第145話
ハーナウ家に雇われたメンヌヴィル改めてラウラさん。
今日も、ハーナウ家諜報部の荒事担当として働いています。
「ひゃははははぁ!
燃えろ、燃えちまえー!
くっくっく……
ひゃーはっはー!
この匂いが、堪えられないんだぁ」
ツアイツ暗殺にハーナウ領にやって来るレコンキスタの刺客達を片っ端から処理していく。
最後の1人を燃やし尽くして満足したのか、やっと狂気の笑みを収めた……
「ラウラ殿、お疲れ様です。
他に逃げ出した連中も全て処理しました」
ハーナウ家諜報部の連中が、ラウラの下に集まってくる。
「流石は、非公開だが賞金一万エキュー……
懲りない連中だ」
「ツアイツ様はもう居ないのにな。
しかしツアイツ様にはこれまで通り秘密だ」
なんとまぁ、お人好しな一団だな。
「坊ちゃんも恵まれているねぇ……
しかし俺みたいな狂人を雇うなんて酔狂だな。
あんた等だって嫌だろう?
俺なんかと行動を共にしてはよ?」
何だ?
顔を見回して……
「別に、ツアイツ様が認めたなら我々にはそれで良いのです」
「そうですな。
元々我々も似たような存在ですから。
ツアイツ様に惹かれ集まった不器用な連中ですよ」
はははっ!
って笑い合ってるが、俺が元は白炎のメンヌヴィルだって知ったら驚くだろうな……
それとも、気にしないのかね?
あの坊ちゃんの周りには、変わった連中ばかりで退屈しないぜ。
まぁ雇われた分の仕事をこなすさ。
「では、屋敷に戻りますか?」
ラウラさんは、上手くやっているようだ……
プチトロア、イザベラ執務室。
午後の日差しが眩しい中、イザベラはボーっと椅子に座っている。
「イザベラ、平気?」
シャルロットが、心配そうにイザベラの顔を覗き込む……
「ああ……
エレーヌ、平気だよ。
私は平気だ……
普段通りにね」
どうみてもやる気が無い。
しかし、本人のやる気は兎も角、仕事は毎日溜る訳だから……
「タバサ殿、イザベラ様に構ってないで仕事して下さい!
何で私まで巻き込まれているんですか?
私、一介の北花壇騎士団なのに……」
ブツブツと文句を言うが、目線は机の上の書類から外さないジャネット。
「……もうヤダ。
分からないから……」
「ゴタゴタ言わずにサッサとやれー!
今日は夕食までには帰りたいんですよ」
「……無理かも」
美少女2人の言い合いにも何の反応も示さないイザベラ……
扉を叩く音にも、ジャネットはぞんざいに答える。
「入ってるよー!」
「失礼します」
ジャネットのボケは、メイドにスルーされた……
「イザベラ様宛てに、ツアイツ様よりお手紙が届いておりmきゃ?」
「何だって?
渡しな、早くしなって」
SIDEイザベラ
ツアイツから手紙?
何だい、平気だったのかい?
全く心配なんてしてないけど、一応気になってたからね……
どれどれ、読むかね。
「お前らは部屋から出ていきな!」
「……ケチ」
「私も気になります」
五月蝿い女達だね。
ゆっくり読めないだろ。
「良いから出ていきな!
内容は後で教えてやるから。
ほら早くしな……」
2人を追い出して、手紙の封を切る。
一枚だけかい……
「イザベラ様
カステルモール団長より、私の怪我を心配して頂いてると知り嬉しく思っています。」
何だい、この堅苦しい書き方は……
カステルモールも適当言いやがって。
勘違いするんじゃないよ。
私は別に心配なんてしてないからね。
「先日まで意識はなかったのですが、彼が来てくれた日に回復しました。
流石に白炎のメンヌヴィルだけあり、倒したのですが左腕と左半身に酷い火傷を負ってしまいました。
しかしもう大丈夫です。」
なっ狂人メンヌヴィルを倒したって?
何だい。
私には、上に立つ者には魔法は要らないとか言っておいて……
自分は相当な手練れなんじゃないか。
そうか……
アイツはそんなに強いのかい。
なら、私の護衛とか頼んでも平気かな?
イザベラ隊隊長とか……
「取り急ぎ、無事を知らせようと筆を取った次第です。
これから、カステルモール団長と共にイザベラ様に会いに行きます。
詳しい話はその時に。
少し相談も有りますので、宜しくお願いします。」
全く、無事で良かったよ。
これで、アイツが育ててしまった変態共の責任を取らす事が出来るね。
ふふふっ!
どうしてやろうかな……
もう直ぐ、会いに来てくれr
「もう直ぐ来るだってー?
メイド、おいメイドは居るかい?
呼んだら早く来な。
どうしよう。
ああ、これからツアイツが来るんだ!
何を着れば……
いや、風呂だよ風呂の準備をしな」
急に元気になったイザベラ姫に、指示を出されたメイド達がワタワタと準備を始める。
「おい!
ドレスだけど、全部並べな。
アイツから贈られたやつだよ。
何だい、来るなら早く報せなよ。
女には支度って物が有るんだからさ」
「イザベラ様、湯浴みの準備が整いました」
「外の2人を呼んでくれ!
ああ、居たのかい。
ツアイツは無事だったね。
全く心配はしてなかったけどね。
これから来るそうだ。
私は支度するから、溜まった仕事は終わらせておいてくれよ。
じゃ頼んだよ」
一方的に頼んで執務室を後にする。
「「ちょ無理だってー!」」
2人の文句はスルーだよ。
悪いが、準備しないといけないからね。
アイツが心配しないように、私は普段の調子を取り戻さないといけないんだよ。
カステルモールが要らん事を吹き込んでいたら大変だ!
私は、落ち込んでなどいないのだから……
でもガリアまで、わざわざ来てくれるなら……
おっお礼位は、言ってやっても良いかね?
急遽に用意させた湯船に浸かりながら考える。
「イザベラ様、此方へ」
メイド達が、体を洗う準備を整え終えた。
「念入りに頼むよ」
3人掛かりで肌の手入れをしてもらう。
「姫様、楽しみですわね。
ツアイツ様がいらっしゃるのが」
「姫様、良かったですわね。
ツアイツ様がご無事で」
「美しい姫様を見たら、ツアイツ様が喜びますわ」
3人掛かりで誉められて、真っ赤になって俯いてしまう。
「兎に角、綺麗にしてくれよ……
アイツに会っても恥ずかしく無いようにさ」
デレ期を迎えたイザベラだった。
残業組、美少女2人……
「ねえ?
鷹便で手紙が来たって事はさ。
ツアイツ様が来るの……
早くても明後日以降じゃないかな?」
「……イザベラがあんなに喜んでる。
それは言えない」
「「取り敢えず、今日は帰れないか」」
書類の山に埋もれて四苦八苦しているが、イザベラが元気になって良かったと思っている2人だった。
アンケートに回答を頂き有難う御座います。
呉様からの巨乳メイドズの昔話。
これはお茶会形式で挿話とし、本日12時に掲載します。
桜様のその後話や子孫のは……
誰の子供が良いでしょうか?
悩みます。
考えているのは、クォーターエルフ娘ですがアイデアが纏まらず暫くお待ち下さい。
闇の皇子様のトリステインルートでアンアンふられエンドですが……
これは本編160話からの分岐で、トリステインルートが五話有ります。
それのおまけ話で書きました。
暫くお待ちを
Turugi様のオールドオスマンとモット伯の話は明日か明後日には掲載出来るかと思います。
皆さん有難う御座いました!