本編100話達成記念挿話14・第3部
「ワルド&カステルモールの変態紳士エターナルロリータへの旅・第三部」
まったりと村長宅でお茶を飲む。
お茶請けは砂糖漬けのフルーツ。
これも私が用意した。
何時の時代もスィーツとは女心を鷲掴みする物だ!
「カステルモールお兄ちゃん!
この果物、凄い甘いよ」
両手に柑橘系のフルーツを持ち、口と手をベタベタにしたエルザが嬉しそうに食べている。
「エルザ、口の周りを拭きなさい。
ほら、んーして」
布で口の周りを拭いてやる……
この布は、独りになった時に別の用途が有る。
具体的には、しゃぶr……
ふと、エルザから視線を逸らすと、目を細めている村長と血涙を流すワルド殿が居た。
「騎士様……
エルザは、実は私の本当の孫娘ではないのです。
孤児でして、身寄りの無い可哀想な子供……」
「村長。
エルザは、可哀想ではないですぞ。
あなたの愛情を一身に受けている。
彼女は幸せですよ。
そうだろエルザ?」
「カステルモールお兄ちゃん……
うん。エルザ幸せだよ」
「騎士様……
なんて方なんだ」
ふっ……
男の浪漫本応用編!
身内は誉めろ。
同情じゃない優しさを見せ付けろ!
そして、身内は味方に付けろ!
これが、ソウルブラザーから学んだテクニック!
「村長は、私にエルザの後見人になって欲しい。
違いますかな?」
村長とエルザは真剣だ。
この流れなら、マイ・フェア・レディ18禁バージョンを実践出来るぞ!
「私も年ですし、長くはありません。
エルザには、信頼のおける方に引き取って欲しいのです」
「カステルモールお兄ちゃん……」
ヨッシャー!
駄目押しだー!
決定はエルザにさせる。
これが、極意ですよね?
ツアイツ殿。
「エルザ、君が決めるんだ。
私と共に歩むと望むなら、希望に応えよう!」
エルザの目を見て問いかける。
ここで、子供扱いはタブーだ。
対等な相手として接するのだ!
「エルザ、お兄ちゃんの所に行きたい!」
よっしゃー!
エターナルロリータ、ゲットだぜー!
見渡せば、村長は涙ぐみワルド殿は居なかった。
外で破壊音が聞こえる……
アヤツ、良く我慢出来たものだ。
膝の上に飛び乗ったエルザの頭を撫でながら……
思わずマイサンが力強い息吹きを始めてしまったので、慌てて精神力で平静を保つ。
一瞬、ナニに触れたエルザが妖しい目をした!
これは、気付かれたか?
彼女は吸血鬼……
演技でない彼女とも、話さなければならないだろう。
今は、幼女の重みと温かさを堪能しようか……
「あの……
騎士様、お連れの騎士様を止めて下さい。
村の地形が変わります」
破壊活動に勤しむワルド殿を見て、連れてこなければ良かったと思う。
何しに来たんだ同志よ?
SIDEエルザ
あのワルドとか言う男……
何なの?
あの纏わり付く視線や言動、意味不明な行動。
普通じゃないんだけど。
最後はカステルモールお兄ちゃんが実力で黙らせたけど、双方の実力を垣間見た。
私では敵わない……
それにカステルモールお兄ちゃん。
一瞬だけど私に欲情してた……
精神力で抑え付けたけど、○○○(ピー!)が力強くなったのが私には分かった。
でも、幼子の様に思われるよりは女性として想われたくもある……
実際、私だって実年齢で言えば大人だ。
そろそろ番(つがい)が欲しいのだけど……
「エルザ……
女性が、こんな夜分に出歩いては駄目だよ」
気配が分からなかったわ!
「カステルモールお兄ちゃん!
私、お日様を浴びると皮膚が痛くなるから……
月明かりが好きなの」
カステルモールお兄ちゃんが黙って隣に腰を下ろす。
私達は、昼間の破壊活動の跡地に出来た小山に寄りかかる様に並んで座る。
「エルザ……
私は君の正体をある人から教えて貰った」
「…………やっぱりね」
ああ……
この平穏も此処までなの。
「それで?
ガリアの騎士様は、私をどうするの?」
最悪攻撃される事を想定し、体を直ぐに動かせる様に身構える。
「出来れば妻になって欲しいのだ」
「無傷で倒せると思わないでよn……はぁ?」
つま?ツマ?妻?
「……あの、私吸血鬼だよ?」
何言ってるの?
「そうだ!
君の成長は緩慢だろう……
私が老いるのは早い。
でも君は……
私が死ぬまでそのままだろう。
それが良いのだ!」
こっコイツは……
人間としての本質がロリなのね!
死ぬまでって、其処まで幼女好きなの?
「そっ其処まで幼女が好きなの?」
「…………」
何よ黙り込んで。
やっぱりコイツも幼女趣味の変態か……
「エルザ……
私は君を1人の女性として接してきた。
子供扱いもせずに」
「うん」
「私は幼女が好きなのでは無い!
ちっちゃい容姿の女の子が大好きなのだ」
「はぁ?何ソレ?
エルザ分かんないよ?」
「聞いてくれ。
昔、私は恋をした……
たまに見掛けるダケの妙齢の美女だった」
「幼女好きじゃないの?」
「しかし……
彼女は、彼だったのだ!
何と上司が女装してたのだ!
あのホモの女装癖の腐れ外道め。
男の純情を粉々にしゃがって」
「えっと……
ご愁傷様なのかな?」
「それからだ!
私は女性そのものが恐ろしくなったのだ……」
えっと、好きな人は上司の女装のホモだった……
そして女性不信になった?
どうしよう……
黙り込んでしまったけど。
「その時、私に、私の将来に光を……
夢と希望を与えてくれた恩人が現れたのだ!
彼の紡ぎ出す価値観は、私の悩みを押し流し、幼い容姿の女の子の素晴らしさを教えてくれた。
私が求めるのは幼女の様に本当に子供ではない。
あくまでも見た目だ!」
「その人って……
筋金入りのペドね?」
呆れた!
そんな酷い変態に感化されたなんて……
「いや、ソウルブラザーは巨乳派教祖のオッパイ大好きなお方だよ」
「…………いや、それは可笑しいよ?
何で巨乳好きがちっちゃい容姿の女の子の素晴らしさを語れるの?」
「彼は……
ツアイツ殿は、このハルケギニアに君臨する性の伝道師!
我らの導き手なのだよ。
今度紹介しよう。
君に会いたがっていたよ」
そんな優しい目で見られても……
ハルケギニア一番の変態性欲者には、会いたくないよ私。
「エルザ!
私と結婚してくれ!」
「キャっ……」
そんな、しっかり抱き締めないで。
「駄目だって!
ちょっと待ってくれなきゃ。
お兄ちゃん駄目だって……
あん!
そこは、まだ駄目だって……」
カステルモールは、エルザを抱き締めて首筋の匂いを嗅ぎながら背中と……
脇腹を撫でていた!
端から見れば、どう見ても幼女にイタズラする変態だ……
次話、完結編に続く!
「中途半端で終わらすなー!
責任者を呼べー!」