第159話
変な諺を用いてしまった為に、全く意図する事と違う思いが伝わってしまったツアイツ。
イザベラは、末永くツアイツと宜しくするつもりだ……
「それで、話しを先に進めようか!
どうする、シャルロットの件は……
偽装かね?」
正確に問題点を挙げてくる。
「偽装が一番容易で確実ですよね。
お家再興とかは難しいですから、新たな身分で暮らしてもらうしか……
勿論、フェイスチェンジや偽装死も含めて」
「ガリア貴族かゲルマニアで爵位を買うか……」
流石に似ている思考に同程度の能力!
話しが早いや。
「何をニコニコと見ているんだい?」
「いや、似た者同士だと話しも早いな、と」
あれ?
真っ赤になって下を向いたけど?
変態と似た者は嫌だったかな?
「に、似ているかい?
こんなアバズレが……」
何かコンプレックスでも有るのかな?
「イザベラ様の良さは知っているつもりです。
少し言葉はストレートですが、気にする程では。
それも魅力の内ですし」
ツンデレの魅力は、言葉使いと態度ですよ!
「ふん!
アンタが言うとお世辞に聞こえるけど……
あっ有難う」
SIDE覗き屋ズ
「かーっ!
聞いた?聞きました?
アバズレが魅力だって!
ツアイツ様なら、どんな人でも持ち上げられますよね」
カステルモールの肩をバンバン叩いて悶えるジャネット!
「落ち着かんか!
雰囲気は甘いが、会話の内容は謀略か……
本当に、どんな状況でも口説けるのだな」
「私も口説かれたいです。
シュチュは戦場のど真ん中とかで!」
「それは死亡フラグだよ……
ジャネットよ、自重しろ」
危険な環境で愛を囁いて欲しい!
物騒なジャネットを窘める。
「「これは手伝わなくても、勝手に何とかするかも?」」
有能な2人には、障害など愛を盛り上げる為の舞台装置にしかならないと思えてしまう覗き屋達だった!
愛で繋がった謀将など、厄介意外の何者でもなかった。感情でも衝動でもなく、着々と策略で話を自分の有利な方に持って行く連中だから……
似た者、謀将ズ!
プロポーズ?後なのに全く甘くない雰囲気の2人。
「では、偽装方面で話を進めましょう。
治療に関しては、イザベラ様からジョゼフ王に伺いを立てて下さい。
ジョゼットの件はレコンキスタ殲滅後に落ち着いてから……
そもそも殲滅後に僕はジョゼフ王に謁見しますから、その時の報酬でもk」
「ツアイツの努力の報酬が、ウチの家系のゴタゴタを収める事で無くなるのは駄目だ!」
コイツは、此だけの事をした見返りをあっさり捨てる気かい?
お人好し過ぎるだろ!
「いえ、ジョゼフ王には感謝してるんです。
報酬はもう抱えきれない位貰ってますから……」
何か私の知らない内に取引きしたのかな?
「何を貰ったんだい?
私は聞いてないよ」
何を綺麗な笑顔で見詰めるんだい?
恥ずかしいだろ。
「カステルモール殿、ファンクラブの連中。
ジャネット殿。
シェフィールドさん。
シャルロット様、ジョゼット様。
そしてイザベラ様。
ジョゼフ王が試練を与えなければ知り合う事の無かった大切な仲間。
この試練は僕に取って金で買えない、人との繋がりを得れた。
感謝しても良いかな?
ジョゼフ王に。
有難うって言ってみようか?」
うー、そんな言い方をされたら何も言えないよ。
コイツ、無自覚な誑しだ!
「それでも何かお礼はするよ!
これは、私個人の思いでもあるから……
その澄ました顔をビックリさせてやる」
思わず涙する覗き屋達……
「あんなキチガイ王に感謝とか!
有難うなんて言われるジョゼフ王が想像出来ません!
是非実現して欲しいですよね」
小声でも興奮が最高潮のジャネットが、バンバンとカステルモール殿の背中を叩く!
「アレ?
カステルモール殿?
叩き過ぎて痛かったですか?
そんな泣くほど痛く叩いてn」
「馬鹿者!
これは感動の涙だ……
ツアイツ殿と知り合えて良かったと思っているのは我々なのだ。
何たる器のデカさだ!
ううう……」
本気で泣いてるよ。
「でもツアイツ様、ガリア王になるんだから報酬としては名誉も財も権力も美女も付いてくるんですよ!
これ以上ないくらい……」
「黙れ!
お前も感動で咽び泣け!」
ジャネットの頭を抑えてガクガクと振り回す。
部屋の中も盛り上がっていたが、外も凄い盛り上がりだった!
ジャネットは目を回してリタイアだが……
更に謀略、似た者同士
「それと、最後に面倒なお話しが有ります」
「まだ有るのかい?
もうお腹一杯だよ」
冷えた紅茶を入れ替え、新しいケーキをイザベラ様の皿に乗せる。
「すっすまないね。
気が利かなくて……」
いや、王族におさんどんはさせられないし。
ははは、と笑っておく。
黙ってケーキを食べる。
「うん。美味しいですね」
やっと恋人同士の雰囲気に……
「ロマリア、どうします?」
取り敢えず、最大の敵をサラッとどうするか聞いてみた!
「ああ、潰そう。
ウザいんだよ密偵団とかさ!
私達はさ、ヤツらに睨まれる存在になった。
ならば、蹴散らせば良いよ。
2人で力を合わせれば、10年位でブリミル教を衰退させられるだろ?」
「ふっふふふ……
あははははは!
流石はイザベラ様。
良いですね。
何処までもお供します。
僕が見込んだ姫の器は僕より大きかった!
ふふふふっ……
あっさりブリミル教を要らないなんて……
あははっ、イタタタ!
傷が開いたかな?」
「ちょ何を体に悪い様な笑い方してるんだい?
ほら、落ち着いて……
背中を撫でれば良いのかい……」
この姫は面白い!
誰が何と言っても、この姫と足並みをそろえればロマリアなど怖くはない。
先ずは、レコンキスタを潰そう!
話はそれからだ。
感動中の覗き屋カステルモール!
ジャネットは足元で泡を吹いている……
軟弱者め!
今の話を聞いたか?
あの2人にはレコンキスタなど前座!
その先にロマリアを……
ブリミル教を駆逐し、漢達の真の国を建国するのですね?
オッパイ帝国が、僅か10年で完成するとは!
ハルケギニア中の男の浪漫本ファンクラブ会員に上級会員として通達だ!
教祖ツアイツは、ブリミル教を押しのけてハルケギニアにオッパイ帝国を建国する構想が有る!
実現には、ツンデレアイドルも共に歩むと……
忙しく、忙しくなるぞ!