いつでもどこでも奇行文。
おかわり 1杯目
「リリカル! マジカル!
…………ぷっ」
分かった分かった。
謝りますからその杖こっち向けないで。
あの後、ヴィヴィオの指摘通り後ろを見たら、なんと幼女なのはさんが居た。
なのはさんなのは名前を聞いたから間違いない。
因みにシェンロンもどきは、リミッターのとれたスーパーサイヤ人なのはに勝てるはずもなく。
いつもの砲撃で吹き飛ばされた後に、幼女なのはさんに封印された次第。
その時の封印の呪文が、さっきのリリカルだった訳で。
「ヴィヴィオ。
俺、なのはさん必勝法を思いついた。
なのはさん限定にはなるが、どんな魔法を使う時でも必ずリリカルマジカルを言う呪いをかければ魔法自体使えなくなるはず」
「えげつなさに磨きがかかってきたね、狐パパは。
全然そこに痺れないし憧れない」
「というか、それやったらお稲荷さんの尻尾の毛、1本ずつ抜いていくの」
何怖いこと言ってるのこの人。
「あ、あの……」
「あなた達は誰ですか?」
幼女なのはさんと、その肩にいたイタチが話しかけてきた。
「幼女なのはさんはともかくイタチが喋ったことに驚きそうになったが、よく考えたらザフィーラさんという前例がいた。
俺達の事はそうさね……ドラゴンボールの被害者と言えば分かるかね」
「全く分からないの」
幼女なのはさんは理解力に欠けるらしい。
嘆かわしい事だ。
結局、本人繋がりでなのはさんが事情を説明することとなった。
俺とヴィヴィオはお役御免らしい。
「そこはかとなく理不尽さを感じるがどこもおかしくはなかった」
「というか狐パパが説明したら誰も理解できないと思うよ。
それで、ここはなのはママの子どもの頃の世界なの?」
「あの幼女がとち狂ってなければそうなんじゃね?
幼女ななのはさんか……
おい、待て。
幼女のなのはさんだと?
ならば今のうちに俺に逆らえないように躾をしておけば、明るい未来が待ってるじゃないか。
やはりスカさんの言うことは格が違った。
ほら、幼女なのはさん、こっちにおいでー怖くないよー。
なのはさん、こっちに来ないでー怖いよー」
「もう!
状況が状況なんだからお稲荷さんも少しは真剣に考えてよ!」
この上なく真剣に考えた結果を実行したら怒られた。
だが俺のライフカードはまだ尽きていない。
任せろ、となのはさんを宥めそのカードを切る事にする。
『という訳で青い菱形のドラゴンボールを使ったら過去に戻ったようだ。
へるぷ』
『どういう訳か分からない上に誰だい君は。
私のこのアドレスを知っている……過去に戻った?
なるほど。
ではこのアドレスは未来の私が君に教えたという事かね』
流石スカさん、頭のキレが違う。
『願いが叶うってスカさんに聞いて、なのはさんの黒歴史が見たいと願ったらここにいた。
反省も後悔もしていない。
そして私は稲荷』
『願いが叶う……青い菱形の……
もしかしてジュエルシードの事かね。
ふむ、だとしてもあれは願いをねじ曲がった方向に叶えてしまう物のハズなのだが』
何でそんなものを使わせて感想を聞こうとしたし。
『あぁ、性格が歪んでいそうな君が願ったものはそれ自体が歪んだもの。
更に歪んで願いを叶えるジュエルシード。
2つの負が掛けられ、プラスに転じたと言った所か』
『分かりやすく言うと?』
『稲荷くんが闇系の物を持つと最強に見える』
『把握』
「俺は最強だった」
結論を出したのにグーパンとか。
結局事情を説明したらアイアンクローをされ。
スカさんに連絡を取ったって言ったら射撃され。
あまりの理不尽さになのはさんの胸を揉んだら砲撃された。
「何がダメだったんだろう」
「分からない狐パパが凄い」
褒めるなよ。
で、今後どうしようって話になった。
「野宿かなぁ」
「布団で寝たいでござる。
なのはさん、財布ないの?」
「ミッドのお金はあるけど、流石に休暇でもないのに円は持ってないなー」
「ヴィヴィオは狐パパの尻尾で寝るからどこでもいいよ!」
「あ、ヴィヴィオ、私もいいかな……」
つまり俺だけ冷たい地面で寝ろと。
「あ、あの!」
「ん? どうした幼女なのはさん」
「その幼女なのはってやめてくれませんか?
なのはでいいです。
それはともかく、助けてくれたお礼にウチに泊めてもらえないか、お父さんとお母さんに聞いてみますか?」
なのはさんの両親だと?
ワクテカが止まらないじゃないか。
「あれ?
お稲荷さんってお父さんとお母さんに会ったことなかったっけ……
翠屋には一緒に行ったよね?
六課のみんなとロストロギアの確保に来たときに」
「ペットは入店禁止なの、とか言って外に締め出した人の言葉とは思えない。
あれを行ったとカウントしていいものなのか。
入り口でダンボールに入って体操座りしてただけだぞ俺。
アイフルのチワワの気持ちがよく分かった。
どれだけチビッ子達が甘味を食べてる様を見て羨ましかったか分かるまい」
「あのシュークリーム美味しかったよー!」
「良かったねーヴィヴィオ」
エリオに続いて憎しみで人が殺せたら。
因みに他に行く宛も無い俺達は、結局なのはの案を飲むことにした。
そして幼女なのはさんは呼び捨てにすることに。
2人ともなのはでややこしいしね。
しかし何か凄い優越感である。
○ ● ○ ● ○ ●
「こ、ここが地球版のゆりかごか。
なるほど、ラストダンジョン的なオーラがビシビシ出てるぜ。
いつスカさんが現れてもおかしくないな」
「十分におかしいよ。
ここは私の家なのに何でスカリエッティが出てくるの。
厳密には私の家でもないけど」
「なのはママのパパとママが居るんだね!」
「まて、今気付いた。
ヴィヴィオ、可及的速やかに俺の呼称を稲荷に変えろ。
なのはママと狐パパは塩素系と酸素系の洗剤のような物。
混ざり合えば地獄の協奏曲を奏でることになる」
「だが断る」
ネタを教えた過去の俺をぶっ飛ばしたい。
「いいんじゃない?
私とお稲荷さんがパパとママで。
ちゃんと私が説明するから」
なら別にいいが。
ブツブツ言いつつも家の門をくぐる。
広い庭。
池付き。
忌々しい。
「おかえり」
「あっ……お、お兄ちゃん……」
先にくぐったなのはが、黒髪イケメンの男に話しかけられていた。
黒髪のイケメンの男に話しかけられていた。
ザフィーラさんとアルフさんの時以来だが、大事なことなので2回言いました。
なのはの言葉を聞く限り兄貴らしい。
「こんな時間に、どこにお出掛けだ?
それと……こちらの方々は?」
「まぁ落ち着けリオン」
「誰がリオンだ」
違ったようだ。
「あ、お兄ちゃん、あの、その、えっと……」
なのはが焦りだす。
いくらなのはさんの幼少期とは言え、流石に昔からこんなんじゃなかったようだ。
ちらりとなのはさんを見ながら思う。
いい笑顔をされて恐ろしかったので目をそらす。
「私達に関しては、私から説明をさせて頂きます。
お稲荷さん、ちょっと庭の隅で待っててね」
「楽しそうだなぁ。
暖かそうだなぁ。
俺、いつまでここに居ればいいのかなぁ。
あのイタチでさえ家の中でみんなにちやほやされてるのになぁ。
せめて家の中に入れてくれないかなぁ」
なのはさんの家のリビングは、庭に面している部分がガラスドアになっているようでして。
庭にいる俺からは、中にいるみんなの楽しそうな姿が見えるわけでして。
なのに俺は、外でまたダンボールに入って体操座り。
六課での生活は肉体的に辛かったが、どうやらここでは精神的に辛いことが多くなりそうだ。
「いいもんね。
スカさんとメールして時間潰してやるもん。
……ん?」
スカさんに『(´ω`)』って送った所で人の気配がした。
顔を上げる。
「……君が稲荷くんかい?」
「はぁ、そうですけど」
「俺はなのはの父親の士郎と言うんだ、よろしく。
大体の事情はなのはに聞いたよ。
あぁ、君の主のなのはにね。
それであのヴィヴィオって子、可愛いね」
「あの子はワシが育てた」
ネタ的な意味で。
「うん、うん。
それでね、なのははママって呼ばれてて、君が狐パパって呼ばれてたんだ」
「はぁ」
「そこで俺は思ったんだ。
あぁ、決闘しないとな、って」
「はぁ……ん? 何だって?」
「さぁ、行こうか」
なのはさん。
全然説明できてないじゃないか。
俺の死亡フラグがビンビンにおっ立ったぜ。
「クソッ、やっぱりなのはさんの親って事か!
ヴィヴィオー! なのはさーん! 助けてー!」
「なのは達はお風呂に入ったよ」
「俺も入るー!」
「ハッハッハ。
そんな事をしたら、俺は真剣で稲荷くんの相手をしないといけないじゃないか」
真剣と書いて、マジとは読まない。
結局有無を言わさず道場に連行されてボコられました。
道場もあるのかよこの家、妬ましい。
そして士郎さんの動きは人外染みていたとだけ言っておく。
「お稲荷さん、大丈夫?」
「狐パパの頭が大仏みたい!」
「何、大丈夫さ。
なのは達が言う非殺傷とか言うものはできないが、木刀だし手加減はしたからね。
連撃はしたが」
「私の砲撃じゃ、こんな感じにならないから何か新鮮だね」
「いつもは黒焦げだったもんね!」
「そ、それはそれで凄いね」
「まぁ、お稲荷さんなら5分後には復活してそうだから大丈夫かな」
「大丈夫だ、問題ない」
「ヴィヴィオ……何キリッとした顔で言ってるの……
やっぱり再教育しようかなぁ」
「狐パパ、ヴィヴィオを助けて!」
返事がない。
ただの屍のようだ。
海鳴出張任務が書きたかった。
書いたけど状況が他の方のSSでしか見たことなかったので分からなかった。
結果妄想力不足につきまだ封印中。
いつか投下したい。
更にそこからこれを書き始めたのでこの遅さ。
反省はしていない。
途中のヤツの翠屋での待遇はその封印中の物から。
10万ヒッツ記念も書いてみたいけど、そのうち。
士郎さんの一人称が分からない。
なのは家のリビングの様子も分からない。
でかいカーテンがあったので勝手にガラスドアと妄想。
さて、奇行文も誰かがおかわりしました。
1杯目です。
無印ってまだスカさんほど重くはないのねーと感心しつつ。
どうぞ召し上がってください。