第22話
おはようございます。
ツアイツです。
本当に久し振りに自分のベッドで目が覚めました。
二週間に渡る放浪の日々……
やっと諦めてくれたみたいだ。
男性教師陣の後はマルトーさんや宝物庫の当直室にまで推し掛けて難を逃れたが……
流石に露骨に避けていたのを理解したのか諦めてくれた。
ゲルマニアvsトリステイン!
ドキドキ2国間4P!
は色んな意味で不味いだろう。
どうみても1vs3の変則マッチだ。
それに最終的には頂くにしても最初はもっと普通に経験させたい。
いきなり複数プレイは教育上宜しくない。
物事には段階を踏む楽しさも有る筈だ。それに受身では今後の夫婦生活にも影響が出てしまう。
尻に敷かれる結婚生活ではティファニアの件も有るから BAD END だよね。
しかし女生徒が男子寮に堂々と侵入出来る警備体制って実際どうなのよ?
貴族の子女を預かる学院として大問題だろう……
危うく出来ちゃった学生結婚になる所だった。
警備体制についてオールドオスマンに進言したら逆パターンの警備は万全だそうだ……
それだけこの国の貴族の男は信用されてないって事だよね?
この二週間は本当に忙しかった。
まさかロングビルさんからあんな相談をされるとは……
でも対策の目処はたったからティファニアの保護は問題無い。
もう何日かすれば全員ウエストウッドより脱出が完了するだろう。
そしてワルド子爵の方も何度か会見して取り込みに成功した。
とは言え仕える相手はハーナウ家で有り父上の下になるがこちらも問題無いだろう。
詳細はダブるから省くが概ね「マチルダ&ティファニアルート」を参考にして欲しい。
みんな大好きワルドさんも挿話の通りの内容になっている……
※流石に自作とは言えコピペは不味いのでリンクしてるのだと納得して下さい。
そして今日は上級生の使い魔のお披露目としてワルド子爵が学院にくる予定になっている。
これはワルド本人から事前に連絡が有った。要は男の浪漫本を用意しておけ……
そう言う事だね。
そして原作でも?
当日に知らされた様に今回も事前に学院には連絡が行ってない様だ。
警備上の問題で当日にルートを知らせると言う事かな?
やはりと言うかギトー先生の授業中にコルベール先生がカツラを被り乱入してきた。
お約束の如くズレるズラ!
タバサさんの毒舌でクラスが笑いで沸いた後、正装して迎える準備をしている。
今回の主役たる二年生が先頭に立ち我々一年生は後ろに並んでいる。
タバサさんはやはりと言うか大きい杖を持ち本を読んでいる。
僕とキュルケのゲルマニア組も後ろの方でのんびりと世間話中……
ルイズは仲良くなったトリステイン貴族の女子達と神妙な表情で姫様ご一行を待っているね。
「ねぇツアイツ、アンリエッタ王女ってどう思う?」
「ん?そうだね……
国民受けする操り人形だね。
立場と心構えがアンバランスだと思うよ。」
「辛辣ね。
貴方好みの胸を持つ王女様らしいわよ?」
「うーん?
どうだろう……
何故か食指が動かないと言うか……
自分でも不思議だけど余り関わりたくない気がするんだ。」
「ご自慢のリスク回避能力なの?」
「何それ?」
「ううん。
良いわ気にしないで……」
何だろう?
第六感?
シックスセンスの事か?
ブルースウィルスって事?
などと駄弁って居るとペリッソンとスティックスが凄い目で睨んできた。
そう言えばこいつ等の対応も考えないといけないんだっけ……
問題は山積みだ……
ふぅ。
先頭の白馬に跨ったワルド子爵にキャーキャーと黄色い声が飛ぶ。
確かにこうして見ればイケメンのエリート貴族だし魔法衛士隊は貴族男子の憧れの職業で彼はその隊長だ。
続いてアンエリッタ王女を乗せたユニコーンに引かれた馬車が来てそこらか降りた王女には主に男性側から歓声があがる。
なる程人気は高いみたいだ。
確かに可憐な美少女だが……
ピキューン!
僕のバストスカウターが反応した。
あの胸は微妙にパットで底上げしている。
これか!
貧でも巨でもない中途半端な胸の持ち主アンリエッタ王女……
なっなんて微妙なんだ。
それともあと一年で急激に大きくなるのか?
ツアイツ巨乳帝国の巨乳判定はEカップ以上でトップとアンダーの差は20cm以上と厳しく取り決めている。
この中途半端さは頂けない。
ルイズ経由で写本を流してみるか?
しかしパット装備とは本人も巨乳を求めて……「ツアイツ、ツアイツったら……」
「ん?すまない考え事をしていたんだ。
ごめん。
で、何かな?」
「なによアンリエッタ王女の事を酷評したと思ったら本人をみたらジッと胸を凝視して心ここに有らずって感じだったわよ」
「ん……いや微妙な違和感を感じただけで問題は無いよ……」
まさか僕のバストスカウターが偽乳を捕らえたなんて騒ぎ出したら不敬罪になってしまうよ。
などと話していたらアンリエッタ王女はオールドオスマンに案内され学院の中に入っていった。
そして警備を学院側に引渡したワルド子爵が近付いてきた。
「本日はご苦労様ですワルド子爵」
思わぬ有名人との会話に周辺の注意が集まる。
「ツアイツ先生こそお疲れ様です
どうですか例(新作&新刊の執筆)の件は?」
「問題無く(執筆は)進んでますよ。」
ザワザワ……
「先生?グリフォン隊の隊長に先生呼ばわりだと……」
ザワザワ……
「なんで他国の貴族がトリステインの魔法衛士隊隊長と仲が良いんだ?」
「そうですか。
それは良かった。
では後程、部屋の方にお邪魔させて貰いますので……
失礼します」
ザワザワ……
「敬語?しかも部屋に遊びに行くって?」
ザワザワ……
「一体どんな関係なんだ。
どう見ても子爵の方が腰が低かったぞ」
「ツアイツ……
もしかしてトリステインの乗っ取りとか計画していない?」
「ばっ馬鹿言ってないでよ……
ワルド子爵は僕の作品のファンなだけで深い意味は……」
「そう……
で、どっちのかな?」
「どっちって?」
「「「ペンは杖よりも強し……
貴方が学院一年に君臨する為の布石の本を流したのね?」」」
気が付けば三人娘に取り囲まれていた……
「そっそんな訳ないよ。
じゃ僕は部屋を片付けておくかな……
じゃじゃね?」
SIDEペリッソン&スティックス
「おい、どうする?
なんかヤバイ展開だぞ?」
「そうだな……
早めに潰さないと不味いかも知れないな」
「他の奴らにも声を掛けよう」
「しかし魔法衛士隊隊長がバックについている相手に行動を起こせるのか?」
「でもこのままでは……
ジリ貧だ」
「一年生は完全に奴の支配化だし教師陣とも個人的に仲が良いらしい。
弟が一年生にいる一部の奴らも取り込まれ始めているぞ」
「もはや一刻の猶予も無いな……
パーティーまでは待てない。
例のプランでいこう」
微妙な二人の微妙な悪巧みが発動する……