第47話
こんにちは!
ツアイツです。
午後は、各自のんびりと過ごす予定です。
父上は母上を伴い寝室へ昼寝?に向かいました……
そろそろ弟か妹が出来ても可笑しくない様な。
シェフィールドさんは、我が家の巨乳メイドさんとお話中……
そして護衛にと小さな牙の連なった腕輪をくれました。
引きちぎってバラまくと、巨大化して亜人型のゴーレムになるそうです。
このヤンデレさんは扱いさえ間違わなければ情の深い女性です。
なのに護衛と言って付いて来たワルド殿はそうそうに
「サムエル愛の資料館」
に引き籠もりました……
さて、僕ですが一頭の馬でテファと遠出をしています。
普段スカート姿が多い彼女ですが、乗馬服をキリリと着込んで髪をポニーテールにした姿は中々に気品が有ります。
マリコルヌならその鞭でシバいて下さい!
な、感じです。
彼女を前に座らせ馬をゆっくりと歩かせる。
馬が揺れる度に彼女の髪から良い匂いが……
しっかりしろ!
ツアイツ、只でさえこれから人気の無い泉に2人っきりで行くのだ。
初体験を野外で済ます様な暴挙は自重するんだ!
彼女と彼女のファンに失礼だぞ。
僕の内面の葛藤を知る由もないテファが、申し訳なさそうに
「すみません。
私、馬に乗れないのでご迷惑を……」
と言ってきたので気にしない様にと言った。
我が屋敷からトコトコと街道を進みながらテファと色々な事を話す……
学校の事、マチルダさんの事、家での過ごし方や花嫁修行等……
やはりテファは人との触れ合いを求めている。
来年には学院に行かせてあげたい。
一時間程で目的地の泉に着いた。
テファが恥ずかしそうにバスケットを出してくれたので、即席の机と椅子を錬金しようとしたが、情緒が無いからと言われ倒木に並んで座っている。
「急いで作ったのでお口に合うか……」
焼き菓子を真っ赤になりながら差し出してくれた。
うーん……美味!
のんびりと2人で泉を眺めてお菓子を食べる……
マイナスイオンに溢れて癒やされるよね!
SIDEテファ
私の未来の旦那様。
私に外の世界を見せてくれた人。
ハーフエルフなのに偏見も迫害もしない変な人。
貴族なのに平民と同じ目線で行動出来る優しい人。
少しエッチで胸ばかり見てて、それでいて誰よりも頼りがいの有る人……
何故、私を助けてくれたのか聞いたら笑って、君のお姉さんに頼まれたからって……
何でも無い様に言ってくれた。
ハーフエルフを匿うなんて、凄い事をしてくれたのに自分じゃなくてマチルダ姉さんにお礼を言えなんて……
この少しエッチな優しい人とならずっと一緒にやっていけると思う。
でっでも、エッチなのは結婚するまでいけないと思います。
でも迫られたら断る理由も気持ちも無いから……
「どうしたの?寒いの?」
「へっ平気です」
「でも顔が赤いよ……どれどれ」
額と額をくっ付けて熱を計られました!
こんなに顔が近くに。
思わず目を閉じて……
「んー熱っぽいかな?
少し冷えたのかもね。
さぁ、我が家に帰ろうか」
「……はい」
今度は私が後ろから抱き付く様に馬に乗る。
温かい……
彼の温もりを感じる。
もぅ……
いくらエッチは駄目でも、さっきの雰囲気ならキス位してくれても良いのに……
このニブチンさん!
SIDEワルド&シェフィールド
応接室のソファーに並んで座り水晶球を眺めている。
水晶球にはツアイツとテファが映っている。
「覗き見は趣味が良く無いのでは?」
「ツアイツ様の安全を確保する為よ。
そして参考になるわ……
私も主と、この様な甘酸っぱさ満点の逢い引きがしたいわ……」
「あー記憶操作の参考か……
僕も帰ったらタバサ殿を誘って、何処かに出掛けるかな」
「貴方のは参考にしないわ。
何故かしら、背徳感を感じるの」
「余計なお世話だ!」
「しかし、何であの無表情のお子様が良いの?」
「何を言うか!
クーデレでチッパイでロリッ子なんだぞ」
「やはり貴方は参考にはならないわ」
ツアイツとテファの初デートは、どうしようも無い2人に監視されていた。
それでも劣情に流されず押し倒さなくて良かったですね、ツアイツ君。
サムエル執務室にて……
夜の部の会議の参加者を見渡す。
何故かお疲れ様気味の父上
微妙にワルド殿を見下すシェフィールドさん
無駄に積極的になったワルド殿
僕の居ない間に何が有ったのだろう?
「では具体的な対策の相談に移りたいのですが……
宜しいですか?」
「うむ。始めてくれ」
「……では、レコンキスタはアルビオン大陸の北方より布教を始めています。
父上はアルビオンには販路は有りますか?」
「うむ。幾つかのルートを持っているぞ」
「僕の手の者がクロムウェルの攻略中の貴族と趣味を調べてますから引き込まれる前に……」
「我らが教義を叩き込むのだな……」
「それと並行して付近の貴族にも布教しましょう」
「むしろそちらがメインだな……
信者の数が物を言うからな、この場合は」
「流石は父上ですね」
「ツアイツよ。
経典の制作はどうなのだ?」
「まずまずです。
それと何故かガリア王宮内にも父上の信者が居ますよ」
「ほう!
やはり時代の先端はチッパイなのだな」
「竜騎士団ですが……
仕込みで男の浪漫本を大量に送っておきました」
「はぁ……
ウチの竜騎士団は何をしてるんだか」
「レコンキスタとはいえ、仕込みの期間は半年から一年位は掛かるでしょう」
「では暫くは布教活動に専念だな」
「そうです!
勝利の鍵はアルビオン全土に貧と巨のおっぱい教を広める事です!」
「素晴らしい!
二大教祖の夢の共演ですな」
「……アホらしいのに。
でも、何とかなりそうな気がするのが不思議で情けないわね」
SIDE三人娘
某赤の父上
ふむ、また随分と大物に見込まれたなツアイツ殿……
そして今はハーナウ家に戻っているのか。
では直接会わねばなるまい。
「誰か!
風竜を用意しろ。
ハーナウ家に向かうぞ
」
某桃の両親
「また随分と大物に見込まれましたね婿殿は」
「しかし……
回春か、気持ちは分かるが、それで国家間紛争をする程の狂王だとは……」
「男とは本当に仕方のない生き物ですわね」
「カリーヌ、落ち着いてくれ。
彼も被害者なのだから」
「直接話を聞かねばなりませんね。
ゲルマニアから戻ったら学院に押し掛けましょう」
「それは問題が……」
「呼んでも逃げるかもしれません。
ツアイツ殿はリスク回避能力が有りますから」
「それは……
彼が危険と認識する事をするのか?」
「いえ……
しかし早めに我が家に括らねば問題を起こすばかり。
そして解決の度に女の影がチラつきます。
最早、卒業と同時に婿入りさせます」
「いや……
それは後継ぎ的に無理だ。
素直にルイズを嫁に貰ってもらおう」
「アナタはお黙りなさい!」
某桃のデレ姉
「トリステインとの揉め事が終わったかと思えば次々と……
やはりしっかり尻に敷かねば駄目かしら?
しっ仕方がないから私が……」
ヴァリエール一族それぞれの思惑が渦巻くトリステイン……
周到に包囲網が形成されていく!
ツアイツの安息の日は遠い!
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何時もこの変態妄想小説を読んでくれて有難う御座います。
明日で丁度、連載2ヶ月になります。
良く続いたなー!
自分でも驚いてます。
もう一息で第一部の終わりが見えてきた感じがします。
そこで明日は、2ヶ月突破記念として挿話を2話、続けて掲載します。
AM6:00とPM3:00、それぞれ「ワルま第2巻」と「超外伝秘薬使いモンモン」です。
秘薬使いモンモンは、一応純愛路線にしたつもりですが、作者は元々アレな人なので上手く纏まらなかった様です(笑)
時系列も少しズレてます。
では、我が妄想尽きる迄お付き合いお願いします。