第3話
僕は精神年齢30歳前に魔法使いになる!
おはようございます。
ツアイツです。
今朝も幸せなぱぷぱぷ状態から、気持ちよく目覚め朝の挨拶をしています。
このエーファ嬢は、覚醒前の僕の一番のお気に入りの娘だったりします。
黒髪ロングのおっとりお姉さん系が転生前の僕の理想だったので、無意識下で惹かれたのかな?
良くやった覚醒前の僕。
昨日の失敗を繰り返さない為にも、少し早いのだろうが彼女を起こす為に顔をふくよかな双子山に擦り付
けた。
「あん。
あらお早う御座います若様。今朝はお早いですね」
おっとりと朝の挨拶をしてくれた。
「おはようエーファ」
子供らしい笑顔で挨拶を返し起き上がる序に彼女の胸に軽くタッチした。
エーファは僕の無礼にも微笑みを向けるだけで、手早く自分のメイド服を着て
「では洗顔とお着替えの準備をしてきます」
と部屋を出て行った。
嗚呼……マイサン!
今日も微動だにしてくれないので心に一抹の不安が。
今の目覚めのシチュエーションなど、ご飯3杯は逝けるだろうに所詮は幼児ボディ。
はぁ精通って大体何歳位でくるのかな?
さて今日から魔法使いになる為に修行を開始するぞ。
前世あわせて既に29歳。
30歳迄には真っ当な手段で魔法使いに。
ハルケギニア風にはメイジとならねば!
このままでは童貞を30年貫いて童帝となり、究極の魔法使いに成ってしまう気がする……
結論として僕は、累積年数30年童貞を貫いてしまったが、メイジとしてはギリギリ29歳でドットにな
れた。
父上が誕生日の翌日から僕の為に、契約を結ぶ杖の作成を許可してくれ2ヵ月後には手元に届いた。
専属の家庭教師がついて先ずは、コモンマジックの習得に励む。
家庭教師の先生はリッテンさんと言い、水のトライアングルで32歳の学者肌な方です。
感じとしては、普段のコルベール先生をフサフサにした感じかな。
流石に貴族の子弟の家庭教師をするだけは有り、教え方も丁寧で分かりやすく礼儀正しい人です。
ふっと思ったが、この時代には家庭教師斡旋組合とか有るのかな?
彼は父が探してきたのだが、他の貴族からの口コミで聞いて家臣に直接交渉に行ったらしい。
生活に余裕の無い貴族なら両親が教えるらしいので、恵まれているんだろうな。
それにムキムキマッチョ軍曹の、スパルタ教育よりは全然ましだし。
美しいお姉さまに手取り足取り個人授業も夢みたが、いくら伯爵家の御曹司相手とは言え現実としては有
り得んわな。
「さて、若様始めまして。
今日から貴方の魔法について教える、リッテンです」
「先ずは基本であるコモンマジックの中でレビテーションとフライを習得して頂きます」
連載4話目にして初めて、魔法が出てきました。
ハルゲニアの魔法とはイメージと精神力が、最も重要なファクターだ。
幸い精神力は見た目5歳だが中身は29歳なので、現時点でも問題は無いだろう。
先ずはレビテーション!
3m先の小石に向かって、教えてもらったスペルを唱え意識を集中する。
因みにイメージは、漫画で読んだサイコキネキスの要領で行った。
結果、小石は問題なく地上1.5m位の高さでふよふよと浮いている。
「お見事ですぞ若様」
リッテンさんが、拍手をしながら褒めてくれた。
「初めてで成功させるなど、若様の年齢を考えても素晴らしいですよ」
父上に用意して頂いたこのタクト型の杖との相性も良いみたいだし、イメージは前世で読んだり見たりし
た超能力や魔法をテーマにした漫画やアニメが役にたった。
砲撃とかしてみたいですNさんみたいに!
続いてフライを自身に唱えてみる。
イメージの元はドラゴ○ボールの舞○術だ!
ふわりと体が浮き上がるのを感じる。
取り敢えず3m位まで浮かび上がってから下を向いたら、急に心臓を鷲掴みされたように苦しくなって精
神が乱れフライの制御が乱れてしまい落下してしまった。
「若様危ない!」
とっさにリッテンさんがレビテーションを唱え、地面に激突する寸前で助けてくれた。
「ありがとうございますリッテン先生。
高い所から見下ろしたら急に怖くなっちゃいました」
てへ!
って感じに舌をだしてあやまってみたが、まだ心臓はバクバクしっぱなしだ。
多分前世の死亡原因の転落が関係して高所恐怖症……
トラウマになってしまったのかもしれない。
近くで様子を伺っていたのか、ナディーネとエーファが駆け寄ってきて介抱してくれた。
みっともない所を見せてしまったかな。
SIDEリッテン
最初にハーナウ家の使者から若様の魔法指導の話を聞いた時は、断ろうかと思いました。
両親も早く他界し、独身で領地も無い名ばかりの子爵。
生活に困るほど困窮はしていませんし、国から頂く禄だけでも十分生活出来る。
暇の全てを好きな研究の時間に当てられますから。
何度か貴族の子弟の魔法の手ほどきをした事がありますが、私の様な没落一歩手前の貴族に対しあからさ
まに蔑む様な態度を取る子供が多い。
それも親が大貴族になるほど、手の付けられない糞餓鬼達です。
丁度、話を貰った時にどうしても欲しい魔道書が有り、高くて我慢していたのですが前金の金額で購入出
来るのでつい請けてしまいました。
ハーナウ家は新興ながらこの50年位で急に勢力範囲を伸ばしてきた一族。
急に裕福になり甘やかされた子供だろうと思ってましたが、最初に会った時に随分と大人しいでなく落着
いた子供だと感じました。
まだ5歳ながら礼儀正しく、初めての魔法授業だと言うのに冷静に逆にこちらを観察している様な目をす
る事も有り、違う意味で やり難い子供だとも思いました。
いざ授業が始まってみれは優秀な生徒でこちらの説明を正しく理解し、逆に次のステップで教えようと思
った事を質問してきたりします。
理解力が高いと言うか不思議と、同世代と会話している気持ちになります。
先ずは基礎のコモンマジックのレビテーションを唱えさせてみました。
初めての魔法を一度目で成功させる事も驚きましたが、魔法自体も安定しています。
よほど確かなイメージが有るのでしょう。
実際、両親や家臣達の魔法を直に見ていたのかもしれません。
殆ど精神力の消耗も見られませんし続いてフライも実践させてみます。
小石とは違い自身の体を浮かす訳ですし、重量も桁違いに重いので僅かに浮く位かと思えば一気に3m位ま
で浮かび、その後直ぐに苦しそうな顔になり制御を失い落下していきました。
咄嗟にレビテーションが間に合いましたが、何故かれはあんな恐怖に歪む顔をしたのか……
確かに子供があれだけの高さに上がれば恐怖するとは思いますが、もっと深い恐怖心が有る様に感じまし
た。
それより急に駆け寄ってきて介抱している2人のメイドと、何をいちゃついているのか。
しかも両方、巨乳の美女・美少女じゃないですか。
普通、使用人を名前で呼んだりする事は少ないのだが、随分と仲が良さそうなんですけどー。
SIDEナディーネ&エーファ
今日から若様が魔法の勉強をなさります。
正直に言うと我々平民からすれば、魔法は恐怖でしか有りません。
お優しい若様の事ですから魔法を覚えても私たちに使う事はないと思いますが、やはり恐ろしいもので
す。
先生の話を真剣な表情で聞いていらっしゃる若様は、凛々しいですね……
えへへ。
しかし突然フライでしょうか?
若様の体が高く飛び上がったと思ったら、急に落下していきました。
先生が魔法でお助けしたみたいですが、まだ初日だと言うのになんて危ない授業をするのでしょうか。
この人は良さそうですが、頼りなさそうな方が先生で大丈夫なのでしょうか?
心配です。
今後は巨乳同盟のメンバーで授業を監視しないと、いけないかも知れません。
それとこの先生、何故か我々の胸を凝視してますが……
イヤラシイ。
この身は既に若様の物と決まってますのに。
言い寄ってきたら、はっきりと伝えなくては。
若様からも言われてますので。
こうして見ると若様の恋人(妾)宣言は悪い虫が付かない様に、私たちの事を心配して言ってくれたのだ
と思います。
次の添い寝の時には、うんとサービスをしないといけませんね。