変態狐奇行文。
はしご 2件目
「どうしてこうなった」
「というか何で分からなかったの?」
「なのは、生命の神秘というか高町家の神秘というか。
10年後も士郎さんと桃子さんはこの姿なんだ。
多分奴らは蓬莱人。
てかリビングの模様替えくらいしろよ」
「みんなは変わっていくけど、変わらない物もあるっていいと思わないかい?」
「よく分からないけど士郎さんのロマンチストぶりがキモイのは分かった。
てか会った時に教えてよ」
「いつ気付くかなとは思ったんだけどね。
まさかなのはに会うまで君達の時代の俺達と思っていたとは。
桃子、いつまでも若くいような」
「えぇ、あなた」
「どこまで人外になる気ですか」
「でも、そうするとヴィヴィオの願いは叶ったって事?
確かに10年前の私の家に居れば闇の書事件に巻き込まれるし」
「何またなのはは事件に巻き込まれるの?
マジ勘弁してよ。
行く先々で殺人事件に巻き込まれるバーローと一緒に旅行してる気分」
「ネタキタ———————!!」
「お前もう黙れ」
一言で言うと、カオス。
なのはさんも、なのはが登場したことで異変を感じたらしい。
よくよく考えたら、昼飯食べようとしてた時間からヴィヴィオの相手をしていたからといって、いきなり夕方に変わる訳無いじゃないか。
後、ヴィヴィオの壊れ具合が半端ない。
そんなに勉強が嫌なのだろうか。
「でも、何でヴィヴィオの願いが叶ったんだろう?」
「そんな事も分からないのか。
だからお前はいつまで経ってもなのはさんなんだ」
「どう、いう、意味、かな?」
あた、まが、われ、そう。
「全く……じゃあお稲荷さんは分かるって言うの?」
「当たり前じゃないか。
今スカさんに聞いてる。
あ、返信きた」
『ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ』
まるで呪いのメールのようだ。
てかハがゲシュタルト崩壊を起こしそうとか。
俺の質問の答えが書いてないじゃないかとか。
突込みどころは色々あるが、とりあえずこの文を背中を丸めて携帯をカチカチ弄りながら打っているスカさんを幻視。
シュールである。
あ、もう1通来た。
『全く、笑わせて貰ったよ。
多分私の人生で初ではないかね、こんなに笑ったのは。
あぁ、何故ヴィヴィオくんがジュエルシードを正しく使えたか、だったか。
ふむ……確か君達の世界にはこういう言葉があったね。
親の背を見て子は育つ、と』
『つまりヴィヴィオは?』
『これまたいい感じに歪んでいるという事だね』
ヴィヴィオにメールを見せてみる。
携帯を奪い取られた。
何か凄い速さでメールを打ち始めた。
覗き込んでみる。
『嘘だと言ってバーニィ』
『おや、君はヴィヴィオくんかい?』
『何で分かるの!?』
『無限の欲望という名は伊達ではないのだよ』
しばらく硬直するヴィヴィオ。
たっぷり20秒は固まった後に、携帯を放り出してなのはさんに抱きついた。
「なのはママぁ……
ヴィヴィオ狐パパに汚されちゃった……
汚されちゃったよぅ……」
「大丈夫、まだ取り返しはつくから。
だから、今後は私の言う事をちゃんと聞いてね?
お稲荷さんみたいにならないようにしよう?」
「うん……」
「だからまずはちゃんと学校に行って勉強しようね」
「嫌でござる」
あの、笑いながら俺を見るのやめてくれませんかねなのはさん。
目が笑っているのに笑っていないから。
夕飯後は、何故かそのままで放置されていた俺達の部屋にまた御厄介になることになった。
何だかんだで、お別れ飲み会の後なのはも寂しさから泣いてしまったらしく。
寂しさが癒えるまでは、この部屋をそのままで置いておこうとなったらしい。
なのはマジナイス。
という訳でその日は懐かしの布団で就寝。
あっちゅー間に次の日になった訳で。
ヴィヴィオと共にここに居た頃の恒例、早朝の散歩に出ております。
「で、ヴィヴィオ。
帰らんの?」
「なのはママが見逃がしてくれなかったの。
やっぱりここで何とかネタを仕入れてみる。
今帰ると、締切りが早まりそう」
「なるほどな。
所で、だ。
周りに居た人はどこへ行った?」
「え?」
さっきまで店先で客引きをしていた魚屋のおっちゃん。
犬の散歩に性を出していたおばちゃん。
朝練か何かでランニングしていた兄ちゃん。
その全員が、忽然と姿を消していた。
「おい」
静かな空間に、俺とヴィヴィオ以外の声が響いた。
2人揃って声の聞こえた方に視線を向ける。
そこには、見た目赤い服を着た幼女がいた。
服と同じ赤い帽子に付いているウサギの人形が、何ともいえないアクセントとなっている。
てか、ヴィータだった。
「ヴィータ……お前って……お前って……やっぱりエターナルロリータだったのか……
俺間違ってないじゃん、何で前そのハンマーで殴ったし」
「なっ!?
テメー、何であたしの名前を知ってやがる!?
いや、御託はいい。
何か腹立つ単語が聞こえたからとりあえずぶっ潰す」
「そういう事を簡単に決めつけない為に、話し合いって必要なんだと思う!」
「狐パパ、それなのはママのセリフだよね?」
いいじゃん、俺ヤバそうだし。
てかヴィータがなんか悪役みたい。
「テメーを潰したらそっちのチビから魔力を頂く!
殺しゃしねーから安心しな」
「ほう、つまり俺がやられなければ、ヴィヴィオに手出しはしない、と」
「なんだ、やる気か?
ハハ、いいぜ!
ベルカの騎士の名に誓って、テメーに負けたらそっちのチビには手を出さないでやるよ」
「大した自信だな。
ならヴィータ、俺がする技をお前に選ばせてやる。
土下座、ジャンピング土下座、スライディング土下座、アクロバティック土下座。
さぁ、どれがいい」
「せめて『ヴィヴィオは俺が守る!』くらい言って欲しい」
だってヴィータだぜ?
勝てる要素が見当たらない。
てかそもそも何故戦う方向にこの場の雰囲気が流れていっているのかが分からない。
話し合おうよ。
「ちっ、テメーなめてんのか!?
時間もあんまりねーんだ。
速攻片付けてやる!」
「狐パパ!
ヴィータさん、いい情報をくれた!
勝てなくても時間を稼げば負けないよ!」
「興味なし」
分かった分かったから蹴るな。
仕方無しにヴィヴィオを下がらせて、ヴィータに向きあう。
向こうは既に巨大ハンマーをスタンバっている。
あれに当たったら、そう、痛そうだ。
それだけは避けなければならない。
覚悟を、決めるか。
ゆっくりと右手を突き出し、掌を上に向ける。
ヴィータは俺の動作に警戒し、迂闊に踏み込めないようだ。
いい、それでいい。
計画通り。
「術式固定。
右腕、『ザムディン』掌握」
呟く。
同時に突き出していた右手を強く握りしめる。
辺りにはゴゴゴゴゴゴという音が響く。
「ザムディン、だと?
術式とか言っても、何もねーじゃねーか」
「さぁ、どうだろうな」
ニヤリとする。
確かに俺の右手は何も変化がない。
だが、その動作と俺の一言でヴィータは更に動けなくなった。
少し動けばやられる。
そう、経験で感じ取ったのだろう。
突き出された右手はそのままに、今度は左手を突き出す。
先程の右手と同じように、掌を上に。
「術式固定。
左腕、『ハルヒロ』掌握」
「クッ、左手もだと……!?」
左手も強く握り込む。
「狐パパ、大丈夫!?」
「あまり、大丈夫ではないな。
見るな、ヴィヴィオ。
仕上げを、かける」
ヴィータが息を飲んだ。
だが、そんな事を気にもとめず、俺はゆっくりとした動作で両腕を胸の前に持ってくる。
握り締めていた手は開き、そのまま、パンッと両手を合わせた。
「右腕『ザムディン』
左腕『ハルヒロ』
術式統合。
いくぜ、ヴィータ……
虚言『偽られた呪文』」
俺の言葉を最後に、その場を静寂が支配した。
ヴィータは何が起こっているのか理解が出来ず、動くこともできないようだ。
だが、俺もこの状態は長くは持たない。
しかしヴィヴィオの為にも、出来る限りここで時間を稼がねばならない。
たっぷり5分はそのまま対峙しただろうか。
ヴィータがいい加減、痺れを切らしてきた。
「なんだよ、何なんだよ!?
何をしたんだテメー!
『ザムディン』って……『ハルヒロ』って何だよ!?」
叫ぶ。
だが踏み込んで来ないのは、危険と判断しているためだろう。
「ふ……それ程までに自分が今置かれている情況に不安を感じるか。
なら教えてやるよ」
ゴクリ。
そんな音がヴィータの方から聞こえた気がした。
「『ザムディン』はな……
ザザの……じーさんの名前だ」
「………………………………………………は?」
「そして『ハルヒロ』とは……
俺の……兄ちゃんの名前だ」
ヒュウっと冷たい風が、俺とヴィータの間に流れた気がした。
「ザザのじーさんと俺の兄ちゃんを統合しちゃったよ。
ゴメン、何か色々ゴメン」
「な、何だよそれ!?
でもザムディンを握り込んだ時、辺りがゴゴゴゴゴって……」
「後ろでウチのヴィヴィオが口で言ってました」
「……ハルヒロを握り込む時、大丈夫じゃないって言ったのは?」
「あんな絶賛厨二病な状態、俺にとっては毒でしか無い。
ヴィヴィオの為とは言え、10分間はあの状態になってた俺。
うん。
欝だ、死のう」
「て、テメー!!
騙しやがったな!!」
だから最後に言ったじゃん。
虚言って。
「ぜってー、許さねぇ!!!」
「狐パパ、ヴィヴィオを守って!」
「何遠回しに死ねって言ってるか。
いいかヴィヴィオ、こういう時は相手を脅すんだ」
「サイテーだね」
「生き延びるのに必死と言ってくれ。
さっきから俺の脳内はフル稼働中。
という訳で富竹よろしく」
「……?
……あ! 分かったよー」
よろしい、では。
神速発動。
一瞬でヴィータとの距離を詰める。
スカートを捲る。
かぼちゃパンツ……?
まぁいいや、脱がす。
右手にパンツ。
左手はスカートを掴んで捲り上げたまま、ヴィータの背後に回る。
一旦神速解除。
「神技『取り払われた秘境』」
「富竹フラッシュ!!」
「……な……え!?
…………っ!?」
神速再び発動。
ヴィヴィオの下に戻り、カメラを受け取る。
「さぁ、ヴィータ。
ここで俺達を見逃してくれないと、今撮ったこのお前の秘境大公開写真を一般公開しちゃうんだがなー
手始めにスカさんに送ろうかなー」
赤くなってプルプルしているヴィータ。
俯いて表情が見えないが、相当悔しいらしい。
と、ヴィヴィオに服をくいくい引っ張られる。
なんぞ?
「狐パパ、あれ……」
「ん?」
ヴィヴィオが指差す。
そこにはヴィータがいるだけなのだが……
「ヒック……えぐ……グス……ヒッ……」
ガチ泣きしていた。
どうしよう。
「お稲荷さん、大丈夫!?」
「ヴィータ、無事か!?」
何というタイミング。
なのはさんと、何故かシグナムさんが現れた。
まぁ、ヴィータが居たのだからシグナムさんが居てもおかしくない、のか?
因みになのはさんは俺達の後方から。
シグナムさんはヴィータの後方から。
なのはさんは、突然街中に結界が出来てその中に俺が居たから。
発信機で見付け出したらしい。
忘れてたねこの首輪の存在。
そしてシグナムさんは、ヴィータが中々帰ってこないから探しに来た感じである。
「助かった。
なのはさん、俺ヴィータに殺されそうだった。
ヴィヴィオが魔力を抜かれるとか言ってたから戦った。
壮絶な戦いだった。
俺頑張った。
という訳でヘルプ」
「お稲荷さん……」
なのはさんが俺を見る目が、冷たい。
何故だろうと周りを見てみる。
目の前には、泣いているヴィータ。
俺の右手には、ヴィータのパンツ。
左手には、カメラ。
あぁ、なるほどぉ!
「これは罠だ!
ヴィータが俺を陥れるために仕組ん」
ピンクの光にジュっとされた。
「ヴィヴィオが襲われそうだから俺頑張ったのに……
俺もハンマーで叩かれそうだから超頑張ったのに……
厨二病まで再発させてさ……」
「ヴィヴィオも魔力取られるって聞いてこれでも実は怖かったのに……
なのはママが来てくれて、本当に助かったって思ってたのに……」
「ヴィヴィオは何されたよ?」
「お尻百叩きだった。
でも手が魔力で強化されてた」
「まだいい方じゃないか。
俺はまずは説教だったぜ。
終わったら夜だったが。
途中から私よりもヴィータちゃんがいいの!? とか言い出してどうしようかと。
幼女に欲情はできん。
てか説教が朝から夜、間の時間はどこへ行った」
「説教だけだったの?」
「まさか。
4回は冥界を垣間見たよ。
みょんと幽々子さん本当に居たよ。
てか後日八神家に謝りに行くことになった」
「うわぁ……」
「でも簀巻きとかはやられたことあるが、庭に首だけ出されて埋められる経験は初めてだなぁ」
「ヴィヴィオはお仕置き自体初めて」
「ようこそこちらの世界へ」
「嬉しくなーい」
「……風が冷たいな」
「……うん」
Special Thanks!!
ハルヒロさん。 本人了承済み。 リアル兄貴。
ザムディンさん。 本人魔方陣グルグル。 役に立たない。
研修の自己紹介が書けない。
A4用紙1枚にビッチリとか鬼畜。
卒論よりも高いハードルを感じています。
お稲荷様奇行文を書いてますと言ってみようか。
……あだ名が稲荷になりそうだからやめておこう。
久々に先輩に会いました。
『相変わらずお前はどこか着眼点がズレてるな』と言われました。
私的にはヒットしているはずなのですが、謎です。
という訳で1件目のはしご先も閉店したので2件目に。
え、何、ここももう閉まるんですか?
じゃあ次イキマスカー!