第140話
おはようございます。
ツアイツです。
昨日は、怒涛の展開で疲れが取れてません。
朝食は部屋でテファの介護を受けて食べていますが……
「はい、旦那様あーん!」
この羞恥プレイをどうすれば良いのだろうか?
「何で、ロングビルさんやワルド殿。
ミス・ジョゼット迄が見てるんですか?」
「「「いえ、何となく(です)」」」
連中のニヤニヤが止まらない。
「「普段、飄々として頼りになるツアイツ殿が、あーん……
クククッ!」」
「おモテになるんですねぇ……」
「テファ、お姉ちゃんもやってみたいよ」
こいつ等、完全に遊んでやがる。
「あのですね!「ご主人様あーん!」いやテファ、今は大事な話が……」
「んぐっ!
それで、僕は家から出られませんから、皆で街にでも遊びに行ってきなさい。
ワルド殿、い・い・で・す・ね?
ちゃんとミス・ジョゼットをエスコートして下さい!」
「しかし、ツアイツ殿の護衛が……」
「ウチには、カステルモール殿とイザベラ隊。
それにシェフィールドさんが戻って来てますから。
この守りを抜くのは無理でしょう。
ワルド殿とダッシュ殿が居れば、ミス・ジョゼットも安心です。
ロングビルさんもテファと久し振りに、買い物に行ってきて下さい」
兎に角、皆で出掛けて下さい。
「分かりました」
皆で部屋を出て行こうとする。
「ミス・ジョゼット!」
彼女を呼び止める。
「テファと友達になってあげてね。
それとウチの街は安全だから、楽しんで下さいね」
そう言って送り出す。
先ずは、ウチに馴染んで下さい。
「さてと、シェフィールドさん居る?」
僕の呼び掛けに、直ぐに転移して現れる。
「おはよう、ツアイツ。
どうしたのかしら?」
今日は普段の様子の彼女だ。
「メンヌヴィルさんに会いに行こうかと思ってね。
一緒にお願い」
「あら?
まだ居たの、あの女」
やはり、興味の薄い相手には冷たいなぁ……
「一応体力が回復する迄と思って。
副作用とかも考えられるし……
それに復讐。
トリステインの動向が怪しいから、手元に居て貰ってる」
これから、アンアン+義父上ズVS売国奴だ。
この微妙な時期に、ゴンドラン暗殺とかヤバい。
でも、積年の怨みを知らないウチに相手が縛り首じゃやるせないだろう。
だから説明はする。
シェフィールドさんと一緒に地下室に向かう。
「おはようございます。
変わりは有りませんか?」
「ああ、坊ちゃんか……
久し振りだね」
彼女はベッドの上でストレッチをしていた。
流石は元軍属か。
「ちょっとバタバタしてまして」
「てか、坊ちゃん!
何だよ、その怪我は……
この匂い。
火傷だね」
あれ?
熱感知と匂いフェチって、薬の影響じゃないの?
「ああ、僕も敵が多いんですよ。
でもご心配無く。
直ぐに治りますから」
「治るって……
その傷だと、火のトライアングル以上かい。
俺が一方的にやられた坊ちゃんを傷付けるなんて。
相当の手練れだったんだね。
それで、相手はどうしたんだい?」
そんなに心配されると、僕もシェフィールドさんも何となく居心地が悪いです。
「ええ、問題無く処理しましたよ」
ヤンデレENDは回避しましたから……
「もう体も平気ですから、解放しますね。
それと、トリステインで問題が発生してるので説明をしておきます」
そう言って、立ち話もアレだから僕とシェフィールドさんは椅子に座る。
彼女はベッドに腰掛けている。
「レコンキスタが、アルビオン王国の次にトリステイン王国を狙っているのは知ってますか?」
黙って頷いた。
やはり、間違い無いのか。
「貴女の敵のゴンドランですが、レコンキスタに買収されてます。
今、アンリエッタ姫が腐敗貴族を一掃する為に動いてるので……
多分、一週間も経たずに彼はコレですよ」
首をスパッと切るジェスチャーをする。
「はははっ。
坊ちゃんは、やはり普通じゃないんだな。
クロムウェルが躍起になって暗殺したがるのが分かったぜ。
その口振りだと、トリステイン王国と坊ちゃんは繋がってるんだろ?」
うん、優秀だ。
只の狂人じゃないとは思ってたけど……
「トリステイン王国のヴァリエール公爵の三女(他)と婚約してまして。
だから、あの国にはマトモになって欲しいんです」
「ふん。
それだけで、か?
まぁ坊ちゃんは恩人だから詮索はしないが……
そもそも、この戦争自体が坊ちゃんの手の上で進んでないかい?」
「何故、そう思うので?」
「アルビオン王国での、坊ちゃんの人気は絶大だ。
王党派にもコネが有り、トリステインの大貴族と婚姻関係か。
そして、クロムウェルが一番恨んでる。
これで関係無いなんて、普通じゃ笑うぜ?」
パチパチバチ……
シェフィールドさんが、絶賛してr?
「ツアイツ、この女は危険かしら?
殺っときましょう?」
だーっ、微ヤンデレだ!
「待って、お姉ちゃん。
貴女は僕と敵対しますか?
それとも仲間になるか、不干渉か……
どれかをこの場で選んで下さい」
「だから、俺を雇えって言ってるだろ!
仲間……
は、殺そうとした相手に言うなよ。
周りが納得しないぜ。
だから、雇用されてやるよ」
即答されたよ。
「有難う御座います。
では、僕からプレゼントを……」
書類一式を差し出す。
「何だよ。
結局、俺が傘下に入るのだって予測済みかよ」
文句を言いつつ、書類に目を通す……
「坊ちゃん、これは?」
「貴女の新しい身分証みたいな物です。」
「ラウラ……
これが、俺の新しい名前かい?」
「ええ、トリステイン出身の貴女にゲルマニアの名前は悪いと思いますが……
出身の村は飢饉でバラバラになってますから、調べられても分からないでしょう」
パラパラと書類を捲りながら質問してくる。
「何で詳細に造り込んでるんだよ。
俺が覚えられん!
でも有難うよ。
これで、俺がメンヌヴィルだとは思われないな」
がはははっと笑っているが……
長年の癖なのか、見た目が変わっても豪快なのは戻らないのですか?
「ではラウラさんは、僕に雇われる事で良いですね?」
「ああ、宜しく頼むよ」
後一つ、大事な確認が有る……
「それと復讐ですが、今トリステインに乗り込んでも警備が厳重ですし……」
「いいよ。どうせアイツが死ぬなら、それで良い。
それに俺が復讐に行くと色々と坊ちゃんの都合が悪いんだろ?」
やはり有能だ彼女は……
これはお買い得だったかな。
「ではコレ、ウチの雇用契約書ですから。
全て目を通して、サインして下さいね」
厚み15センチ程の書類の束をラウラさんに渡す。
「では、後でエーファを寄越しますから、良く説明を聞いて下さい」
そう言って、泣きそうなラウラさんを残して部屋を出る。
「ツアイツ様、良いのですか?
あの狂人を雇うなど」
シェフィールドさん、心配性だなぁ……
「良いんだ。
彼女が入れば、ウチの諜報部も戦力が高まるよ。
何たって、荒事が少し苦手だからね」
ちゃっかりしてるツアイツだった。
何時もこの妄想小説にお付き合い下さいまして有難う御座います。
いよいよレコンキスタと対決……
なんですが、160話迄はガリアのイザベラ姫に会いに行ったりアンリエッタ姫が色々やらかしたりと其処まで辿り着きませんでした。
それで160話を分岐点として
①トリステイン王国エンド。
アンリエッタ姫編
②ガリア王国エンド。
シェフィールド編。
イザベラ姫編
③三人娘ノーマルエンド編。
を考えていて、アンリエッタ姫編を書き掛けています。
大まかな分岐はこれだけですが、個別に他のエンドが読みたい!
とリクエストが有れば、お願いします。
挿話かIF話で単発掲載をしようかと思います。
流れ的に本編継続として、その後にロマリア編を絡めた原作開始を考えているので、サイトや多作品クロスなどは遠慮して下さいね。
あと、ヴィットーリオやジュリオとの禁断の愛とかも無理ですから……
それでは我が妄想尽きる迄、お付き合い願います。