何時もこの変態小説を読んで頂き有難う御座います。
今日、下書きですが終わりまで書きました。
ガリア編、32話にて完結です。
他に今日掲載する挿話で、カステルモールさんのお話。
ガリアからアルビオンに向かう前の話です。
明日はお留守番中のタバサさんのお話になります。
これに挿話として、他のメンバーの話を書いていこうと思います。
それでは終わりまで宜しくお付き合い願います。
挿話31話カステルモールも企み・ガリア支部暗躍する
緊急召集
男の浪漫本ファンクラブ、中級会員以上に告ぐ。
可能な者は本日正午までに、男の浪漫本ファンクラブ・ガリア支部まで集合せよ!
可能な限り、業務より優先する事。
ガリア支部長
バッソ・カステルモール上級会員より
男の浪漫本ファンクラブは薄利多売だが間違いなく営利団体だ。
しかし、殆どの会員は他に本職を持つ。
通常は毎週1回、決められた時間に集まれる者だけが集まるのである。
そこでファンレターの集計や、今後のリクエスト内容。
昇格会員の査定等を協議しあう。
しかし今回の様な緊急召集は初めてだ。
現在ガリアの中級会員以上の者は……
王宮組は、上級会員カステルモールを筆頭に、公式イザベラファンクラブ3隊合わせで120人だ。
他にも国内には100人以上居るが、自分の領地に居たり平民の豪商だったりと多種多様だ。
使い魔便や伝令を使い何とか6割以上の会員が集まった。
皆、色々な噂話を仕入れていて今日の召集の内容を考えている。
特に公式ファンクラブの中でもツアイツの為にゲルマニア迄行った連中は、様々な可能性に思い至っている。
つまりはイザベラ姫と教祖ツアイツのラブなロマンスについて……
「なぁソウルブラザーがガリアに亡命って話は本当なのか?」
「いや男の浪漫本ファンクラブの本拠地移転の下見じゃないのか?」
「馬鹿だなお前たち。
教祖ツアイツは、この地でイザベラ姫プロデュースを本格的に行うんだよ」
様々な思惑や希望的意見が飛び交う。
流石にイザベラ隊はツアイツが秘密裏にガリア入りしている事はバラしていない……
本当は話したくてウズウズしているのだが。
大会議室には130人からの精鋭(ド変態)が集まっている。
しかし変態度=能力値で有るこの世界では、彼らはエリート集団だ!
なんてイヤな世界観……
そこへ本日の召集を掛けた本人、カステルモールがやって来た。
彼は議長席に座り、周りを見渡す。
「良く集まってくれた同士諸君!
今日は重大な発表が有る。
しかし、この内容を話す前に確認をしなければならない」
そう言って皆を見渡す。
それ程の内容なのだ。
独りの会員が挙手し、質問をする。
「同士カステルモール。
それ程の内容なのか?
何だ?
まさか噂にある教祖ツアイツに関係が」
カステルモールを手をかざし質問を遮る。
「まぁ待て!
急がないで欲しい。
先ずはこの質問に皆が答えて欲しい」
一旦言葉をきる。
「お前ら……
ソウルブラザーと、我らが教祖ツアイツと。
ブリミル教とどちらを取る?
これが、この先の話し合いに参加出来る条件だ!
ツアイツ殿は言っていた。
宗教とは自由で有るべきだ。
しかし俺は俺の一存で、この話しは根本からそれを覆す。
どちらを信仰するか?
それが条件だ。
ブリミル教を信仰する者は速やかに退出してくれ。
だからと言って、これからの待遇が変わる訳ではない。
安心して欲しい。
あくまでも、どちらを優先出来るか、だ!」
そう言って、皆を見渡す……
「それはブリミル教と敵対する事か?」
「ヤバいだろう?
始祖に刃向かうのか?」
何人かの会員が続けざまに質問をするが……
「質問には答えられない」
そう押し黙る。
大会議室に沈黙が訪れたが……
「すまない。
僕は始祖には逆らえない」
そう言って若い貴族が立ち去った。
それを機に何人かの貴族が退出した。
「残りの皆はどうする?」
カステルモールが残った者達を見渡すが
「お前、我らを舐めてないか?
少しだけ早く上級会員になったからとはいえ、志で引けはとらぬよ」
「そうだぜ、団長!
俺達を見くびってもらっちゃ困るぜ」
確かな信頼を感じる。
「よし!
では話す前に恒例のアレをやるぞ」
そう言って皆が、ディティクトマジックにロックをそこら中にかけまくる。
防諜対策は毎回厳重に行う。
ガリアは広い。
故に敵対勢力や模倣しようとする同業者。
ロマリア密偵団とかも居る訳だから……
「さて、これで落ち着いて話せるな。
先ずは重大な発表が有る。
我らがソウルブラザーは我が屋敷に滞在している」
イザベラ隊の面々は、毎夜イザベラ姫が密会している護衛に駆り出されているから周知の事実だ。
しかし他の会員達は驚いた!
何しろレコンキスタの刺客に傷を負わされ静養中の筈だから……
「ツアイツ殿は重傷だった。
イザベラ姫が心を痛め、是非とも様子だけでも確認したいと俺達を派遣した。
しかし、ツアイツ殿は……
怪我をしてなおイザベラ姫の為にガリアまで来てくれた。
イザベラ姫とは毎夜密会している」
何という爆弾発言!
大国の未婚の姫が、しかも正当な王位継承者が男と密会……
「カステルモール団長、やはりイザベラ様とソウルブラザーは……」
「これは問題だぞ!
我らは嬉しいが、他の連中は違うかもしれない」
「ソウルブラザーの命に関わる問題だ!
最悪の場合、ジョゼフ王に見つかる前に逃がさねば……
あの王の事だ。
平気でゲルマニアと開戦するだろう」
この貴族社会では、血筋や爵位が物を言う。
ゲルマニア貴族のツアイツには、問題が多い。
だが、カステルモールはニヤリと笑う。
「どうやらツアイツ殿は直接ジョゼフ王から密命を貰い、それを達成した暁にイザベラ姫と結ばれるらしい。
最大の懸念のジョゼフ王の件は片付いている。
幾ら人とは違う王とは言え、娘と愛妾が肩入れしているツアイツ殿を直ぐにはどうにかしまい」
ガリアの狂王と直接取引出来るのか!
これならば、或いはツアイツのガリアに婿入りは現実味を帯びてきた。
「しかし、我々は二つの問題を解決しなければならない。
一つは、幾ら王と王女が認めても黙ってはいない連中も居るだろう。
当たり前だ!
イザベラ姫に婿入りとは、いずれはガリアの王になるのだ。
次代の最高権力者……
狙う奴らは数知れん。
先ずは我らの力を蓄えて、いずれ正式な話が出たら力添えをしようではないか!」
「「「おお!
我らのソウルブラザーをガリアに迎え入れるぞ」」」
やる事は沢山有るだろう。
ドロドロの勢力闘争……
しかし、やりがいは有る。
「なぁカステルモール団長。
話は分かったが、ブリミル教の件はなんだ?
別にガリアの勢力争いにブリミル教は関係が薄いぞ?」
「そうだな。
ロマリアと言えどもお家騒動に口を挟まないだろ?」
疑問が募る……
「そうだな。
これからが本題だ!
良く聞いてくれ」
カステルモールは真剣な表情だ。
「ツアイツ殿とイザベラ姫は貧巨乳連合の教祖と、ハルケギニア初のアイドルだ!
これは、もはや宗教と変わらない信者が居る。
だから、ロマリアは教皇ヴットーリオは潰しにくるだろう。
それはお二方も予測しておられた。
だからだ!
ブリミル教と対抗する為に、ツアイツ殿は……
いや教祖ツアイツは、ハルケギニアにオッパイ帝国を興すつもりだ!
我ら紳士(変態)の楽園を十年計画で形にする。
イザベラ姫も共に、教団のシンボルとなる事を約束していた!
我らの理想郷……
ツアイツ殿をガリア王にする事は、ガリア王国が神聖オッパイ帝国になる事なのだ!」
「「「うぉー!
我らが理想郷の為に。
ハイル・オパーイ」」」
ここに神聖オッパイ帝国の中核メンバーが結成された!