タローによって無印を崩壊させ、ついにA’sまでも破壊完了!
そして続くは原作では語られていない空白期。
特に目的もないのでダラダラと続く可能性もありますが、よろしくお願いします。
第1話 引越し
お久しぶりの一之瀬太郎です。
ジュエルシード事件に続き、闇の書事件が有耶無耶に解決となりました。
イマイチ僕が解決したと言うよりは、周りのみんなの活躍で解決した感じなんですよね。
その事後処理も含めて、みんなミッドから帰って来ません。
そんな訳で平和な日常モードとなってます。
学校でも会うのはアリサとすずかだけだし……。
「なによ、あたしと会えるのが不満なわけ?」
「えっと、そんな事言ってないんだけどね……」
「そ、ならイイのよ」
そう言ってお弁当の続きを食べるアリサ。
あ、今はお昼休み時間で屋上にいます。
いつもの様にアリサからオカズを少し頂いてます。
うん、どんどん美味しくなってるなー。
「なのはちゃん達はいつ頃帰ってくるの?」
「んー、僕は難しい話が分からないんだよね。多分7月までには帰ってくると思うんだけどさ」
「そうなんだー」
すずかの言葉にうまく答えられないなー。
これは誰かに聞けば良いのかね。
「それなら七夕祭りに皆で集まれば良いのよ!」
「アリサちゃん、それ良いね。駅前の商店街でそんなイベントがあるってお姉ちゃんが言ってたよ」
「へー、そんなイベントあるんだー?」
アリサが疑問の声を上げる。
「うん、恭也さんとデートするって張り切ってたから間違い無いよ」
「あぁ、あの2人はラブラブなのね……」
「……うん。いくら家の中だからって、少しだけ自重して欲しい時もあるけどね」
そう言ってアリサとすずかはため息をつく。
ラブラブなら良いものじゃないのかね?
そんな事を思っているとアリサとすずかが僕を見ていた。
「「はぁ」」
あれ、なんで溜め息付くの?
「タローはそういう雰囲気とかアレだから……」
「アリサちゃん頑張ってね……」
「え、何の話?」
「「なんでもない(わ)よ」」
何だか非常に失礼なことを言われた気がするけど、気にしちゃいけないのかな。
「それよりタローはフェイト達の住む場所について聞いてる?」
「ううん、全然。アリサは何か知ってるの?」
「んー、あたしは分からないってことにしておくわ」
そう言って言葉を濁すけど……なんだろね?
数日後、僕の家に隣接した空き家に引越し業者がやってきた。
……あれ? あの業者の人ってアレックスさんじゃ。
「お、タロー君じゃないか」
「おーホントだ、元気だったかい?」
「アレックスさんだけでなくランディさんまで?」
他にもよく見ればギャレットさんとかアースラスタッフがいるんだけど……。
周りを見ていると家の中から、エプロンをつけたエイミィさんが出てきた。
「次の荷物は……あれ、タロー君?」
「エイミィ、君の荷物は……って、タローじゃないか?」
エイミィさんを追ってクロノまで家から出てきた。
「……まるで夫婦?」
「え、ちょっと、タロー君? な、何言ってるのかな〜」
あれ、声に出てた?
エイミィさんは赤くなって照れているし、クロノはそっぽを向いてるけど耳のあたりが赤いな。
「あら、タロー。そっちの若夫婦からかって何してるの?」
この声はプレシアさん?
声の方を振り向くとプレシアさんとフェイトがいた。
「タロー……久し振り!」
「プレシアさんとフェイトまで!? もしかしてこの2件って……」
「そうよ。こっちはテスタロッサ家4名、そして……」
「こっちはハラオウン家2名にエイミィさんよ」
プレシアさんの説明を継ぐように、リンディさんが話す。
「久し振りねタロー君。詳しい話をするから……タロー君の部屋でイイ?」
「はい、構いませんけど……。僕の部屋にそんなに人は入れませんよ」
「大丈夫よ。プレシア、クロノ、フェイトさん行きましょ。エイミィさんは後をお願いね」
「は〜い、わかりました」
そして4人が僕の部屋にやってきた。
お茶を出すと……相変わらずリンディさんが砂糖を大量投入している。
うーん、MAXコーヒーとどっちが甘いかな?
そして説明が始まった。
まー単純にここに引っ越してきたってだけだと思ったんだけど、エイミィさんがハラオウン家と一緒に住むって事か。
「クロノも年貢の納め時なのかい?」
「い、いや、まだそういう訳じゃないんだが……」
そう言って頬を掻くクロノ。
目も泳いでるんだけど……。
「実は僕に使い魔が2人出来てね……。それを知ったエイミィが一緒に住むって言い出してさ」
「へー、使い魔を2人って大変じゃないの?」
「あぁ、正直アレだけ魔力を持っていかれるとは思わなかったよ。元々僕よりも強い使い魔を2人だからね。フルスペックで動かさせてあげられないのは、自分の未熟さを感じるから精神的に辛いよ……」
……元々クロノよりも強い使い魔?
「クロノ、タロー君が理解しきれてないわよ。ちゃんと使い魔を紹介してあげなさい」
「母さん……。分かりました。タロー、僕の使い魔なんだけど……」
突然僕の部屋の扉が開き、ショートカットの女性が入ってきた。
「クロスケー、引っ越し終わったぞー」
「ロッテ、人様の家に勝手に入らないの!」
あれ、この人達ってグレアムさんの使い魔2人だったっけか?
確かショートカットのほうがリーゼロッテ、ロングヘアがリーゼアリアだったよね。
「タローさん、お邪魔してます」
「タロー、おじゃまー」
「タローすまない。これが僕の使い魔だ……」
そう言って額に手を当ててため息をつくクロノ。
リンディさんとプレシアさんは笑ってるし、フェイトは……。
「うーん、はやてが言っていたベッドの下って……タローの部屋にベッドないし……。他は本棚の裏とか……」
……何故か僕の部屋をゴソゴソと物色していた。
何やってんだ?
「フェイト!」
「母さん?」
さすがにプレシアさんが止めるかな?
「そう言うのはサーチャーを設置しておくとかどうかしら?」
「さすが母さん! じゃあ……」
駄目だこの母娘……早く何とかしないと。
(リニスー、ツッコミ不在で大変です……)
(はい!? た、タロー? 今引っ越し終わったのですぐに行きますね)
念話が切れると部屋の窓があいてリニスが入ってくる。
いや……僕の部屋2階なんだけど……。
「大丈夫です! ベランダから来たから直ぐです」」
何が大丈夫か分からないし、僕の頭の中を読むとか……。
そして僕の部屋は何だかカオスになって行く……。
これ、どうすれば良いんだろ?
同じ日にはやて達も帰ってきていた。
八神家の人口が増えたのでその買い物とかで忙しかったようだ。
「って、なんで2人して僕の部屋に窓から入ってくるの?」
「「タローは気にするな」」
そう言ってきたのは、先ほど窓から入ってきたリインとクロイツだ。
しかも、この2人は何だかくつろいでるし……。
「まぁ、そんな訳で俺がタローに八神家の事を教えに来たのだよ」
「随分簡単に言うね」
「まぁな。ウチのはやてがそういう娘だから、俺もそうならざるをえまい」
「クロイツは適応性高いぞ。私がはやてと呼ぶのにあれだけ苦労したのに、あっという間に呼んでいるしな」
そう言ってリインは呆れながらも優しい瞳でクロイツを見る。
クロイツはその視線に気がつくと、恥ずかしそうにそっぽを向く。
「ま、まぁ、それは良いだろ。そんな事よりも、タローに頼みがあるんだろ」
「おぉ、そうだったな。お前があまりに面白いので忘れていたよ」
あまりに自然にリインとクロイツは会話している。
ある意味、ずっと昔からの付き合いだもんな。
長年寄り添った夫婦みたいなものか。
「それでタローよ。頼みを聞いてもらいたいんだが」
「いいよ」
「理由を……っていいのか!?」
リインが驚くというか、ノリツッコミしている。
どーみても、これははやての影響だろうな。
いいんだか、悪いんだか……。
「リイン。タローと付き合うには悩んでは駄目だとはやても言っていただろう。とりあえず了承をもらったんだ、説明をしておけば良い」
「そうか、それもそうだったな。実はな……」
なんでもはやては魔力が大きすぎて、細かい魔力操作が出来ないらしい。
元々、大魔力と高速・並列処理は衝突するのが当たり前なんだとか。
それで本来はリインがユニゾンデバイスとしてそれをフォローするらしい。
しかし、人と同じ様になってしまったリインではその役目が出来ない。
「それって僕のせい?」
「すまない……。タローにこの様な形にしてもらったのに関して文句を言っているわけじゃない」
「そうだぞ。タローが俺たちをこうしてくれたことに感謝している。消えずに済んだしな」
それならいいんだけどさ。
どうも、僕のやることは空回りしているんじゃないかと……。
「お前は意外とネガティブだな……。大丈夫だ、タローのやった事はこの俺が保証する」
「そうだぞ。私達を夜天に戻したのはタローの力だ。だからこそ、そんなお前に名前をつけて欲しいんだ」
「名前?」
僕の言葉に頷くリインとクロイツ。
「これから俺たちは、はやてのためにデバイスを作る」
「当然作るのはユニゾンデバイスだ。しかし、現在ではユニゾンデバイスの製造方法なんて残っていない」
2人が言うには、2人の持つ蒐集した魔法や、手に入れた技術を使い、聖王教会の協力を得て、時間をかけてユニゾンデバイスを作成するそうだ。
ユニゾン率は元々、主と従者の関係にある守護騎士とは別の存在、リインとクロイツのデータを使えば問題ないらしい。
それによって作られるユニゾンデバイスの名前を決めて欲しいと……。
「さ、了承はとれているんだ。しっかり名付けるが良い」
「そうだぞ。私達のために頼む」
そう言って不器用に笑う2人。
元々、笑顔は苦手なんだろうな。
「あぁ、分かったよ。リインとクロイツの子供に名を授けるよ」
「「それは違う!」」
「夜天に戻したデバイス、栞から……“リーフ”と名付けよう!」
「「人の話を聞けー!!」」