このお話はTurugi様のアンケート回答よりアイデアを頂き、アレンジしています。
筆が乗ったのか、単発挿話のつもりが全3話になってしまいました。
今日から3日間、連続投稿します!
挿話24話・波濤のエムさん私は生まれ変わった!
トリステイン王国にも幾つかの伝説と言うか……
七不思議的なお話が有ります。
チェルノボーグ監獄には、悲劇の最後をおくった王女の幽霊が出る。
トリスタニア王宮のワルド子爵双子説。
モット伯、突然の改心。
エレオノール違う意味の女王様伝説。
烈風のカリン、実は女性だった?
タルブ村の竜の羽衣と言う、村人が言うには船でもないのに空を飛ぶ変な物。
そして齢三百とも言われる、タダのエロ爺……
これも、そんな変態が輝くお話です。
トリステイン王立魔法学院。
ハルケギニアでも有数の伝統と格式を持つ、貴族の子弟が通う全寮制の学院だ。
そして、そのトップたる学院長には代々優秀なメイジが歴任する……筈だ。
「オールドオスマン……
幾ら夏期休暇で学生の殆どが居ないからと言ってもだらけ過ぎですぞ!」
色々と問題を起こすツアイツからの賄賂。
それは、学院長室の隅に設えた四畳半の和室。
それと本棚に満載の「男の浪漫本」だ!
オールドオスマンは、畳に寝っ転がり尻をボリボリと掻きながら本を読んでいる。
「五月蠅いぞ、コッパゲール君。
ワシは今忙しいのじゃよ。
このハナマル幼稚園じゃが……
この年で新しい性癖に目覚めようとしている快感!
分かるか、ツルッパゲール君?」
このエロ爺、ロリコンへシフトシェンジを考えているのか!
「違います。
王室勅使のモット伯がみえられましたぞ!
また何か問題を持ってきているのでは?」
アンリエッタ姫は、何度か学院に来ては問題を起こしている。
警戒するに越した事は無い。
「おお!
同士モット殿がか?
さぁこの癒やしの間にお通しするのだ」
自ら卓袱台を用意し、お茶の準備を始める。
ヤレヤレと溜め息をつきながらコルベールはモット伯を呼びに退出する。
暫くして
「おお生涯現役さん、久しぶりですな!」
「これは波濤のエムさん、チクショー上級会員おめでとう!
そして羨ましい……」
いきなりファンクラブネームで呼び合っている。
「お二方?
真面目にやって下さい」
コルベールの髪の毛が、数本……
ハラハラと空を舞う。
彼は東方の魔神河童に着実に近付いていた。
「「炎の独身ヘビくん?
先輩方に失礼ではないかね?」」
「なっ何故それを?」
「いや、炎の独身ヘビくんは秘書の物語がお好きだとか?」
「いやいや、ロングビルが辞めた時の悲しみときたら……
デコが1センチ後退しての?」
顔と、かなり後退したオデコ迄を真っ赤に染めて後退る……
「かっかかか関係無いですよ!
別にミス・ロングビルは……
それより大切な話が有るのでは?」
「コッパゲール殿、落ち着きなさい」
「ツルッパゲール君、落ち着くのじゃ」
2人並んで卓袱台に座り、紅茶を啜りクッキーをかじりながら適当に窘める。
「ふぉ?
美味いのう、このクッキーは」
「煮出した紅茶を練り込みミルクを多めにいれているのです。
学院のメイド達にも差し入れをしていきましたぞ」
ワザと?
ワザとなのか?
名前を間違えて呼ぶのはワザとなんだな!
「おっお前r……」
「それで今日訪ねたのは……
勿論、トリスタニアで開かれる男の浪漫本ファンクラブ!
「君はスク水かビキニか?紳士の装い夏・トリステイン支部討論会」
へのお誘いだ。
オールドオスマンにも、討論会に出席して欲しい」
したり顔で何を言い出すかと思えば!
「ビキニ一択……
と言いたい所じゃが、マイクロビキニやパレオ装備などバリエーション豊かなビキニが有利じゃろ?」
「はははっ!
何を言うかと思えば……
スク水には、新型と旧型の二種類が有りますぞ。
そしてペッタンコからバインバインまで着れる。
ビキニ……
それはチッパイ派をどう説得するので?」
「むむむむ……
難問だよコレは……」
真剣な表情で、何を話し合っているかと思えば……
「「ヌケゲール君はどっちなのだ(じゃ)?」」
モット伯は、元ロリコンから少し守備範囲を広げ6歳から20歳迄を得意とする。
対するオールドオスマンは、元チチシリフトモモ大好きお姉さん系から、かなり年齢層を下げてきている。
具体的には12歳から36歳までだ!
どちらも己の性癖にプライドを持っている、トリステイン支部が誇る三大変態だ。
因みに後一人は、ワルド子爵だ。
彼はオンリーロリコンキングの称号を持つライトなペドだが、見た目が幼くチッパイなら年齢を問わず食い付く強者でも有る。
最近、吸血鬼の情報を密かに集めている。
エルザを見て亜人に対する考え方を改めたのだ。
そして現在、トリステイン支部長をも勤める。
「私は……
やはり胸は母性の表れですし大きめの方が。
ああミス・ロングビル。
何故、学院を辞めたのですか?
てか、アンタのセクハラのせいじゃないのか?」
コルベールが、オールドオスマンに泣きながら詰め寄る。
何故かモット伯も渋い表情だ。
「オールドオスマン?
貴殿はセクハラはもうしないと誓ったのでは?
だから、上級会員になれないのですぞ!」
「いや、そのアレじゃ!
まだ入会する前の話じゃって。
しかもミス・ロングビルはツアイツ殿に雇われたんじゃ。
だから無効じゃよ!」
いまやモット伯とは、トリステイン国内で有数のフェミニストだ。
そして紆余曲折を経て、ツアイツを唸らせる程の変態紳士として変貌。
因みに彼はソフィアがフィギュアシリーズとして発売された後、再度彼女の下に訪れて詫びを入れている。
そこで、購入したソフィアフィギュアに直筆サインを貰い、上級会員マントは彼女のネコミミメイドバージョンを注文!
亜人達との交渉も積極的に行っている。
因みに彼は、年下の(翼を持つ)彼女が出来た。
お見合いや気に入ったから攫って来た訳で無く自由恋愛だった。
この年は、あははうふふ!
待てぇーコイツゥー!
捕まえてごらんなさーい!
※飛翔して逃げる彼女をフライで捕まえようとしてます!
と周りが目を背ける程、気を使うバカップル振りだ!
ツアイツも
「男の浪漫本・亜人シリーズ」
を次々と出版!
いまやネコミミ・シッポ・ニクキューは、ハルケギニアに受け入れられている。
「オールドオスマン?
貴殿はセクハラが引っ掛かり上級会員昇格を止められているのですぞ!
そもそも私でさえ改心出来たのに、教育者たる貴方がその体たらく。
今日はミッチリと漢道を教えて差し上げましょう!」
モット伯の教育的指導が始まった!