この話から個別エンドを何人か書いてから正ヒロインルートに行こうと思います。
最初は好みの分かれる彼女でしょうか?
エレオノール&ソフィアルート第1話
たまには男の友情も絡めてみた。
おはようございます。
学院生活という事で、独り寝が寂しい今日この頃のツアイツです。
今日こそ……
今日こそはメイド隊とニャンニャンすると誓いを立てて、先ずは腹ごしらえでも……
コンコン
「失礼します。
お早う御座います。
ご主人様」
「おはよう。
ソフィアよく寝れたかい?」
時間ピッタリに来たソフィアに声を掛ける。
まさか起きるまで外に居てタイミングを計ってなかったよね?
「はい。
前と同じお部屋を使わせて頂けたので……
ただ、こちらのお部屋とは遠いので少し不便ですが」
ちらりと上目使いで見る。
いや流石にこの部屋に配置は無理ですよ……
一応貴族の割り当ての建物だから。
「そうか、仕方が無いねそれは」
…無理だよソフィア。
「でも昼間は隅に控えてますから問題は、「いや問題有るから」……
どうしてでしょうか?」
凄く不本意そうに聞いてくる。
「流石にそんなに用がある訳ではないからずっと待機しなくて平気だよ。
休憩とかその辺の事は追い追い雇用条件書の就業規則欄に書いて有るので説明するから」
「それではご主人様への恩返しになりません」
「いや君が無事だっただけで十分だから、気にしないで。
じゃ準備するからお願い」
洗顔の準備とタオル、それに着替えだけど……
着替えは勿論、独りで出来ますよ。
SIDEソフィア
やはりご主人様は素晴らしい御方です。
こんなにも大切にされた事なんて今までに一度も、両親にでさえも有りませんでした。
貴族に身請けをされるとは妾と同じだと聞いてますし、昨夜もご主人様のお部屋に呼ばれたと同室のアリスに言ったら……
キャーキャー言われて着替えやら体を清めるやらさせられて、今晩ついに男女のゴニョゴニョ…なのね!
と覚悟を決めて向かったのにまさかの契約書やら何やらで……
そして直ぐにお部屋を出されて自室に戻ったら、アリスが、じっと私を観察して……
「あらツアイツ様って淡白なの?
それとも早漏なのかしら?」
なんて失礼な事を言ってたので思わず頂いた雇用条件書でぶん殴ったわ。
凄い分厚い紙の束で殴ったから涙目で文句を言ってきたから
「ご主人様はそんなに早漏でもガッツいてもないんです!」
と思わず大声で怒鳴ってしまった。
そうしたら両隣の部屋から他の子達が部屋にきて大騒ぎ。
実家が商家で読み書きの出来る子が、その雇用条件書を読んだのだけど……
驚いてた!
そこには終身雇用であり年々お給金が上がる事、働かないのに休日にお金を貰える有休制度、残業代や残業食、病気の時にお医者様に払うお金の殆どをハーナウ家が負担してくれる事、一番驚いたのが、他の貴族になにか無理を言われたり問題を起こしてもハーナウ家が守ってくれる事。
兎に角、このトリステインでは考えられない待遇が書かれていた……
これ本当なの?
他の皆も、読み上げられる内容に驚いて黙り込んでしまった。
「ソフィア、ツアイツ様から離れちゃ駄目よ。
この事が本当なら貴方の幸せは保障されてるの」
「信じられないけど、でもツアイツ様なら本当なのね。
おめでとう。
凄く羨ましいわ」
皆、確かにツアイツ様はお優しいけど、貴族とは気紛れだから何時か変わってしまうかも?
とどこか心の奥で思っていたけど、ここまで契約と言う形で保障してくれるなら……
と感じてくれたのかしら。
などと回想に耽っていたらツアイツ様の準備が終わったわ。
流石にお着替えのお手伝いは断られたけど、結構細身なのに筋肉質なのね。
洗濯物を受け取り一旦、退出し2時間後に正門脇にて持ち合せと伺いました。
SIDEツアイツ
朝の早い時間だと流石に空席も目立つ……
たまの休みぐらい寝坊したいからね。
僕が食堂に顔を出すと、直ぐに朝食が用意される。
確かこの子は良くソフィアと一緒にいる子だな……
名前は知らないけど、猫みたいな感じの子だ。
胸は……
要努力?かな。
食事が終ると
「紅茶のお代わりをお持ちしますか?」
と聞いてきたので、折角なのでもう一杯貰おうかな?
お代わりを頼むと直ぐに食べ終わった食器が下げられる……
何だろう?
今日は一段と待遇が良いな。
気になるので後で厨房に顔を出すかな……
ここでは基本的に彼女等は私用では話し掛けて来ないから、まぁソフィア関係だろうし。
「おはよう。
マルトーさん、肩平気かい?
治癒しようか?」
「ああ大丈夫、大丈夫、そんなにヤワじゃねぇから平気だよ」
肩をグルグル廻し無事をアピールしてる。
「今日はまた一段とサービスが良かったけど、あまり良すぎると周りから色々言われるから程々にして欲しいんだけど」
「お前ら、聞いたか?
あからさまなサービスはするなよ。
それはソフィアの役目だからな」
「「「はーい!」」」
「ほんと宜しく頼むね。
最近、上級生に変な目で見られ始めてるから面倒なんだ。
それと皆も注意してね。
とばっちりが有るかもしれないから……
悪いけど」
最近僕の周りを伺っているのが、原作のキュルケに夜這い?
を掛けていた、ペリッソンとスティックスの2人だ。
原作同様のキュルケ狙いだろうけど、今のキュルケは色気は凄いが色男なら誰でもチョッカイを掛ける性格ではなくなっているので、彼らのアプローチは今の所、不発に終っている。
原因が自分の魅力でなく僕をどうにかすれば、キュルケを手に入れられると思っている節が有るんだ……
上級生が女の取合いで下級生にチョッカイ掛けて来るなんて……
本当は咬ませ犬のモブだったのだが2人ともラインクラスだしスクエアが無敵なんて事は思ってないから条件次第では、負ける可能性も有る。
相手も馬鹿じゃないから格上に対して何かしらの手立てを考えている筈だ。
少なくとも僕ならそうする。
基本的にトリステイン貴族は傲慢が多くプライドが無駄に高いから、下級生のしかもゲルマニアの貴族の僕ががちやほやされてるのは我慢出来ないだろうな。
正面から来れば粉砕する自信は有るけど……
何にしても注意だけはしておこう。
さてそろそろ支度をしに部屋にもどるかな、女性を待たせる訳にはいかないし。
部屋に戻ると扉の前に、眼鏡君……
レイナールがウロウロしていた。
最近だが、モテナイーズ君たち以外にも話をする連中が出来てきたんだが、彼もその内の一人だ。
ギーシュ経由で例の「男の浪漫本」の噂を聞きつけ、眼鏡君の他に筋肉君のギムリとも交流が出来た。
男の友情は女で簡単に壊れるが、下ネタで繋がった悪友とは壊れにくいのだよ。
「どうした?レイナール、用が有るなら食堂の時にでも話してくれれば良かったのに?
アレか何か見たい本が有るのか?」
「いや本は見たいんだが…
気になる事が有ってね。
上級生数人が君を狙っている噂が有るんだ」
「また物騒だな……
でもどうして知ったんだい?」
「偶然食堂で、席の近い上級生の話が聞こえたんだ。
最もそいつらは実行犯でなく近々あいつ思い知らされるぜ、ザマァ……
とか言っていたんだ。
どうする?」
レイナールは不安顔で聞いてくる。
「上級生の中にそういう動きが有るって事だな。
有難う。
事前に分かれば対応も出来るよ」
こいつ、いい奴だな地味だけど。
さてどうするかな。
主犯はあの2人で間違いないと思うけど、他にも共犯が居ると思っておいた方が良いだろう。
「有難うレイナール。
また何か聞いたら教えてくれよ。
これから出掛けなきゃならないから御礼は後で」
「お礼なんていいさ。
いつも本を読ませてくれるだけで十分さ」
SIDEレイナール
不思議な奴だった。
最初僕の事を地味眼鏡君とか呼んだ時は、固まったね。
仮にも貴族がフレンドリー過ぎるだろ。
初めて見た時はギーシュとの決闘騒ぎの時だったが、ギーシュも大貴族の息子で気障だし、こちらも気に入らない奴と思いどちらの応援の輪にも入らず少し離れて見ていたのが……
正解だった。
まさか一瞬で観客諸共吹っ飛ばすなんて思わなかったし、力の差は歴然だった。
仲良くなった切欠はクラスの男子だけに出回っている通称「男の浪漫本」を見せてくれた事だ。
挿絵の女の子も、こうグッと胸を締め付けられる感じで……
高価な美術品の絵画なんかより断然心に響いた。
彼流に言うならば……
萌え……
だそうだ。
うんそんな感じだ。
なんと、彼の著書だとか……
女性陣にバレたら白い目で見られる事確定なのに、全然気にせず続編を執筆する奴だ。
友達同士でもプライド第一、見栄重視のトリステインに全く居ない新しいタイプの貴族だが、こんなに肩肘張らずに騒げる友人は居なかった。
今ではギーシュ・マルコリヌ・ヴィリエ・ギムリと合わせて新モテナイーズとか勝手にグループ名を決めちゃってる変な奴だけど、大切な友人なんだ。
この件は他の奴らにも声を掛けて調べてみるか。
なに「男の浪漫本」は、一年生の男子の中では殆ど出回っているベストセラーだ。
これが休載の危機と言えば、皆労力を厭わないだろう……
僕的には「トゥ○ート」の古代ゴーレム製の可愛いメイドさん姉妹の話が……
ううマルチィ。
レイナールの趣味はドジっ子ロリコンタイプだと発覚した。
ツアイツは巨乳派だが色んなジャンルを網羅出来る一流の変態だったので、ファン層に偏りは無かったのだ。