第8話 別れた後に
前回でせっかく友達になれたなのはちゃんとお別れをしました。
まぁ、お別れと言うよりは自然消滅ですね。
出会いがあれば別れもある。
流石に享年30歳の人生経験があるので普通に流せますよ。
……嘘です。
妻や子供と別れて転生してますけど、既に手の届かない状態なのでトレーニングに打ち込んで、あまり思い出さない様にしているぐらいですから、なのはちゃんとの別れも結構心にきているものがあるんですよね。
幼稚園じゃそこまで仲良く出来る友達居なかったから余計かも。
なのはちゃんは考え方が随分と大人びていたから、話しやすかったしね。
どこに住んでいるとかは分からないけど、翠屋と言う喫茶店を両親がやっていると言っていたので、そのうち両親に頼んで連れて行って貰おうっと。
さて、海鳴臨海公園に代わる新しいトレーニング場を見つけました。
それは国守山と言う自然保護区域です。
ここは、さざなみ寮や八束神社がある山ですが、公道や公共施設以外の人の出入りはあまり無い様ですね。
広大な土地と自然豊かで人目のつかない場所が多いので、俺の身体能力強化には持って来いだ。
目隠しをして山の中や道なき道を走り抜けたり、手を使わない木登りなどと無茶なトレーニングがたっぷり出来ます。
身体に掛けるイメージ負荷もガンガン増やして行けるぞー。
そして自然の中での瞑想により、自然の息吹を感じ取る。
なんだか俺を見ている気配があるな……。
……。
今度は気配が分かるって……も、もう驚きませんからね!
鍛えれば鍛えるほどに上がる身体能力、キャッチボールによる意思の疎通、イメージによる想像物の具現化…。
それにしても、俺の知ってるメジャーリーガーの身体はどうなんてるんだろうねぇ?
問題は加減が苦手ぐらいなところなんだけど、イメージ負荷をかけることによりさほど大変ではなくなってしまったんですよね。
この身体、全く限界を知らない……。
やればやるほど結果となって出て来るので、トレーニングが病みつきになります。
やっぱりメジャーリーガーは違うなー。
そんなこんなで6歳になりました。
誕生パーティーでは母親が翠屋のケーキを買って来てくれました。
お店の様子を聞くと、家族5人で仲良く営業しているって。
なのはちゃんに聞いた家族の人数に一致するので、みんなで仲良くなれたみたいで良かった。
流石にこの年齢で喫茶店に行きたいとか言えないし、1人で行くわけにも行かないから、ここまで確認が取れませんでしたよ。
でも、本当に良かったなぁ……。
これで俺はなのはちゃんに対する心残りがなくなりましたよ。
今年の誕生日プレゼントも野球用品でした。
後は靴とか消耗が激しいので、何足か買って貰えました。
両親にやはり申し訳ない気持ちでいっぱいなんですが、靴が摩耗するのはいっぱい動いている証拠なので、どんどん消費しなさいとの事です。
本当に優しい両親で嬉しいよ。
よーし、もっと良い子になって手のかからない子になるぞーっと。