本編100話達成記念挿話15・第4部
「ワルド&カステルモールの変態紳士エターナルロリータへの旅・第四部完結編!」
星降る様な満天の星空の下、カステルモールとエルザは現在……
抱き合っている!
しかし体格の差故に、カステルモールの膝の上にエルザが跨い乗り、首に手を回すダッコチャンみたいな感じだ!
「カステルモールお兄ちゃん……
強引だよ!
私、見た目通りの華奢な女の子なのに、酷いよ」
艶々なエルザが甘える!
「いや……
大分吸われたぞ。
その分の元は取れたが……」
こちらはゲッソリだ!
そして、良い子には理解出来ない不思議な空間と会話が続いている。
「それで、そのソウルブラザーには何時会いに行くの?」
「そうだな……
一度イザベラ様の様子を見てからだな。
彼は今、祖国ゲルマニアに向かっている頃だろう」
「ふーん。
イザベラ様ってこの国の王女様でしょ?
カステルモールお兄ちゃんって偉いんだね。
それにゲルマニアかぁ……
エルザ、行った事ないよ」
「うむ……
しかし副長以下の団員もイザベラ隊を結成し育ってきたからな。
そろそろ、お役御免でも良い時期かな。
それにこれからは、一カ所に留まる生活は出来ないからな……」
「ごめんね。
私のせいで……」
エルザは下を向いてしまった。
小さな肩が震えているので、そっと抱き寄せる。
「良いんだ。
ゲルマニアのソウルブラザーの下に身を寄せるのも有りだな……
彼なら良いアイデアを授けてくれるだろう」
パッと見上げるエルザの顔には希望が伺える。
「ふーん。
凄い信頼してるんだね。
そのソウルブラザーさんを……」
「そうだね。
ちょっと前は、ガリアと言う国にも仕事にも愛着が有ったが……
後任が育ったなら、職を辞して自由に生きるのも良いかな」
「うん!
死ぬまで離さないから……
勿論、死んでも離さないけどね」
ギュッとカステルモールに抱き付く!
「ははは……
お手柔らかに頼むよ」
人と比べれば永い寿命を持つ彼女にとって、吸血鬼と言う種の違いと見た目を乗り越えてくれたカステルモールは、もう既に大切な番(つがい)だった。
見た目の成長しない自分の為に、大国の騎士団長の地位まで捨ててくれると言っているのだ。
彼を信じ、ついて行こう!
もしも、裏切られたら……
その時は彼の血を死ぬまで啜り、グールにして一緒に暮らそう。
やっと安らぎを手にいれられたから、この安らぎを奪う者は許さない……
翌朝、食卓にて……
質素ながらも、村長が出来うる限りのお持て成しの料理がならんでいる。
既に、ワルド殿は凄い勢いで食べ始めている。
昨夜の件を報告してから、彼はヤサグレている。
少し大人気ないぞ、同志よ……
「お爺ちゃん、私カステルモールお兄ちゃんと一緒にリュティスへ行くよ!」
突然のエルザの宣言に、村長は思わず食器を落としてしまう。
木製の皿がカラカラと音を立てている。
まるで村長の心の動揺の様に……
「騎士様……
本当に宜しいのですか?」
なるべく落ち着いて威厳の有る様に話す。
まさか、妻に迎える等と正直には言えないから……
「構わない。
引き取るなら、早い方が良いだろう。
子供故に順応も早いだろうし、外の世界を見るのも良い経験になるだろう」
村長は、何か寂しそうな嬉しそうな顔になり
「分かりました。
エルザ、騎士様に迷惑をかけない様にするんだよ」
「うん!
でもエルザ、子供じゃないもん」
「そうだな。
でもリュティスに行ったら、レディとしての教育もしなければ駄目だぞ!」
「エルザ、立派なレディになれるもん」
何とも、ほのぼのしている空間にワルド殿の呟きが虚しく響く……
「同志カステルモール……
自分だけハッピーエンドを迎えおって。
何がレディの教育だ!
マイフェアレディを実践する気だな。
私も帰ったら、男の浪漫本を読んで勉強だ!
今の私に足りない物……
何が足りないのですか?
ツアイツ殿、教えて下さい……」
ここに、見た目歳の差カップルが元保護者に内緒で生まれた!
エターナルロリータ。
チッパイ帝国に、サムエルの元に行けば……
幸せと安全は保証されるだろう。
しかし、付随する義務にはチッパイ巫女としてツアイツにプロデュースされるかも知れないが……
妹萌え!
お兄ちゃんっ子!
実はまだ公開出来ないが、妹キャラの候補は2人居る。
どちらの人気がより高まるかは、誰も知らない……
サビエラ村を跡にする風竜に乗っている時に、一つの騒動が有った。
エルザは日の光に弱い。
だからカステルモールは彼女をマントで包んだ!
そう!
例の男の浪漫本ファンクラブの特典マント!
上級会員のみに与えられる、大きなお友達の垂涎の逸品だが……
エルザは見てしまった!
そこに自分の刺繍が施されている事を。
まだ身も知らぬ自分を正確に刺繍出来るソウルブラザーとは……
本当に信用出来る人物なのか?
しかも、ボンテージなプリンセスバージョンだよ?
何かな?
もしかして、カステルモールお兄ちゃんって……
ソッチ系の性癖なのかな?
夕べは優しいけど力強いノーマルプレイだったのに……
お兄ちゃんに喜んで貰う為に頑張って勉強しなきゃ!
激しく勘違いした、ロリッ子バンパイア爆誕!
カステルモールの調教の日々は近いのか?
マイフェアレディに憧れた彼が、彼女を好みの女性に育てるのでは無く、彼女にM男として調教される事になるとは……
後ろから抱き締めて悦に入ってるカステルモールは、気が付かなかったとしても……
まぁ仕方ないだろう。
SIDEワルド
指をくわえながら、併走するブリュンヒルデにのるカステルモールとエルザを見る。
何で羨ましい、妬ましい!
今回は、良い所が一つも無かった……
理想のエターナルロリータを目の前にして、何にも無かったなんて。
しかし!
今回、手伝った?からには同志カステルモールには、私とタバサ殿の仲を取り持って貰うぞ!