しまった!
前話の演説で居るか居ないかも分からない女性ファンが減った気がする……
第41話
ツアイツ執務室完成す!
午後の授業を終えて部屋に帰る……
オールドオスマンに男の浪漫本を大量に渡したせいかロングビルさんの交渉の賜物か。
我が部屋は両隣の二部屋をぶち抜いて広さ三倍に拡張されていた。
空き部屋ではなかった筈なのだが……
勿論予算申請はソフィア経由で(僕の知らない内に僕の代理で)エーファの承認をしているので問題無いそうだ……
学院との交渉も僕は知らなかったが全て済んでいた。
執筆室に専属メイド&秘書の控室や簡単な応接セットまで有る。
僕の寝室には何故かダブルベッドに変更され知らない箪笥が有るのだがこれには怖くて触れていない……
寝室の窓及び扉には厳重な鍵が掛かるように追加変更した。
ソフィアとロングビルさんはそんな無駄な事を……
とクスクス笑っていたのだが聞こえないったら聞こえない!
しかし良いのかこんなに改造して?
後でオールドオスマンに確認したが随分とヤバいネタを握れていて断れなかったそうだ……
爺さん何をしたんだ?
因みに部屋のプレートには……
「ツアイツ・フォン・ハーナウ執務室トリステイン出張所」
となっていた。
誰?何?このセンス?
今夜から厳重に戸締まりして寝ると心に決めた!
そしてドキドキワクワクしながら眠りについたが特に何も無かったし誰も来なかった……
アルヴィーズの食堂にて
やっとミス・タバサが学院に復帰したのか今朝は朝食を採りに食堂に顔を出している。
あのチッコイ体の何処に食べ物が入るのか不思議な位モリモリ食べているんだが……
ホッペをパンパンに膨らませモグモグ食べる姿は小動物を連想させますね。
僕など朝食でさえオーバー気味なのに……
女体(胃袋)の神秘!
さて彼女とは接触を取りたいのだが、今まで何の接点も無かったのにいきなり話し掛けるのもそれは不自然だ。
そんな僕の悩みも考えずにこのクーデレさんはトコトコと近づいて来て皆の前で言ってくれました……
「……今夜また部屋にお邪魔してよい?」
と、三人娘の前で。
固まる食堂!
そして膨れ上がる殺気。
「ツアイツ?
この貧相な女の子を部屋に連れ込んで何をしたのかしら?」
「オッパイが大好きな筈よね?
まさか趣旨替えかしら?」
「何かの間違いよね?
そうでないと私……
私達……」
と各々がティーカップの取手を粉砕しながら詰問しだした。
周りを見渡すと周囲10mには誰も居ない!
何その用意周到さ?
ギーシュなどは机を倒し盾にしてこちらを伺っている始末……
あっ……
ヴィリエとレイナールがコソコソと話し合った後に扉からダッシュで出て行ったぞ。
ワルド殿にチクる気か?
「待って誤解が……」
「貴女達には関係無い」
ちょーっと待ってー!
貴女はコミュニケーションを学んでー!
「「「私達には関係有るのよ?」」」
「……そう?だから?」
「「「ツアイツにペッタンコな貴女は必要ないのよ」」」
一触即発とはこの事なんだろう!
「待って!
誤解だから。
これから部屋で説明するから全く浮気の心配なんて無いから」
そう言って端から見れば四又のバレた浮気男の様な台詞しか言えずに食堂を後にした……
皆が見送る目が痛かった……
ツアイツ執務室トリステイン出張所
「お帰りなさいませご主人様……
あらお客様ですか。
今お茶をご用意致します」
ソフィアが一礼し備え付けのキッチンに向かう。
「あら?拡張したの?
でも凄い設備ね」
「ああ……入ってくr「お帰りなさいませ。
ツアイツ様。
あら皆さんどうしました?」
「えーと……
皆も知ってるかもしれないけど秘書のロングビルさんです」
「宜しくお願いします。
ツアイツ様の専属秘書になりました」
嫣然且つ挑発的に優雅に一礼する。
「ロングビルさんは生活面で色々大変なのと……
その、優秀さを買って我が家に引き抜きました」
「「「それで?」」」
「皆様宜しくお願いしますわ」
「えーと……
ミス・タバサについては……
本人からで良いかな?」
「……ん」
タバサの了承と共に皆の視線が集中する。
「ミスタ・ツアイツの事を色々知りたい」
「「「それだけ?」」」
タバサさん……
本格的にコミュニケーションを学んで欲しい。
「あー彼女は訳有りのガリアの王族なんだ。
学院の二年生と揉めた時に助けてくれた。
そしてワルド殿と仲が良いんだけど……
ちょーっと行き違いが有ってね。
それの相談だよね?」
キュルケが真剣な顔で僕を見て話し出した。
「ツアイツ……
ガリアには構わないで欲しいの。
あのジョゼフ王は無能と言われているけど大多数の反対派貴族を粛正する程危険な人物よ。
そうですよね?
シャルロット姫殿下?」
「キュルケ?
彼女の事を知っていたの?」
ルイズとモンモンも興味深そうにキュルケを……
その先の言葉を待つ。
「昔……遊園会でお見かけしたんですよ。
当時の面影を強く残してますわ」
「ミスタ・ツアイツにもワルド子爵にも直ぐにバレた……
そう私はジョゼフ王の命令を受けている。
そして彼はミスタ・ツアイツに強い関心が有る」
「だからか……
既にガリアからの手の者と接触したよ」
「「「何時?何処で?」」」
皆が僕に駆け寄って抱き付いてきた。
僕は安心させる様にポンポンと背中を叩き……
「イザベラ王女からは刺客を何故かジョゼフ王からは腹心を護衛にと付けられたよ」
「イザベラが刺客?」
「まぁ本気じゃなかったけど元素の兄弟が……ね」
「「ツアイツ……お父様に応援を要請するわ」」
「大丈夫。
この件はワルド子爵も絡んでるからそんなに心配は無いよ」
「それに……
いやもう少し内容が纏まったら必ず報告するよ」
そういって三人娘の頬に軽くキスをすると体を放した。
「さぁ授業には遅れてしまったけど行こうか」
雰囲気を変える為に明るく言ったのだが……
「……ここで本を読んでいる」
と人の本棚を漁り応接セットの机に山積みにして読書を始めたミス・タバサをレビテーションで持ち上げながら教室に向かう。
それでも黙々と読書をするタバサ……
「ねぇ……
悪いんだけどミス・タバサに社交性とか一般常識とか人付き合いの何たるかを教えてあげて欲しいんだ」
「ツアイツがミス・タバサ狙いじゃないのなら……
仕方ないから教えてあげるわ」
姉御肌で面倒見の良いキュルケが言ってくれた。
ミス・タバサ自身は我関せず黙々て本を読んでいる。
貴女の為に苦労しているのですが何を呑気に読書に集中してるのですか?
僕はミス・タバサをその辺のベンチに置いて行きたい気持ちを懸命に抑えて教室に向かった。
SIDE三人娘
某赤「ツアイツはああ言ったけど、私達も動くわよ」
某桃「それは賛成だけどどうやって?」
某金「あのツルペタを締め上げて情報を吐かせましょう」
某赤「そうね。
先ずは情報を……
行動はそれからね!」
桃&金「「了解」」
某赤「これが内助の功!よね。
ツアイツは極力私達を危険から遠ざけるけど知らない事が一番辛い事も知って欲しいわ」