だけだろうか。
しかし既に日が落ちた湖畔を歩くのも、風情があっていいものである。
しばらく行くと、茂みがガサガサと動いた。
今この周辺は俺以外誰もおらずとても静かなので、聞き間違いという事は絶対にない。
これはアレか。
プラズマか。
「大槻教授もビックリだな。
出てきてみろ。
あまつさえ俺に取り憑こうとしてみろ。
即座に湖にダイヴしてやるからな」
ピョン、と草むらから何かが飛び出る。
ここで何故だか無性に夜間水泳をしたくなって湖に入った俺だったが、飛び出てきた物を見てそんな事をしている場合じゃないと一旦湖から上がる。
草むらから飛び出てきた物。
それはスライムだった。
丸い目に、人を小馬鹿にしたような笑い方が印象的である。
「こんなにドラクエ風味なスライムが地球にいたとは。
お前はスラリンか?
それともスタスタか。
まさかのゆうぼう……」
プルプルと震える事しかしないので判断に困る。
勝手にスラリンとしておく。
情けない顔だが、その分俺の心を和ませる。
これは癒し系グッズとしてゲットしておくべき物ではないだろうか。
思わず脇に抱えてしまった俺は悪くない。
さて、今日の愚痴をスラリンに聞いてもらおうか。
そういやさっき探索してる時、近くに臨海公園があったな。
スラリンを引き連れ、早速向かうことにした。
「でな、あの紙袋のせいで俺は恐らくこの辺に類を見ない変態という名の紳士になったと思うんだ」
プルプル。
「ふむ、スラリンもそう思うか。
やはりなのはさんが原因だよな」
プルプル。
「あぁ。
その内なのはさんに一矢報いてやるよ」
プルプル。
何を話してもプルプルなので、勝手にスラリンの言葉を妄想して愚痴ってみる。
端から見たら頭のおかしい人に見えるだろう。
30分程愚痴って冷静になった後に、客観的に自分を分析すると俺もそう思った。
こういう人がいるから夜の公園は危ないんだね。
1つ学習した。
「稲荷さん!」
突然響き渡る声。
見上げると、竜に乗るキャロと空に浮かんでいるその他3名。
なのはさんはいない。
「どうした?
後、キャロも竜に乗ってても、立ち乗りでその位置から話しかけられるとスカートの中が丸見えだから。
スカートやめるか座ろうな。
因みにエリオ、キャロは白だぜ」
「え?
……え!? 本当ですか!?」
「エリオくん、何食いついてるの……?」
「あ、ゴメン……」
で、結局なんぞ?
「ティアナ、状況報告を頼む」
「ロストロギア反応有り。
現場に直行。
あんたがロストロギアに話しかけていた。
危険物と危険人物が一緒になっていると判断。
どちらも撃墜・封印するため今全員が戦闘準備完了。
さぁ、攻撃するわよ。
今ここ。
分かった?」
分かりたくないでござる。
「てかスラリン、お前ロストロなんたらだったのか……?
信じていたのに、裏切ったんだな!?」
プルプル。
「クッ!
これは罠だ!
スラリンが俺を陥れる為に仕組んだ罠だ!」
「クロスファイアー……シュート!」
「グハッ。
松田ァァア!
誰を撃っている!!」
「誰が松田よ誰が」
あ、ちょ、ゴメンティアナさん、自分調子乗ってましたヤメテイタイイタイ。
「ティア、封印するよ!」
「えぇ、こいつに構ってる場合じゃないわね。
エリオとキャロも準備いい!?」
「はい!」
「いけます!」
4人のコンビネーションにより、ボコボコにされた後に光の奔流に飲まれ消えていくスラリン。
普通ならここでよくもスラリンを、というパワーアップフラグなのですが。
どう考えても今さっきのはスラリンのせいということで。
同情の余地無し。
「さて、封印も無事終了。
後はなのはさんに連絡を入れて任務完了ね」
「あ、ティアナ。
俺はこの場に居なかったことにしておいてね」
「ゴメン、言うのが遅かったわ。
今こっちに全力で向かってきてるらしいから諦めなさい」
わーい。
「狐パパー!
……焦げ臭い」
「そろそろ敵からの攻撃を受けたくなってきた。
味方からの攻撃テラツヨス。
むしろなのはさんの砲撃が容赦ない」
「お稲荷さんが悪いんだよ!」
身に覚えがないにも程がある。
「でも、無事ロストロギアを封印・回収できたね。
みんなお疲れ様。
申し訳ないけど、回収が完了しちゃった以上長居は出来ないから。
今日はこのまま休んで、明日の朝一で六課に帰還するよ」
チビッ子達が威勢よく、はい! と応える。
なるほど、なるほど。
「つまり今回も俺はなのはさんからの砲撃を受けるためだけに地球に来たと。
慰謝料を要求する」
「なのはママ、狐パパをあんまりいじめちゃダメだよ?」
「ヴィヴィオー!
お前は俺の心のオアシスだー!」
「焦げ臭いから近寄らないでー!」
真っ白に、燃え尽きた。
「じゃあいくぞヴィヴィオ」
「はーい!」
「そんな装備で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「足止めをお願い!」
「足止めはいいが、別に倒してしまっても構わんのだろう?」
「こういう時、どうすればいいか分からない」
「笑えばいいと思うよ」
「お稲荷さん、何やってるの?」
「ヴィヴィオを教育してる。
いつか必要になる時が来るはずだ」
「地球から帰ってきた早々変なことしないでよ……
それはそうとお稲荷さん、今日の訓練行くよ?」
「嫌でござるー!」
「働きたくないでござるー!」
「あはは、ヴィヴィオに変なことを教えた罰として今日は5割増しで行こうか」
「ナンテコッタイ」
「こったーい!」
サウンドステージ結局聞かず。
海鳴・翠屋・湖畔のコテージ・対象はスライムくらいの情報で妄想しました。
何でここにヴィヴィオがいるのか。
それは筆者にも永遠の謎です。
何でおかわりで、あのセリフを書いてしまったのか。
そして六課とつるむとやっぱり稲荷はこうなってしまう。
何故だろう。
綺麗なヴィヴィオ。
書いてて懐かしくなりました。
ヴィヴィオも成長しているんですね。
ホラーでよく、燃やしても燃えない人形ってありますね。
怖いですね。
筆者の目の前で起こったら、知人の大学の核実験の中に放り込みます。
それでも無事だったら、なのはさんにも勝てるレベル。
という訳で、どっかこの辺の話です。
因みに筆者は明日から4日間、家に帰れません。
どっか遠くに拉致られます。
ウボァー。