挿話10
2ヶ月連載達成記念作品第二弾
特別番外編
秘薬使いモンモン
モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ
金髪タテロールと言う昭和の時代的なヘアースタイルを持つ彼女は、良妻賢母の素養を持つお嬢様だ。
毎朝行っている豊胸体操の効果によりスペックが急上昇!
B80 W53 H79
のスリムボディが
B84 W53 H80
と、ご立派ボディに大変身!
因みにキュルケは
B94 W63 H95
豊胸体操を行ってないので変化は無し。
ルイズは
B76 W53 H75
のツルペタボディが
B84 W55 H78 となっている。
この数値を見てもドーピングをしていない、キュルケの飛び抜けたワガママなボディの凄さが分かる。
それとモンモンは、実はトップとアンダーの差だけを見ればルイズよりも大きいのだ。
ド・モンモランシ家は伯爵だ。
しかし近年の開拓事業が失敗し財政的に厳しい事が周知の事実であり、その美貌に比例した人気が有る訳では無い。
でも本人は国内の貴族にそう思われても、全く問題にして無かった。
むしろウザいのが集まってこなくて好都合とさえ思っている。
「ツアイツ、ルイズから聞いたわ!
スケスケのネグリジェが好きなんですって?」
この会話でも分かる様に、ゲルマニアからの留学生であるツアイツ・フォン・ハーナウを落とそうと奮戦中!
「そうだ!
キュルケも含めて3人でお揃いのネグリジェを買ってよ!」
「良いわね。
ツアイツ好みのデザインの衣装を置いてる店が有るのよ。
皆で行きましょう」
「いや。
嫁入り前の娘さん達が何を言っているのかな?」
「ヴァリエール家との緩衝街に、色々とゲルマニアからの商品が入ってきてるのよ」
「いや僕の話を聞いて……」
「でも距離が有るから日帰りは難しくない?」
「あっウチの竜籠を出すわよ。
なんとか日帰り可能よ」
「あの僕の……」
「「「では次の虚無の日に」」」
「あの……」
「「「良いわよね?」」」
「は……い」
ふふふっ!
やっぱり持つべき物は友達よね。
基本ツアイツは女性に弱いから、押せば余程の事以外は聞いてくれるわ。
この巨大な甲斐性はルイズとキュルケで分け分けするけど……
私は家族ぐるみでの付き合いが無いから二人に比べて立場が弱いの。
クスクスクス……
だから裏技を使うの。
私の特技の秘薬作り……
こまめに香水や水の秘薬を売って何とか調合に成功した、この惚れ薬!
見付かれば違法だけど、リスク以上のリターンが有るわ。
それに、どうせ初めてはあげてしまうのだから。
それが早まっても全く問題は無いし、第一夫人までは望んでないから良いでしょ!
でもツアイツにはリスク回避能力って、レアスキルを持ってるから問題なのよね……
どうしようかな?
確実に秘薬(惚れ薬)を口の中に入れる方法……か。
それと2人きりになる方法もね。
最悪2人きりになってさえすれば、口移しで強引に飲ませてしまえばいいわ。
……やはり単独夜這いしか無いわね。
思い立ったが何とかよ……
今夜決行するわ。
幸い進入手順は、前回の襲撃で慣れているから問題ないし…
では行ってきます!
SIDEツアイツ
最近、夜に内緒で飲み歩く頻度が多くなっている。
殆どがワルド殿と、その部下のグリフォン隊隊員達だ。
彼らは隊長に感化されたのか乳の話題で仲良くなった。
しかも大から小まで、好みは分かれている。
隊長に洗脳されチッパイ好きで統一されてなくて、ある意味良かった。
これが、皆さんロリッ子大好きチッパイラブなグリフォン隊とかになったら……
次男三男が多いからなぁ……
ワルド殿がウチに来る時に付いてきそうだ。
いやいや、幾ら何でも考え過ぎさ。
独りで行く時は、ほぼジェシカを貸切にして2人で飲むのが定番だ。
んーマンネリ化してるなぁ……
そうだ!
今夜は新しい店を開拓してみよう。
ちょうどジェシカが教えてくれた、お洒落な店が有るじゃないか。
では支度をして、いざ出発dコンコン「ツアイツ居る?」
「モンモランシー?
どうしたの?1人?」
「うん。ちょっと相談が……」
扉を開けると、きっちりと私服を着込んだモンモンが、不安そうな顔で立っていた。
「誰かに見られると不味いから早く中に入って」
取り敢えず部屋に入れる。
「どうしたの?
単独で来るなんて珍しいというか……あれ?
その服は初めて見たね。
似合ってるよ」
「有難う。
新調したのよ……どう?」
その場でクルッと廻って見せてくれる。
珍しく短か目なスカートがふわりと持ち上がり、下着がギリギリ見えそうな……
「こほん……
長くなる話?
良かったらこれから外に飲みに行かない?」
「今から?
ツアイツは良く飲みに出掛けるの?
1人で?」
「割とね……
外に飲み友達もいるからさ。
では行こう」
モンモンをお姫様抱っこし、フライで窓から飛び出す。
今夜はモンモンとデートだね!
王都トリスタニアの裏通りチクトンネ街を2人で歩く……
ジェシカに教えてもらった目的の店はm「ツアイツ殿ではないですか?」
振り向くとグリフォン隊の若手隊員達が……
ニヤニヤしながら立っていた。
「ああ……やはりツアイツ殿でした。
美しいレディを連れているので、間違えてしまったかと思いました」
「普段はむさい貴方達と飲むのが殆どですからね。
羨ましいでしょう?」
「我々は新しく出来た「風の集う里」と言う店に行くのですが、ご一緒しませんか?」
「ツアイツ……
このミスタ達は何方ですか?」
「おお……
レディすみません。
我々はグリフォン隊所属の魔法衛士隊員です」
「まぁ!
エリートでいらっしゃいますのね」
「「「どうです?レディもご一緒に」」」
「ちょうど我々もその店に行く予定でしたので……
モンモランシーも良い?」
「ツアイツ殿。
まさか彼女は、ド・モンモランシ伯爵家の?」
「うん。
伯爵令嬢が夜遊び……
内緒ですよ!
奢りますから」
SIDEモンモン
結局2人で飲む事は出来なかったが、ツアイツの知らない一面が見れた。
まさか学院以外のトリステイン貴族と、しかも魔法衛士隊隊員とこんなに仲が良いなんて……
終始ホストに徹して、私や他の隊員さんを楽しませる事ばかり……
大貴族の跡取り息子なのに変な人。
お酒を飲ませて隙を伺おうとも思ったけど、全然飲まないし駄目だった。
今も私を前に乗せて馬を走らせているけど、その手綱捌きに乱れがない。
酔って火照った頬に夜風が当って気持ち良い。
それにツアイツの体温を感じると安心するわ。
「ねぇ?
結局相談って何だったの?
ちゃんと聞けなかったけど……」
今も私を気遣ってくれる。
「もう解決しそうよ……
有難う」
私はツアイツの前で、横座りで馬に乗って両手を彼の首に廻して体を固定している。
だからこの体制なら、秘薬を口移しで飲ませるのも簡単だろう……
周りに人は居ないから、他の人に惚れる心配も無いし。
でっでは……
「何?
実家の件なら、夏休みにいった時に色々調べて力になるよ」
嗚呼……
彼に、こんなに大切にされているのに。
薬で操ろうなんて……
駄目な女ね。
「うん……ありがと。
でも何で?
こんなに良くしてくれるの?」
「ん?
だってもう身内でしょ?
普通だよ、そんな事は」
思い知らされた……
他の2人に嫉妬していたけど、彼はちゃんと私の事も見ていてくれた。
嬉しい……
そっと彼にキスをする……
軽く唇が触れる位に……
彼が、驚いた目で私を見るけど何か言われる前に
「少し眠るわ……」
と俯いてしまった。
身内に薬を使っちゃ駄目よね……
この時間がもっと続けばいいのに。
双子の月が私達を優しく照らしてくれている。
暫らくして彼が、馬を止めて息を飲むのを感じる……
疑問に思い、前をみる!
前方に赤色と桃色の鬼が立ち塞がっていた……
その少し後ろに包丁二刀流の黒化ソフィア!
駄目よ。刃物は……
更にその横に、全長30mのゴーレムが錬成されていく。
「ツアイツ?
こんな夜更けに2人で何処に行ってたのかしら?」
「抜け駆けね?
良いのよ。
弁解は聞かないから」
「ご主人様、お相手なら私達が居ますのに……」
「ツアイツ様。
私の妾の件は断ったのに……
その小娘が良いのですか?」
「「「「説明して下さい!」」」」
「モンモランシー逃げるぞ。
彼女達は、今は冷静に話を聞いてくれない」
彼と私の逃避行は、明け方まで続き二人は仲良く丸コゲとなり、保健室に直行した。
その後、没収された秘薬(惚れ薬)を廻り血みどろの戦いになるのだが……
今回は割愛する。
彼の気持ちが、分かっただけで大収穫よ。
今はこれ以上、なにも要らないわ。