理解した。
この作品に女性ファンはつかない。
何故なら彼女等には喧嘩を売っている内容だから……
第24話
使い魔の品評会
つまらん。
碌な使い魔は居ないな。
まぁ学生だしこの国のボンボン貴族などこの程度だろうな。
しかし流石は王家の血筋か……
こんな退屈な物をさも嬉しそうに見ているわ。
全く早く城に送り返して本の海に溺れたいものだ……
「ワルド隊長」
「はっ!
何でしょうかアンリエッタ姫」
「ワルド隊長から見てどのお方が優秀でしたか?」
「そうですね……4番目の……
SIDEアンリエッタ
先程ワルド隊長の言ったツアイツ先生……
ツアイツ・フォン・ハーナウ!
ゲルマニアからの留学生。
噂のバストアッパー・巨乳の担い手・そして献上された数々の物語の作者の事では?
これはチャンスよ。
今夜ルイズの部屋に伺い彼との橋渡しをして貰いましょう。
この中途半端な胸を改善し愛しのウェールズ様のお心をガッチリキャッチしたいのです。
ラグドリアン湖で受けた屈辱……
わざと水浴び姿を見せて襲わせようと仕向けたのにもう少し胸が有れば良かったのになどと……
何としてもツアイツ殿には協力を仰ぎたいのですが彼はゲルマニアの貴族。
そして私はトリステインの王女。
この胸はトリステインの最重要機密。
へたに密会などと疑いを賭けられてはウェールズ様に合わせる顔が無くなります。
これは慎重な対応と高度な政治的駆け引きが必要なのです。
……の3組が最も優れていたと思いますが。
姫?アンリエッタ姫?」
「アンリエッタ姫、どうかされましたか?」
「いえ、ワルド隊長流石ですね。
私もそう考えていました。
彼らを前に……
褒美を取らせたいと思います」
選ばれた者の中にはペリッソンとスティックスも入っていた。
彼らも其れなりに優秀なのだ。
応接室にて
「アンリエッタ姫、お疲れ様でした。
暫し休まれてから王宮に戻りましょう」
「それが……
ワルド隊長、私少し気分が優れませんの、今夜はこの学院に滞在したいのですが」
「駄目です」
「多分疲れもあると思うのですが……」
「駄目です」
「ワルド隊長お願いします」
「駄目です」
「まぁまぁワルド殿。
アンリエッタ姫もこう仰っている訳ですし今夜はこの学院に滞在なされてはどうじゃな?」
「しかし王宮には……」
「王宮には使いを出せば大丈夫じゃろ。
それにアンリエッタ姫が夕食会に参加してくれると生徒も喜ぶはずじゃ」
「くっ仕方が無い……
しかし警備の方は我々に主導権を頂きますぞ」
「構いませんぞ。
しかし噂に違わずの忠誠心ですな。
アンリエッタ姫も鼻が高いでしょうぞ」
「ワルド隊長すみません。
我が侭を言ってしまって……」
「いえ、これも仕事ですから……
では学院の警備隊長と打合せをしたいので失礼します」「真面目ですな。
なにこの学院には大勢の魔法使いが詰めているのじゃ。
賊など入らんよ」
「……失礼します」
「怒らせてしまったのでしょうかオールドオスマン?」
「いや……
彼は任務に忠実なのでしょう。
ぐふふ白……か、それもまた良しじゃ」
「あら?
可愛いネズミですね」
「さて……どこから入ってきたのじゃ?」
SIDEワルド
全く我が侭な姫め。
何を企んでいるのだ……
おや?
あそこに座って本を読んでいる美少女は……
「失礼!
お嬢さんも本がお好きなのですか?」
「……」
「何を読んでいるのですか?」
「……ん」
「こっこれは「恋愛の方程式 男の子に好かれるためには」だと!」
「……そう」
「失礼、リトルレディには意中の人が居るのですね?」
「違う……彼は……」
「でも貴女は好きなのですね?」
「……分からない」
「何故です?」
「……手紙を貰った……会いたいと……でも……」
「でも?」
「……私は彼の好みではない……と思う」
「そんな事は無い。
貴女は凡百な華より美しい」
「……ありがと」
「貴女に其処まで思われる相手が羨ましい。
何時会うので?」
「……今夜外で」
「なっ女性との密会に夜で外だと……
駄目です罠ですよ」
「……罠?何故?」
「男は狼なのです危険ですよ!」
「……貴方も?」
「そうです……いや……いえ違いますよ」
「……そう」
「私も同行します。
貴女1人では危険だ」
「……だめ」
「何故です?」
「……彼の真意を知りたい」
「しかし襲われたら危険だ!」
「……大丈夫」
「しかし……」
「……ありがと、心配してくれて。
でも平気」
かっ可憐だ……
しかもクーデレ?
情報を集めよう……
アンリエッタの警備?
知らんわそんなもん。
と、いう訳なのだツアイツ殿。
彼女の情報が知りたい。
「いや貴方のロマンスを語られても全く分かりません。
せめて特徴を教えて下さい」
「クーデレでチッパイでロリ……
あと蒼い髪の眼鏡っ子だ!」
「えっ?
ミスタバサかな?
大きい杖を持っていた?」
「そうだ持っていた!
そうかタバサと言うのか……
してファミリーネームは?」
「いえ……
訳ありかタバサのみしか名乗らずそれも多分偽名だと思います。」
「うん!
決めた嫁にするぞ」
「いや問題が……」
「有るだろうね。
蒼い髪……
ガリアの王家の関係者だろう。
あからさまな偽名に名乗れぬ家名とあの年齢を総合し考えれば……」
「「シャルロット姫殿下……だね(な)」」
「何だ。
知っていたのか?
流石だな。
私は王家に仕える身なので他国の王族の情報も叩き込まれているのだが……
君にしては全く趣味じゃない相手だろう?」
「いや……果たし状を貰ってね……本人から」
「何時?何処で?」
「今夜、場所はヴェストリの広場で……
ほら手紙」
「彼女は君から手紙を貰ったと言っていた……
キナ臭いな。
本当に罠だったとは」
「本当にとは?」
「決まっているだろう。
もし邪な気持ちで彼女を呼び出した輩なら……
相手が君でも抹殺するつもりだった」
「ヤベェ!
本気と書いてマジな目だ……」