お久し振りです。
ネギまで一本連載してますので、此方は大体10日で1話更新ペースになります。
のんびりですが、ロマリア攻略ハルケギニア統一まで書いていますので宜しくお願いします。
妹属性はハルケギニアのロリコン共の急所を直撃だ!
クルデンホルフ大公国。
かつて財力によりトリステイン王国から自治権を勝ち取った国だ。
しかし国防のかなりの部分をトリステイン王国に依存し、かの国の貴族達にお金を貸す事により発言力を高めていた。
しかし依存先のトリステイン王国の雲行きが怪しい。
かつての大口の顧客達が粛正されたのだ。
残ったのはヴァリエール公爵を始めド・モンモランシ伯爵やグラモン一族等、僕の関係者達だった。
彼らはクルデンホルフ大公にお金を借りずとも、漢の浪漫本ファンクラブ関係の事業で財を成していた。
故にクルデンホルフの影響力は低い……
しかし娘がガリア王国のイザベラ王女と知り合った事を切欠にトリステイン王国を見限り、ガリア王国へと鞍替えを企んだクルデンフ大公を誰も責められはしまい。
貴族とは、家の繁栄と存続が大切なのだから……
◇◇◇◇◇◇
パーティー会場の入口に、ベアトリス姫殿下をエスコートして立つ。
会場に居た貴族達が、一斉に僕らに注目する。
かなりのプレッシャーだ。
ベアトリスちゃんの様子を見れば、イザベラと共にライヴで人前に出る事に慣れたのだろう。
中々の毅然とした態度だ。
衛兵から
「ガリア王国、ツアイツ・フォン・ハーナウ次期王!
クルデンホルフ大公国、ベアトリス姫殿下の入場!」
との掛け声と共に、ゆっくりと会場に入る……
途端に周りを貴族連中に囲まれる。
ベアトリス姫殿下には、見目の良い貴族の男達が。
僕の周りにはクルデンホルフ大公と、その他オッサン貴族達が。
ムサいオヤジ達に囲まれて嫌だ!
しかし、彼らの目的は僕との繋がりを持ちたい事。
ガリア王国へ太いパイプを持つベアトリス姫殿下の心象を良くする事。
なので、こうなります。
僕に取り入る為に美女・美少女を……
なんてサプライズは有りません、ええ全く。
「ツアイツ殿?
煤けているが、平気か?
今夜は紹介したい連中が沢山いましてな。
先ずは……」
流れ作業的に紹介され、握手をして次の相手へ。
彼らはクルデンホルフ大公国の主要な貴族だ。
「それで……
ベアトリスの、娘のフィギュア化について注文が有りましてな。
是非とも我が領内にて生産を行いたいので、工場建設の援助を……」
「それは良い!
クルデンホルフとガリア、それにゲルマニア・アルビオンとも連携が……」
「建設場所の提供なら私が……
勿論、無償です」
「ははははは……
その件は持ち帰り、妻と協議します。
教団幹部とも調整が必要ですので……」
現代の政治家に似た答弁が慣れてきた気がします。
オヤジ達との話し合いを終えて、一息つく為に室内からベランダへと出る。
夜風に辺りながら、暫しボーっと屋敷の庭を眺める。
良く手入れがされているのが、夜間でも分かる。
屋敷から零れる照明が、庭を昼間の様に照らしているから……
チラホラとボインズ・ナイツも見える。
彼の装備は基本的に白と金だから、隠密作戦は不向きだが……
この手の護衛には映えるな。
彼らに手を振って、ベランダに出る際に貰ってきたシャンパンを煽る。
これも上等な品なんだろうな。
クルデンホルフ大公国も、取り込みに成功だろう。
金の力で成り上がった国は、金の力に弱い。
ウチとトリステイン王国とを比べたら、どちらを取るかは、ね。
これからトリステイン貴族への借金の返済要求が始まるだろう……
袂を分かつ迄に、取れる分は取るだろうから。
「ツアイツ様、此方でしたか?
皆さんお探しですよ」
呼び声に振り返れば……
どこぞの貴族の令嬢だろうか?
着飾った貴婦人が立っていた。
逆光で見辛いが、令嬢には珍しく髪を短く纏めた娘だな……
残念、彼女は貧乳っ子か。
ん?んんん?
何だ?
オッパイスカウターが働かない?
おかしいな……
普段なら貧・巨・美乳を問わず、発動するのに?
「……いえ、人に酔いましてね。
少し外気に当たり冷やしていた所です。
失礼ながらレディは、私を探しに来たのですか?」
クスクスと笑いながら、僕の隣りまで近いてくる彼女……
「ええ……
少しお話が有りまして」
微笑む彼女は確かに可愛いのだが、無性に近くに居たくない気がする。
どんな女性に対しても紳士的に振る舞える、漢の浪漫本ファンクラブ会長の僕がだ!
◇◇◇◇◇◇
クルデンホルフ大公は、娘を使いガリアとゲルマニア・アルビオン各国と協力なコネの有るツアイツを自国に招き、招待客に彼と友好的な雰囲気を見せられたのを満足していた。
これでトリステイン王国から、緩やかに距離を取れる。
あの国以外の後ろ盾を得られそうだから……
そんなご機嫌の彼に、怪しい報告が入った。
豪華な料理を楽しんでいた時だ。
「大公様、来客リストにロマリア皇国からの出席者の中にジュリオ助祭枢機卿の名前が……
しかし会場内には見当たりません」
「何だと?
ロマリアの関係者など呼んでないぞ」
そもそも反ロマリア皇国を掲げるガリア王国に取り入るのだ。
わざわざロマリアの関係者など呼ぶ訳がない。
「いえ……
正規の招待状をお持ちでしたので、衛兵も不審に思わなかったそうです。
彼は複数の共を連れて来ています」
招いた覚えの無い、ロマリア皇国の、教皇の愛人で右腕が此処に?
「空中装甲騎士団と衛兵の配備を強化しろ。
ツアイツ殿と娘の所に、それとなく配置するんだ。
狙いは儂か娘、それとツアイツ殿しかいるまい。
早くしろ!」
報告に来た衛兵に指示を出し、自らも今夜の主役たる娘とツアイツを探す。
娘は……
ベアトリスは直ぐに見つかった。
相変わらず、若い貴族が周りを囲んで居るな。
アレなら安心か……
若い貴族?
誰の子弟達だ?
イケメン揃いだが、全員見た事が無い。
おかしいぞ!
1人2人なら分かるが、今夜の招待客は身元が確かな貴族と、その長子達だ。
儂の知らない若者が、あんなに居る訳が無じゃないか!