この話は全てぶん投げてネタになる可能性もありますし、全て現実になる可能性も秘めています。
でも、気になる方は引越し先でも読んで頂けると嬉しいです。
タローが全く参加しない物語なので、下手な三人称で書いています。
色々とネタを散りばめてあリますので、笑っていただけると幸いです。
閑話 裏話
次元野球 変則三角ベース 試合結果
闇 の 書 02021
夜天の書 12003x
勝利投手 なのは
敗戦投手 クロイツ
本塁打 クロイツ(1号)タロー(1号)
スコアプレー
1回裏
フェイト ランナー1塁からバントにより得点。
(0−1)
2回表
烈火の将 満塁から紫電一閃によりピッチャー強襲。3塁ランナー帰還
(1−1)
クロイツ 満塁からフォトンランサー・ジェノサイドシフトにより守備強襲。3塁ランナー帰還
(2−1)
2回裏
タロー ランナー3塁から内野安打
(2−2)
フェイト ランナー3塁からサンダーフォールによる守備強襲
(2−3)
3回表
蒼き狼 ランナー3塁から三塁打
(3−3)
風の癒し手 ランナー3塁から旅の鏡による変則ヒット
(4−3)
5回表 クロイツ 本塁打
(5−3)
5回裏
プレシア ランナー1塁からフォトンランサー・ジェノサイドシフトによる守備強襲3塁打
(5−4)
タロー ランナー3塁からランニングホームランで逆転サヨナラ
(5−6)
☆とある食事風景
高町家の夕食のテーブルには高町家5名とユーノ・スクライアが座っている。
しかし、今日は何故か空気が重い。
ユーノはひしひしと感じる視線に嫌な予感を覚えつつ、ポーカーフェイスで乗り切ろうとしている。
「ユーノ君、ちょっと君に相談があるんだけど……」
そう言って来たのは高町家の大黒柱である高町士郎。
引退したとはいえ、接近戦では魔法ありのなのはすら寄せ付けない無類の強さを誇る剣士。
ユーノはゴクリとツバを飲み込み頷く。
「ユーノ君は、スクライア一族に育てられていたそうだね」
「はい」
「ご両親は既にお亡くなりになっていて、身内と呼べるのはその一族と」
「はい」
ユーノの返事に顔を見合わせる士郎と桃子。
なのはは意味がわからず首を傾げている。
「君が魔法を使えるのは知っている。そして、地球の戸籍を手に入れた事もこの間聞いた」
「はい」
「もし、君さえ良ければなんだが、高町家の養子にならないか?」
「……はい?」
ユーノは自分の耳を疑っている。
見知らぬ自分をずっと泊めて貰って、修行をつけてもらい、食事もごちそうしてもらっている。
既に返しきれない程の恩があるのに……。
「難しく考えることじゃない。君はまだ子供だ。だけど、誰に甘えること無く生きている。それは凄いことだと思う反面、寂しいことなんだ」
士郎は昔を思い出す。
なのはが孤独で誰にも頼れず、いい子になろうと必死になっていたことを……。
「僕達は既に家族のようなものだ。だけど、家族のようなものであるからこそ、遠慮していることも多い」
「だから私達の本当の家族になって、一緒に過ごして行かないかしら?」
「で、ですが……」
ユーノは7歳で学問をすべて飛び級で終え、8歳になった時には発掘の代表にもなっている。
そんな大人でいることに慣れているユーノには、自分が子供と言う認識が低い。
それ故、士郎と桃子の言葉に戸惑う。
「弟が出来るのって私は嬉しいな。ね、恭ちゃん」
「ユーノが弟か……俺も嬉しいな」
兄弟以上に仲の良い恭也と美由希は乗り気だ。
なのはは未だにフリーズしているが……。
そんななのはを見て桃子は一言告げる。
「養子なら兄弟でも結婚できるのよ。だから、恭也と美由希は元より、なのはとユーノもね」
「「「「!?」」」」
その言葉に猛烈に反応をしたのは美由希以外の4名。
なのははフリーズが解け、嬉しそうな顔になる。
ユーノは照れるが、殺気を感じ真顔に戻る。
殺気を出している士郎と恭也は……いつも通りだ。
「ちゃんと帰る家があるっていうのは、子供にはとても大切なモノなのよ」
「あ、ありがとうございます。ちょっと、急すぎて混乱しています」
「まぁ、のんびり考えてちょうだいね」
桃子のその言葉で食事が再開され、話題は消えていく。
だが、ユーノの心は不安に揺れつつも、暖かくなっている……。
「兄弟ならもう少し修行を厳しく出来るな」
「息子に手加減は無用だな」
そして顔を合わせる士郎と恭也。
「「ふっふっふっふっふ……」」
その後、桃子に2人が思い切り怒られたのは言うまでもないことであろう。
☆とある会話
「貴方がギル・グレアム氏ですね」
グレアムが声をかけてきた方を向くと、金髪の父娘がいた。
「失礼、自己紹介が先でしたな。私はデビット・バニングス。横にいるのは娘の……」
「アリサ・バニングスです」
そう言って礼儀正しく頭を下げる。
「これはどうも丁寧に。私のことはご存知のようですが、ギル・グレアムと申します。それでこんなところで声をかけてきたのは何でしょうか?」
若干プレッシャーを与える声音。
いきなり声をかけられれば十分警戒するに値する。
「おや、そんなに警戒なさらずに。どうしても娘が貴方と話しがしたいということで、保護者として付いてきたまでですから」
「おや、そうなのですか? それではレディ、私にどのようなお話を?」
紳士然とした言葉にアリサは笑顔で答える。
「ええ、次元管理局で名を馳せ、色々なツテを持っている時空管理局歴戦の勇士、グレアム氏とお話がしたいのよ」
その言葉で空気に一瞬緊張が走る。
グレアムはアリサを探るような目で見る。
「そんなに警戒をなさらないでおじさま。あたしはタローの関係者……と言えば、ある程度納得してくれるかしら?」
アリサがタローの名前を出すとグレアムは呆れた顔をする。
地球にやってきて八神家で語られるタローの非常識具合。
冗談かと思いクロノに問い合わせれば、その程度では収まらないといわれる。
リンディにまで聞いてみると、闇の書との次元野球の映像を見せられる。
存在が非常識で、周りにも非常識な影響を与える人物。
しかし、周りもそれを楽しんでしまう。
そんな雰囲気を醸し出す子供という評価をグレアムはしていた。
「そんなタロー君のガールフレンがどんなことで私に話をしているのかい?」
「おじさま……貴方、はやて達が管理局で落ち着けば退職する気でしょ」
「!?」
グレアムはリーザ姉妹にも言っていない事をズバリ言い当てられ、一瞬言葉に詰まる。
「やはりそうなのね。男っていうのはみんな馬鹿だから、そういう物だってパパに言われたわ」
チラリとデビットを見ると苦笑いしている。
「そんなおじさまにお願いがあるのよ……」
アリサの口から飛び出したお願いはグレアムも驚くものだった。
ミッドで次元野球のチームを作りたい。
しかも管理外世界の連合でと。
正直、次元野球は魔法を使ってナンボの世界。
管理外世界に魔法を使えるものは極稀にいるが、まずいないと思っていいだろう。
しかし、グレアムはアリサの案がだんだん面白いと感じている。
リンディからまわされたタローの次元野球……魔法を使えないのに、魔法のようなプレイ。
三角ベースという簡易的なものだったが、フルメンバーでやらせたらどうなるんだと。
「新たな野球チームを作るのも難しいのに、管理外世界の連合チームを作るだなんて狂気の沙汰だぞ」
「時間はまだあるのよ。私たちは小学4年生。義務教育は中学生が終わるまでだから、やれるのはその後。つまり5年間は丸々あるのよ」
グレアムは頭の中で整理する。
自分に残された時間……それを闇の書から開放してくれたタローに捧げるのも面白いのではないかと。
そんな事を考えたグレアムの表情を見て、アリサはニコリと笑う。
「興味を持ったようね。まだ、あたしでは何も力がないの。パパを頼って、そしておじさまを頼って……。それでも、タローに思い切り野球をやらせてあげたいのよ」
「惚れた弱みかい?」
「そうね。本人にも、野球にもね」
そう笑うアリサは綺麗だった。
この日を境に、目標に向かって動くグレアムの姿があり、その影にはバニングスグループがあった。
それから数年後、管理外世界連合野球チーム……次元の海を現し“マリナーズ”と呼ばれるチームが颯爽とミッドで活躍を始める。
☆とある共同墓地
1つの墓標の前でクロノとリンディ、グレアムとリーゼ姉妹が手を合わせている。
「父さん……終わりました。闇は夜天へ返り、もう悲劇は起こりません……」
クロノはそう言って花を添える。
「クライド……私は間違っていたんだな。それを若い世代に正されたよ」
「クライド君……全部終わったからね」
「クライド君……ゆっくり寝てね」
グレアムとリーゼ姉妹も言葉とともに花を添える。
「クライド……世界は色々あって大変だけど、私達はいつもと変わらず元気にやってるわ」
リンディは笑顔で花を添える。
そして一陣の風が吹く。
まるでその言葉が届いたかのように……。
☆とある研究室
この研究室には男女2人が空中モニタを見ながら話をしている。
男はニコニコしながら女に話しかける。
「これで闇の書は無事、夜天の書になったわけだ……」
「そしてドクターは闇の書のデータが手に入ったと」
「無限連環機構……システムU−D……砕け得ぬ闇……紫天の書……」
男がキーボードを叩くと、空中モニタに色々なデータが表示される。
「本当にこれは興味が尽きない。なんてなんて素晴らしいんだ!」
「パトロンからの依頼された物よりは楽しんでいるように見えますけど、何がそんなに違うのですか?」
女の言葉に男は初めは小さく、そして徐々に大きく笑い出す。
「そうだね。あの大魔導師やプロジェクトFも面白い存在だが、さらに不確定要素の存在を確認できたしねぇ」
「一之瀬太郎……リンカーコアもない管理外世界の住人。聖王教会のデータでも一般人としか出てませんでしたが……」
「それだよ! その一般人がなぜ守護騎士や管制人格に防御人格を救えたんだい? 夜天のオリジナルデータと共に初期化されるはずだったあの6人を!!」
男はどんどんテンションが上がって行く。
女は男の楽しそうな顔を見て嬉しそうにしている。
(ドクターがここまで楽しそうにするなんて、少し嫉妬してしまいそうですわ)
「さあ、私の無限の欲望を満たしてくれ……」
そして男の高笑いが研究室に響きわたる。
運命の歯車は回りだした。
4月1日から書き始めた小説でしたが、ここまで頑張れたのは皆さんの感想や応援のおかげです。
にじファンは終了してしまいますが、今後も別の場所で頑張って行きたいと思います。
毎日投稿は正直大変でしたけど、高いモチベーションで書きながら楽しめました。
今後は毎日投稿は無理となりますけど、のんびりと続けていきたいと思います。
本当に皆さんありがとうございました。