挿話9
2ヶ月連載達成記念作品第一弾
「ワルま第2巻」
嬉し恥ずかし初めての同棲生活!
学園長を名乗る未確認生物との会合を終えて、僕はキティに案内されこの魔法学院都市内を歩いている。
勿論迷子になるからと手は繋いだままだ。
彼女の手は……
ひんやりして、サラサラでスベスベだ!
今なら手フェチの気持ちも分からんでもないな。
人目が無ければ、ペロペロしてしまいそうだ!
しかし学院長……
ヌラリー・ヒョーンと言ったか……
そもそも人間か?
人の範疇を外れてはいないだろうか……
しかも僕の魔法をかき消すなn「ワル先生?聞いてるか?」
「うん。聞いてるよ。
キティの説明は食べ物屋ばかりだね」
「なっ!
ちっ違うぞ。
此処がレストラン街だから……
ワル先生はお腹が空かないのか?」
「そうだね。
空いた……
キティのお勧めの店は有るかい?」
「うむ。
私のお勧めと言えば……
東方からの料理で肉マンという不思議なパンが有るぞ」
「パン?肉の?」
「そうだ!面白いだろう」
そう言ってキティは僕の手を引きながら走り出した。
「おいおい!
急に走り出したら危ないだろう」
彼女の短いスカートから覗く、病的なまでの白い生足は素晴らしい!
……その挿絵を見ながらワルドはローリング悶えた……
前回の衆人環視での失態を犯さない為にも、今回は本を読む場所を考えていた。
その場所とは、ブルドンネ街の安宿だが店主には金を握らせ、部屋にはロック・サイレント・ディテクトマジックを念入りにかけている。
そうそう外にこの痴態が漏れる事は無い。
やはりロリっ子は華奢でなくては!
そしてチッパイが理想的だ。
……ワルドは本に集中した……
「ワル先生!此処だ。
東方の言葉で屋台式中華屋と言うのだが、中々の物を出すんだ!」
「ほぅ!中華屋とは珍しいな」
「おぃ店主、肉マン6個くれ……
あっ誤解するなよワル先生。
私が2つでワル先生が4つだぞ」
キティは、自分が大食いだと勘違いされない様にと、頬を染めながら説明してきた。
「アイヤー!
キティのコレか?
サービスするアルヨ」
店主はまだ10代半ばと思われる褐色の少女。
親指を立てて、ニヒヒとからかう様な笑顔とキティの真っ赤に照れた顔が見開きの挿絵に……
……流石はツアイツ殿……
萌えのツボを抑えている。
18禁の直球の様な挿絵も素晴らしいが、対比的な美少女の表情を抑えたカットも溜まらん。
おっと鼻血が……
テッシュテッシュ。
しかし……
この店主は少し育ち過ぎだな。
褐色の肌に金髪も良いがもう少しこう……
控え目でささやかな乳の方が……
性格も少し好みから外れるが、これはこれで良いな。
ワルドは新ジャンル
「褐色の美少女」
属性を得た……
変態度が10上がった。
ロリコン度が8上がった。
理性が3下がった。
世間体が3下がった。
称号「髭の幼女愛好家」を得た!
……さて続きだ……
2人は公園のベンチに並んで座っている……
麗らかな日差しを浴びて美少女とランチ!
肉マンはキティに奢られてしまった。
「そうだ!飲み物を買ってこよう。
何が良いかな?」
「ん?飲み物か……
しかし、ここには変わった飲み物しか無いぞ」
「変わった?どんな?」
「そこの自動の販売機に有るだろ。
今日はハシバミ茶か……
どうする?」
「それにしようか……
それで、どうやって買うんだい?」
「ああ、そこのコイン投入口に……」
……自動の販売機……
つまりは無人販売所と言う訳か。
相変わらずツアイツ殿の発想は凄いな……
きっと商売でも政界でも成功すると言うのは、こんな発想が必要なのだろう。
コレだけの能力を持ちながら魔法戦闘の指導もして欲しいとは……
欲張りすぎですぞ。
……さて続きだ……
先ずは肉マンにカブりつく。
成る程、中に挽肉を味付けして、包み込む様に蒸したパンか……旨い!
一つ目を三口で食べてしまう。
じっと僕の様子を伺っていたキティが、下から覗き込むように顔を近づけて
「旨いだろ?」
ニコッと、笑顔で問いかけてきた。
くっ……
このチシャ猫の様な笑顔のアップは堪らないです、ツアイツ先生。
「そうだね。
最初は紳士淑女が手掴みで外で食べるなんて!
と、思ったがこれはこれで新鮮だし旨い」
「そうか」
と嬉しそうに言いながらキティも、足をブラブラさせながら両手で肉マンを持ち、一生懸命はむはむとパクついている。
……嗚呼、癒される……
この小動物の様な彼女をお持ち帰りしたい。
そう言えばツアイツ殿は、この少女にはモデルがいると言っていたな。
今度、紹介して欲しいのだが……
……さて続きを読むぞ……
二つ目を食べ終えて、喉が渇いたのでハシバミ茶を飲んでみた。
「独特の苦味が有るが後味は悪くない……
生でしか食べた事が無かったけどイケるね」
キティも二つ目を食べ終え、恐る恐ると言った感じでハシバミ茶に口を付ける。
「実は学院の飲み物は当り外れが有るので、ワル先生が飲むまで待ってたんだ」
ペロリと舌を出しながら白状するキティは、本当に小悪魔の様な魅力に溢れている。
そして視線が、僕の手の3つ目の肉マンを凝視する。
「食べる?」
何も言わず、僕の食べた部分をパクりと齧り
「エヘヘ」
と嬉しそうに微笑む笑顔g……
「ヒィヒィヒィ……」
本日何回目か分からない、ローリング悶えを敢行したワルドは呼吸が妖しくなっている……
5分ほど深呼吸をして、何とか平常心を取り戻す……
……さっさて続きだ……
「さて、そろそろ私の部屋に行くぞ……」
美少女の部屋に訪ねる……
この胸のトキメキとは、どう表現したら良いのだろうか?
またキティと手を繋ぎながら歩いていく……
結構な時間を歩いているがキティは疲れないのだろうか?
「キティ……疲れないかい?」
「ん?大丈夫だぞ」
そうは言っても貴族の令嬢が、そんなに体力が有る訳がない。
キティを持ち上げて左腕を胸の前に持っていき其処に座らせる。
「こっコラ……ワル先生」
安定が悪いのか僕の首に両手で抱え込むように抱きついたキティが文句を言う。
「はいはい、お姫様。
どちらに向かえば宜しいですか?」
「ん……もぅ、ではあの森の中に向かってくれ」
キティを抱っこしながら歩く事10分……
人気の無い森の一本道を進んで行く。
「本当にこんな山奥に部屋が有るのかい?」
「もう直ぐだよ……ほら見えてきた」
道の先に目をやるとログハウスが見えてきた……
結構大きい!
入口の扉の前でバッと飛び降りると
「いらっしゃいませ。
ワル先生」
とスカートの両端を掴み優雅に一礼してくれた。
「お招き有難う。リトルレディ」
此方も帽子を脱ぎ、胸の前に持っていき一礼する。
「さぁ入ってくれ。
なに私しか居ないから気を使わなくてよいぞ」
何気ない台詞の中から、極上のロリっ子と森の中の一軒屋で2人きりだと意識してしまった。
今夜は2人きりで、このログハウスで過ごすのか……
僕の理性は持つだろうか?
「ワル先生疲れたか?
先にお風呂に入ってくれ。
準備は出来ている」
「えっ?
いや僕は寝る前で平気だ……
キティこそ疲れただろ?」
「いや私は後で良い。
ワル先生に覗かれそうだから……」
言ってしまってから気付いたのだろう。
真っ赤になって俯いてしまった。
「いや僕は、絶対覗かないったら覗かない!」
「そうか……では先に入る」
心なしか残念そうな響きを残して、キティはバスルームに向かっていった。
こっこここここの先のバスルームで美少女がにゅにゅにゅ入浴を……
……バックショットで体を洗うキティの挿絵!……
ソレを見たワルドが鼻血を噴出し卒倒した!
ドクドクと鼻血を出しながら横たわり、ブツブツと何かを呟いているワルド……
危うい程に危険な状態……
彼の命の灯火は確実に少なくなっている。
しかし、ここには医者を読んでくれる人も居ない。
頑張れワルド!
立ち上がれワルド!
出血死まであと1.2リットルだ!