3話 すべてはここから始まる
軽い自己紹介と確認が済んだところで彩峰中将が口を開いた
『本来なら突然我が部隊の前に現れた君を拿捕すべきなのだが
戦況が戦況だ、それで君にやってほしいことがある』
「僕は何をやればいいんですか?」
『司令部の防衛だ』
・・・・・まさかこんな事を言われるとは思わなかった
正直、国に戻ってくれとか言われそうだったんだけどな
だけどいきなり拠点防衛、しかもこちら側の本拠地の司令部と言われてしまったら
何があったのかと思いたいぐらいだ
『いやなに、何も一人でやってくれなんて言わんよ。監視役として一個小隊をつける』
「分かりました」
彩峰中将が話し終えると僕につける小隊の選出をしていた
それまでの間に僕がすべき事を考える事にした
まず現状把握をしておこう
・まず今世界では宇宙人との戦争に巻き込まれている
・戦況が宇宙人の方が圧倒している可能性が大きい
・そして今僕が乗っている巨大なロボット———戦術機が唯一の対抗戦力である
まぁ元の世界に戻るつもりはないし戻る気もない
だったらこの世界で生きていくしか道はないわけだから
どうやってこの世界で生きていくかなんだけど・・・・・軍人としてかなぁ?
とりあえず細かい事は後にして武器の確認をする事にした
明らかに僕の持っている武器と彩峰中将達が持っている武器は全く違う
装備の確認のためいろいろいじっているとやっと出てきた欄がweaponだった
欄の下を見ていくと同じ銃が二つで剣が一本と刀が一本そして装備かどうか分からない
棒のようなものがあった。使い道は近いうちに考えておこう
『鉄殿!』
「は、はい!」
聞きなれない名前で呼ばれたので少し驚いてしまったが彩峰中将は構わず話を進める
『貴方には沙霧中尉が率いる一個小隊と同行して国連軍司令部の防衛に回ってもらう
すでに作戦時間は過ぎている、至急司令部に向かってくれ!』
「りょ、了解しました!」
『話は以上だ。沙霧中尉後は任せたぞ』
『はっ!中将もお気をつけて!』
そう言って彩峰中将は他の部隊の人達と別方向に向かっていった
沙霧中尉達も僕の方を向いて司令部に向かおうとしていた
操縦は慣れないけど操作方法らしきものとコマンドが出てきた
それほど難しくなかったためすぐに出来たため移動には手間取らなかった
『今回君の監視役を命ぜられた沙霧だ、階級は中尉なので沙霧中尉と呼んでくれれば問題ない』
「よろしくお願いします、沙霧中尉」
『司令部は鉄殿が落ちてきた所から近い所にある、作戦時間も近いため急ぐぞ』
「了解しました!」
僕の返事と同時に各機が噴射跳躍を始め、僕も遅れて噴射跳躍で追いかけた
この時僕には少しだけの異変に気づけなかった
weaponのアイコンのずっと下の方に今乗っている機体からの歓迎の言葉に
<Welcome to the world my master.>
と書いてある事に
移動を開始して数分たった頃、前方に大きな建造物が見えてきた
その建造物は、辺りの自然とは正反対であまりにもその場には似合わなかった
だがしかしその大きな建造物は希望の塊とも思えた
『こちらデュラハン6。HQ応答願います』
《こちらHQ、何があった》
『大隊長から司令部の防衛に回れとの命令です、許可を願います』
《了解、許可する》
案外あっさりと入れた事に驚いてた、大規模作戦なのに本部防衛に兵を容易く回してもいいんだろうか?
だが基地に到着した瞬間疑問のようなものが晴れた
あまりにも少なすぎた戦術機の数とガラガラの格納庫の数だった
『大隊長は司令部防衛にも兵を裂くべきだと上層部に進言したのだが、救出作戦には前線の兵の数で決まる。
ましてやBETA相手ならなおさらだと跳ね除けてしまってな、司令部側は泣く泣くそれを承諾したらしい』
たしかに戦争は本拠地が落ちれば速攻で白旗ものだ。それでも軍の大半を前線に出す事は
よほどの自信家か、そうでもしなければ負けるという事を意味している。
まぁとりあえず移動中に僕は傭兵ということになったので、傭兵は口出し無用ってことだろう。
ガラガラの倉庫の中を拝見しているうちに【緊急通信】という文字が突然に現れた
≪基地内全衛士に告ぐ!第3防衛ライン後方からBETA出現!至急戦術機に搭乗し、司令部防衛に回れ!≫
『!?』
沙霧中尉は驚いた声を出しているようだったが、何も驚く事はないだろう
歴史上の戦争を見ている内に地中から奇襲をするなんか普通の分類に入る
むしろ、基地の下から出てこなかったのが驚きの範囲だった。
『HQよりデュラハン6に告ぐ、貴官等は司令部の北部に向かってくれ!』
『了解、デュラハン6より全機に告ぐ!これより我々は司令部の北部にてBETAを迎える。
全機装備を確認、後に奴らが来るまで待機だ!』
『了解!』
僕以外の衛士と呼ばれた彼らはディスプレイの端の方から消えていっていった
装備に関しては先ほど確認したばっかりなので問題は無い
それから1分もしない内に沙霧中尉からまた各機に通信が入った
『全機確認したな?では行くぞ!』
沙霧中尉の言葉をきっかけに全機が噴射跳躍を始めた
僕も噴射跳躍をして、沙霧中尉達の後を付いて行った
移動中僕はだんだんいつもの感覚になっていくのを感じていた
そう、
どうも、陽炎です
やっぱり1ヶ月ほどかかってしまいました
亀投稿だけはしたくないなぁ・・・・
がんばって行きたいと思います
では!