第28話
おはようございます。
ツアイツです。
今朝のアルヴィーズの食堂は一寸した騒ぎになっています。
なんといってもトリステイン王国の華……
アンリエッタ姫が同席していますから。
彼女はオールドオスマンと教師陣に囲まれた席で優雅に食事をとっています。
流石に王族だけ有り見事な作法と笑顔です。
昨夜の訪問の後でルイズとどの様な話になったかは分からないが取り敢えず写本は燃してしまったからルイズの知識頼みだ。
僕も記憶してるが他国の貴族が並居るトリステイン貴族を飛び越えてアンリエッタ姫と何度も会見するのは宜しくない。
特に僕はこの国で成功している嫌われ者。
敵も味方も多いから。
それに内容を隠さなければならないので余計に怪しまれる。
ルイズなら国内きっての大貴族で幼少の頃からの遊び相手だし何の疑いもされないだろう。
ただ原作と違いルイズは余りアンリエッタ姫に傾倒していないし扱いもぞんざいな感じがするんだが。
このアンリエッタ姫もウェールズ皇太子狙いは変わらないが性格が少し違うし胸は微妙だ……
だがあと1年あれば少しは大きくなって原作通りになるのかな?
それとも微妙乳のお陰で原作と違う展開になるのか……
まったくデカイかチッチャイかハッキリしてくれれば展開が読みやすいのに中途半端な乳め。
でもウェールズ皇太子は巨乳派なのが分かったのは僥倖だ。
モード大公はチッパイ派だよな。
ティファニアは別として母親はスレンダーだったらしいし……
まさか兄弟で巨と貧に分かれて争ってないよな?
巨乳派のジェームズ一世がチッパイ派のモード大公をエルフ共々粛清した?
ティファニアの存在は知られて無いだろう……
もしバレていたら拉致るぐらいする。
あの神胸だ!
種族の違いなど関係ない。
その辺を含めて早い時期に実家に行く必要が有るな。
ティファニアの警備と防諜の強化……
どれだけ父上に献上すれば対応してくれるか?
そうだ!
母上を巻き込もう。
母上から父上にお願いしてもらえば確実のはずだ。
幸い仲が良いと報告を受けているのでトリステインのしつこい貴族から守る為にウチで保護したが相手がまだ探しているからとか言えば問題はない。
母上に援護してもらい新作を何冊か渡す……
これで問題は無いだろう。
残念ながら次期領主の僕では父上を飛び越して命令する権限が無いのが悔しい。
同じ巨乳派だがアルビオンとは仲良く出来ないかも知れない。
同じ乳を信奉する者としてもその為に血を流してはいけない……
乳は平和的に世界を救うのだ!
早速巨乳のマチルダさんにその辺の所を調べて貰おう。
周りを見渡すとタバサが居ないな。
多分、例の「TO HEART1・2巻」
を持ってガリアに戻ったのだろう。
ふふふっ……
イザベラ王女があの18禁本を見たらどんな反応をするかが見物だなぁ。
「なんだいこの人形はこんなイヤラシイ本を目的の本だと言うのかい?」
とか言葉攻めしそうだよね。
うわっ!
聞いてみてぇ。
きっと真っ赤になって俯くタバサと真っ赤になりながらも攻めるイザベラかぁ……うん。
創作意欲が湧き上がるネ!
そしてあの本はイザベラからジョセフへ渡される。
あの無表情・無感動王が……
「イザベラ、我が娘よ。
父にこのような本を差し出してどうしろというのだ?」
イザベラは……
「いえその本はあの人形が盗んできた物で……」
どか言っちゃって?
あれ?
アレレ?
ボクハスデニジョセフニメヲツケラレテイル?
うわっヤベェ……
どうする?
このジョセフは原作通りの性格なのか?
登場人物は皆微妙に変わっているが……
変わり過ぎている人も居るが……
タバサが戻ってきたらワルド殿を交えて3人で一度相談しよう。
「ツアイツーその料理はもう食べないの?」
マリコルヌが涎を垂らしそうな顔で聞いてきた。
「ああ……食べるかい?」
食欲が無くなったので残りの料理をマリコルヌの方に差し出す。
「なぁツアイツ?
今朝はミスタバサが居ないな?」ヴィリエが聞いてきた……
そういえばコイツはタバサに興味があるみたいだよな。
「本当だね。
どうしたんだろう……
ツアイツは知ってる?」
レイナールまで聞いてくるとは!
「何故僕に聞くのかな?」
「「いや取り敢えずツアイツに聞いておけば何かわかるかと……」」
「いや……知らない?」
本当は知り過ぎるほど知っていますが言えません。
「疑問系?
そうだよねツアイツの好みの娘じゃないからね。」
「お前達の好みなのか?」
「なっなにをいっているのだね……
僕は同じ風の使い手としてライバルの動向がきになるだけだ!」
「ぼっ僕だって幼い女の子が欠席なんて何か有ったかが心配なだけで!」
はっとお互いを見詰め合う2人……
「ヴィリエ?
少しお話しようか」
「レイナール……
眼鏡の替えは持っているかな?」
「2人ともアンリエッタ姫の御前だよ。
抑えて抑えて……
ほらワルド隊長も睨んで……
ひっ!」
ワルド殿は聞こえていたのかタバサをあからさまに気にするこの2人に対して殺気の篭った眼を向けている……
何時でも殺せる位に。
「ほっほらワルド隊長も注意しているよ」
「「そうだね(な)気をつけます」」
現役魔法衛士隊隊長の放つ本気の殺気に当てられてか騒がしかった食堂の雰囲気を大人しくなった。
「ワルド殿……
生徒達の無礼は許してくだされ。
なにトリステインの華を前に浮かれてしまっただけじゃよ」
「分かりました……」
「ヴィリエ、レイナール……
食事が終ったら逃げろ。
僕は助けられないから」
男の嫉妬とはかくも凄まじいのか……
それとも元々ワルド殿の持っていた狂気の表れか?
僕はタバサには指一本触れない事を改めて心に誓った。
あの殺気は訓練の時にうっかりカリン様の胸を触ってしまい
「えっ胸?うそ?板?」
などとほざいた時の眼に似ていた。
自分の右腕が千切られたのは初めてだったあの夏の日の午後に……
そして痛みでのたうち回る僕に中々治療をしてくれなかったエレオノール様の能面のような……
久し振りにトラウマを思い出した朝だった。
朝食後にアンリエッタ王女は学生全員に見送られて帰っていった。
その時またワルド殿が僕に会釈した事で廻りがざわついたがもう気にしない。
因みにヴィリエとレイナールは午後になって保健室に居る事が判明した。
心配になりお見舞いに行った時に聞いたのだが……
2人で決闘→殴り合いの喧嘩→若い青春の仲直り→遍在ワルド乱入そして一方的な殲滅&説教タイムだったらしい。
ただ2人の情熱に負けて普段学院に居られないワルド殿の為にタバサを見守りいざとなったら身を挺して守る事で話が付いたらしい。
親衛隊隊長と隊員1号2号の誕生の瞬間だった。
ますますタバサには手を出さないと心に誓う。
全くポッと出てきたら原作キャラを3人も虜にするなんて……
タバサ恐ろしい子。
ヴィリエとレイナールはロリコンでペドのチッパイ教徒。
ギムリはお姉様大好き系巨乳愛好家。
マリコルヌは女王様苛めて下さいのM男。
僕は乳を愛する巨乳教の教祖!
ギーシュ?
ギーシュが一番マトモなのか?
あーでもあいつケティだからなーロリコンか?
いや全ての女性のうんたら薔薇だからみんな好き好きハーレム願望派か……
うん。
流石僕が選んだこのメンバーはバランスが取れているね!
こいつらとならハルケギニアの風俗界で新風を巻き起こせる!
ここに新モテナイーズ改めハルケギニア統一変態同盟……
いやいやこれじゃ女性から怪しまれるな。
何か格好良くて主旨の分かり易い名前を考えてみよう。