挿話7
ツアイツ君頑張る1
ヴァリエール公爵夫人……
いや烈風のカリン様の特訓と言う名の拷問を思い出す。
今思えば何故あの人は僕に特訓をしようと考えたのだろうか?
最初は旦那に要らん事を吹き込んだ制裁かとも思った。
いきなりルイズを賭けて勝負を挑まれたし……
その後は強制で2ヶ月に一度、大体1週間くらい滞在し特訓を受ける日々が始まった。
滞在中の扱いは(訓練は別として)文句の付け様の無い物だった。
訓練以外で暇な時は……
大抵はルイズと遊びエレオノール様の愚痴を聞きヴァリエール公爵と新作について討論もした。
が、そんなに皆が暇な訳でもなく当然独りで時間を持て余す事も多かった。
そんな時はさり気なく夫人がホストを勤めてくれた。
彼女の戦闘に関しての助言は当然有効だが驚くべき事に時事ネタなどの流行にも詳しく僕が滞在中に退屈する事は無かった。
また現役時代の話など現在のマンティコア隊の隊長ド・ゼッサール殿の秘話など面白可笑しく話してくれる。
原作ではサイトに
「厳しいという言葉をよくこねて鋳型に納め恐怖という炎で焼き固めた騎士人形」
と評されているが訓練以外ではそんな事はなくたまに見せる微笑は透き通っていて綺麗なものだった。
ルイズの将来の姿だが性格が変わってしまった為に凛とした彼女の様にではなくカトレアの様なフワフワした感じに成長するのだろうか?
実際に僕の戦闘能力を評価して貰ったが、僕はそんなに運動神経も反射神経も良くは無い。
多分平凡だと思う。
神様に貰ったチート能力は魔法の素養だけで身体的な底上げはしていないから……
だから自身が動き回り戦うという選択肢はなく固定砲台としての能力向上しかなかったしそう判断された。
それも複数に同時対処とか接近戦の対応など、最初の頃は毎回吹き飛ばされてその都度何故か見学しているエレオノール様が歓声を上げていた。
エレオノール様は絶対鬱憤晴らしに見学していたと思う……
だって吹き飛ぶ度に歓声と拍手をしていたし。
でも何日かしてからは治療は必ずエレオノール様が施してくれる様になった。
一年後位からは毎回特訓の期間中は実家に戻ってきていてアカデミーの研究の話や婚約者への愚痴なんかも聞かされた。
エレオノール様は実は絡み酒の癖にお酒には弱く、何時も先に酔い潰れてしまい毎回僕が寝室に運んだ。
その時に魔法でなくお姫様抱っこで運ぶのは僕だけの秘密だ。
エレオノール様は胸は残念だがお尻は安産タイプだし、やはり妙齢の女性であるから柔らかいし良い匂いなのだ。
レビテーションで運ぶのは勿体無いのですよ。
まぁ手を出すと翌朝に……
カリン様が控えていて即結納の命令→僕の両親の強制召喚→身内だけで当日結婚式→初夜の流れっぽい電波がきたので実行はしていない。
エーファと同世代だし余裕で守備範囲だったけどね。
IFの僕は喰ってしまったらしいがそれはそれで……
有ると思います……
某吟じる芸人風に!
話は変わるが僕の3つの必殺技はゴーレムと劣化クレイモアとブーメランだけど元々は昔見たテレビアニメのロボットとかを錬金したかったんだ。
とか男の浪漫じゃないですか。
しかしイメージ重視のこのハルケギニアマジックでは難しい造詣の近未来的ロボットは無理だったのだ。
じゃあ簡易的な量産機とかどうなの?
って感じだけど動力パイプとか難しく最終的にコレになったんだ。
しかもアニメで見ると金属なのに腰が回ったり腕がしなったりとまさにフリーダムな構造!
武装もアックスという想像し易い物だし何よりプラモデルで何度も作ったからイメージは完璧だった。
昆虫タイプもカマキリとかクワガタとか考えたんだけど足の動きがウジャウジャで気持ち悪いとルイズに泣かれて現在封印中です。
このハルケギニアには似たような昆虫は居なかったのだが多足節が駄目なのだろう……
泣かれては仕方が無いので諦めよう。
ゴーレムについてはカリン様が順を追って錬金精度や制御方法を鍛えてくれたお陰で全身金属製の18mとして完成した。
武装は刃渡り4mのアックスを2本装備し拘りと言う無駄な能力でモノアイが光り且つ動く事と放熱口から排気出来る。
お台場で見た1/1スケールなんてめじゃねーぜ!
次に劣化クレイモアだが……
これは固定砲台として移動しない僕の周りに罠として仕掛けておいて発動するというまんま現代兵器のパクリだ。
故にそれ程の改良も出来ずにいる。
既に完成している兵器だから手を加えるのが難しいんだよね。
これは地面に鉄で箱型を形成し火薬を敷き詰めベアリングを並べて敵が接近したら着火する事により任意の方向に散弾をばら撒くのだが射程範囲も狭く威力も低い。
しかし動かない僕の周りに放物線状に設置する事で360度の敵に対応出来る。
だけど一度セットしたら付け替えは出来ないし誤作動が怖いから使わなくても処理は忘れてはならない。
現代でも地雷の処理は問題になってますから……
なので劣化クレイモアは要研究で今後の課題です。
最後にブーメラン……
これは某運命の赤い弓兵や金色の王様のアレに憧れて考えたのが最初だった。
しかし単純に武器を錬金しレビテーションで直線的に投擲しても威力と言う点と連射性が著しく悪かった。
直線でそれなりなスピードで飛ばしても意外な程に威力も低くくとても必殺技としては通用しない残念な結果だ。
まだ弓矢を使った方がまし……
でも弓矢じゃ1本しか撃てず両手も塞がるしレビテーションで弓操作を行うのは技術的にも効率的にも無理。
いっそ手裏剣なんてどうかと試しに錬金して先ずは自分で投げてみた。
効果はあったが致命傷程の威力はなく精々が牽制程度でしかない。
人間ならまだしも亜人……
オーク鬼やコボルド鬼等のタフネスな相手には効かない中途半端な威力だ。
何故威力が低いかどうしたら威力を上げられるか……
考えた末に行き着いたのが速度と質量だ。
重たい物をブン投げれば威力は大きいが余り重くては投擲武器として速度と距離を稼げない。
そこで思い付いたのがブーメランだ。
当初は投げたら戻って来ると思った。
しかし円を描くように飛ぶ軌道の羽の角度など分かるわけが無くブン投げてレビテーションで引き寄せたら……
受け取る事など出来ず危うく自分の首を刎ねる所だった。
アブネー!
但し引き寄せる事が可能なら相手に誘導する事も可能という事なのでこの発想は概ね成功だつ思う。
あとはひたすら羽の角度を変えてブーメランを錬金し自分でブン投げる事を練習した。
そうする事により色んな角度で楕円を描きながら目標に投擲できる様になった。
最初の素材は木製から始まり石から鋼鉄へと変えていった。
木製は軽くレビテーションでの操作が簡単であり同時制御もしやすいので数で攻める事ができる。
石製はぶつかった時に砕けるが打撃力が高く装甲の厚い敵に有利だ。
金属は薄くしても硬度が有り当たると洒落にならない威力がある取って置きの最強投擲兵器だ。
前に盗賊討伐で一団となり逃げる奴らに30枚ほど投げたら……
その日の夕飯が食べれない結果となった。
だから本当に殺すと決めた相手にしか使っていない。
カリン様には亜種の氷の刃にして投擲してみたが鋼鉄製でも実際防ぎ切ったと思う。
それが僕と烈風のカリン様との絶対的な力の差だ!
そのカリン様とのディスカッションで素材を火薬にして接触と同時に爆破とか表面を磨いた銅鏡にライトを併用して乱反射させて視認性を悪くしたりして工夫したが……
当の本人は風が教えてくれるとかほざいて避け捲くっていた。
しばらくたってエレオノール様がツンデレ全開で一緒に考えてあげるわ!
とか驚きの展開で2人でうんうん考えた。
エレオノール様は今まで使っていたへの字型ではなくベンツマークの三つ又型にして安定感と威力を増したらどうかと提案してきた。
意外だがこれは有効だった。
面積と重量が5割増だがそれでも制御し難い事も無く安定していた。
素直に褒めたら真っ赤になってデレ全開であんたの為じゃないんだからね。
勘違いしないでよね!
とか言っていたがルイズの性格を変えてしまったのでリアルツンデレと言う物を知らずにいた為に此方も思わず萌えてしまった……
嗚呼これがヴァリエール一族に伝わるツンデレなのだな…と。
歴史の修正力が末娘から長女にツンデレ力を移したのだな。
あまりの感動にニコニコと見詰めていたら、真っ赤な顔のエレオノール様にシネ!
とか言われ股間を蹴られたがマイサンが硬度形態だった為に事なきを得た!
逆に余計に真っ赤になったエレオノール様から魔法の追撃を受けた……
ナニヲケッタノカワカッタノカナ?
真っ赤になって杖を振り回す姿を他の婚約者達に見せれば結構可愛いと言われそうなのに……
ブーメラン技術を極めた事でゴーレムのアックス投擲も制御が可能となった。
一寸威力が半端ないので直接当てずに近くに当ててその衝撃でダメージを与える様にしている。
神様にチート能力を貰い原作最強の人に鍛えて貰ってこの程度なのでオリ主無双とかは無理だろうなぁ……
そうそう。
ヴァリエール家と言えば三姉妹で有名ですが余り接点の無い方が居ます。
カトレア様と言って既に子爵位を持って居るんだけど体が弱く実家で養生中なんですが……
巨乳化に成功したルイズよりも更にご立派な乳力を持つ方です。
僕はルイズやエレオノール様と騒がしくしちゃうから中々会えないんですが必ず新作を書き上げた時はサイン入りで著書を渡しています。
なんかこう……
ほんわかしてイヤらしい気持ちにならないと言うか何と言うか……
一度だけカリン様との特訓での怪我を膝枕をして治療してくれた事が有った。
その時にご立派な双子山を参拝したんだけど思わず拝んでしまいました!
アリガタヤアリガタヤ!
アレは良いチチだ!