第27話
色気は全く無かったリアルキャットファイトが見れた!
が、内容はルイズの圧勝に終わった……
気を失った姫様はルイズに担がせワルド殿の遍在を呼び追い出した後でもう流石に居ないだろうと思い窓の外を見る。
まだ居ました……
膝を着き両手を天に突き出した体勢で号泣するワルド殿が。
どうしようか?
あまりにも哀れだ……
今日は色々疲れたがこのまま朝まで泣かせておく訳にもいかないし元気付けてやるか。
僕は着替えるとワルド殿を誘って「魅惑の妖精亭」に向かった。
魅惑の妖精亭
「あらいらっしゃいませツアイツ様、そろそろ閉店ですよ」
ジェシカが小走りで近寄って来てくれる。
この子の胸も揺れて凄いよなー!
「まだほかのお客さんは居るのかな?」
「ううん。
もう最後のお客さんが帰ったのでそろそろ閉めようかと思ったの」
「本当かい?
なら1時間くらい貸切にさせて欲しい。
それとゴニョゴニョ……」
「まぁ珍しい。
良いわ直ぐに集めるから待っていて下さいね」
「さぁさぁワルド殿、失恋にはお酒ですよ。
ガンガン逝きましょう!」
「くっツアイツ先生……
よし今夜は飲むぞ……
しかし先生。
この店は「あら素敵なお髭n「出てくるな化け物」……シクシク」
「さぁワルド殿飲みましょう。
なにミスタバサも本気で嫌ってはいませんよ。
あの年頃の婦女子にありがちな潔癖症なだけです。
まだまだ回復出来る失態でも何でもないですよ。
逆にあの本は男女の関係を感じさせる良い資料かもしれません」
「まだチャンスは有ると?」
「そうです。
余裕です。
もしかしたらこの次会う時は逆にワルド殿の事を男として意識してる可能性があります」
「ツアイツ様お待たせしました」
ジェシカに連れられてきたのは「魅惑の妖精亭」のスレンダー美人部隊です。
「つつつツアイツ殿、彼女達は?」
「彼女達はこのお店で働いているレディ達です。
さぁさぁワルド殿を元気付けた娘にはチップ20エキューなので頑張って!」
「キャーキャー凄いわ。
始めましてーミーナでーす……」
4人の年若いスレンダー美人に囲まれてワタワタしているワルド殿を見て微笑みながらワインを飲む。
「今夜はあの方を元気付ける為にいらしたんですか?」
ジェシカが新しいワインボトルとグラスを2つ持って話しかけてきた。
多分タルブ産のワインかな。
「うん。
ちょっと哀れ過ぎたので。
彼は少し女慣れしないとウブ過ぎるから……」
「女慣れって……
ツアイツ様ってお幾つなんですか?
とても十代の台詞ではないですよ」
「ん?そうだね。
幾つにみえる?」
「質問を質問で返してはいけませんよ。
そうですね……
お父さんみたいな感じがします」
「ふふっそれで良いよ我が娘よ!
もうもう一杯注いでおくれ」
ワインを注いでもらいジェシカのグラスにもなみなみと注ぐ。
「あら?
酔わせて襲うつもりですか?」
「今夜の貸切は1時間だろ。無理さ」
本当はもう40歳になるんだけどさ……
肉体は若くても精神は老成して行くのが自分でも分かる。
この世界に転生し11歳からエーファ達と爛れた性活を送ったせいか極上の美少女を相手にしても冷静な部分が必ずあるんだ。
昔の様な全てを包む高揚感がなくなったな。
贅沢過ぎる悩み事だね全くさ!
SIDEジェシカ
シエスタは手紙で良くツアイツ様の事を書いてくれる……
優しくお茶目で子供っぽいツアイツ様を。
でもたまに見せるこのツアイツ様は知らないと思う。
まるで年若い部下を励ます為に連れてくる老練な上司のような余裕。
私の誘いをかわす冷静沈着さ。
色んな酔客を見てきた私には分かる。
ツアイツ様は私達みたいな酔客の相手をする女達を蔑んでない。
いえ貴族様なのに誰に対しても対等に接してくれる。
他の旨い事を言って寄って来る男達は大抵体が目当てのスケベばかり……
どこかお金を積めば体を開くだろうと思っているのがわかる。
ツアイツ様は違うわ……
不思議と一緒に居ると楽しいの。
んー残念。
シエスタちゃんに先を越されなければ本気でアタックしても良いと思うけど……
彼女あれで結構嫉妬深いし黒化するし怒らすと怖いのよね。
ソフィアちゃんが教えてくれたけど……
タイヘンダッタラシイワ
「さてそろそろ帰るよ。
学院に内緒できてるんだ。
バレる前に戻らないと……
ワルド殿?」
「あらあらこちらの貴族様はすっかり出来上がっているわね?
どうします?
馬車の手配をしますか?」
「うん。お願い……
ワルド殿どうでした?
誰が気に入りましたか?」
「ああツアイツ先生……
こんな天使が沢山居るお店が有ったのですね。
感動しました。
だけどどの天使が一番などと…」
「はいはい皆さん気に入ったのですね。
ではチップはこれで好きに別けて下さい」
机の上に1個20エキュー相当のルビーを4つ置く。
チップは宝石でも喜ばれる。
女性なら特にそうだろう。
「ツアイツさまー馬車が捕まったわー」
「ではまた来るね」
ジェシカにはエキュー金貨で飲み代を少し多めに払いながらワルド殿をレビテーションで運ぶ。
「約束ですよ。
ビスチェウェイトレスVSメイド軍団の実現をお持ちしています」
馬車の中にて
「ワルド殿楽しめましたか?」
「全くけしからんお店でしたな……
若い女性が肌も露な服で接客など……
いやしかし……
いやいやけしからん」
「十分楽しんだみたいですね。
たまには店に顔を出して下さいね。
そのポケットの名刺を出せば今日の娘達を指名出来ますよ」
「ツアイツ先生、僕はタバサ殿にこの身を捧げた「はいはいキスマーク消して服を整えて下さい」……はい」
「しかしこんなに楽しい酒は久し振りでした……
サムエル殿と呑み語り合った夜も楽しかったのですが……」
「綺麗な女の子のいる店で飲むもの良いでしょ?」
「そうですね……
また逝きましょう」
「ええ、それとたまにはグリフォン隊の隊員達も誘ってみたらどうですか?
喜びますよ」
「部下達と……」
「そうです。
部下との親睦を深めるのも大切でしょ?
隊長殿……
でもスマートな遊び方をして下さい」
「ふふ……
そう言えば上を見るばかりで一度も部下とは飲んだ事が無かったな……
復讐に全てを賭けるとこんな事も出来ないのですな」
そうか……
だからミスタバサもクラスには溶け込まないのかな?
「貴方を慕っている部下達ですよ。
気遣いなさい。
僕だって上に立つ者としてエーファ達には色々しています」
「ははは、まるで父上に諭されているみたいですよ。
不思議なお方ですな……
未だ15歳なのに」
「どうせジジ臭いですから」
それから暫くは他愛無い話をした。
ワルド殿は真性のロリコンである事が確認できたが今夜の彼女達も気に入ったと言う事は概ね12歳〜18歳が守備範囲か?
しかしレイナール用の「はなまる幼稚園」にも喰いついていたし……
やはりライトなペドかな?
そうすると4歳〜いやいやいやそれは流石に無いだろう……
ミスタバサ……
どうするか?
ここまで接触してハイサヨウナラ!
では余りに可哀想だけど。
彼女を幸せにするには母親を救わなければならない。
それにはエルフとの接触が必要か……
ラグドリアン湖の精霊に聞くか……
ティファニアの水の指輪か……
なんだ、手段は色々有るぞ。
この優秀だか変態なんだけど何だか分からないワルド殿をけしかければもしかしたらもしかするかも?
「ワルド殿、そろそろ学院に着きます。
隠密に進入しましょう」
「それは大丈夫ですよ。
今の時間は正面に僕の遍在と部下がいますので……
近付いたら部下を下がらせます。
そのまま中に入りましょう」
「流石は酔っていても隊長という事ですね」
タバサ攻略の方法を幾つか考え出せたのでよしとするか。
僕は手を出さないけどね。
後は明日考えよう。
上手くすればルイズ・キュルケ・モンモンと仲良くしてくれるかも……
あっとその前に今日貰った女の子達の名刺とかは記憶して処分しておこう。
浮気がバレるのを心配する夫みたいだけど結構大切だよこういうのって。