地海月様からのリクエスト
なのはの技をクロノ達が見学します
リクエスト--てんさい【魔法使い】なのは--
燦々と太陽光が降り注ぐ中、小さな小島で3人の子供がいた。
1人は栗色の髪の少女、【魔法使い】高町なのは。
1人は金色の髪の少女、『魔導師』アリサ・バニングス。
1人は黒色の髪の少年、『時空管理局執務官』クロノ・ハラオウン。
「それじゃあ、いくよ!」
その言葉と共になのはは目の前を見る。
10メートルほど先には直径1メートルほどの鉄製の円形の的が3つほど並んでいる。
「えいっ」
ちょっとした掛け声とともに右手を振る、その瞬間地面から大量の黒い砂が舞い上がり的に殺到する。
砂が的に当たると耳障りな何かが削れる音が辺りに響き渡る。しばらくすると砂が地面へと落ちる。
——そこには的を支えていた棒だけが残っているが的は何処にも無かった。
「どうかな?」
なのはが振り返るとそこには遠い目をしている2人がいた。
「あれ?どうしたの2人とも」
「……ねえ、なのは今のは?」
「あ、今のはね砂鉄に【魔力】を込めて【電気】で操ってぶつけたの!」
アリサの質問になのはは笑顔で応える。
「……バリアジャケットやシールドに対してはどうなんだい?」
「砂鉄そのものに魔力を込めてあるから破れるよ!」
クロノの質問になのはは笑顔で応える。
アリサとクロノは互いに顔を見合わせ頷いて笑顔でなのはの方を向く。
「凄いじゃないなのは」
「ああ、すごいな君は」
「にゃはは、ありがとうなの」
「「だから」」
2人はなのはの肩を掴む。そして——
「「その技永久に禁止」」
「どういうことなの」
いきなりなのはの新技が永久使用禁止された。
「君は何を考えているんだ」
「え?新しい技の開発」
「あんた、馬鹿?」
「あれえ!?」
アリサの罵声になのはは思わず声を上げた。
「いやいやいや!なんだあれは!?どこから見ても質量兵器だろう!?」
「え?」
「え?じゃないでしょ!前にも言ったでしょう!!」
「うん」
「「うん!?」」
「他にもあるのに……」
「「他にも!?」」
なのはの発言に頭を抱えるアリサとクロノの2人。
「……と、とりあえず聞くけど他には何があるの?」
「じゃあ、見てて!」
なのはは1歩前に出て2つ目の的に向けて片手を向ける。
次の瞬間、「何か」が的を縦に真っ二つに切断した。
そしてそのまま——的が爆発した。
「「アホかああああああ!!」」
「にゃああああああ!?」
そしてアリサとクロノの怒号も爆発した。
「何でこれを見せた!?どう考えても却下だ却下!!」
「100万歩譲って斬れるのは良いとしても何で爆発するのよ!?何も残ってないじゃない!!」
アリサが指差す先には的どころか周囲ごと吹き飛んでいた。
「あれはね、プラズマを薄く円状にして投げたの」
「何で説明した」
「聞きたくなかったわ」
「ええー」
なのはが不満そうにしているのを見てアリサとクロノは『念話』を使う事無く意思を同じくした。
(絶対に彼女を事件に関わらせてはいけない)
何よりもなのはと戦うかもしれない相手の心配をしての事だった。
「……聞きたくもないけど最後のは何?」
「最後のは先生が褒めてくれたの!」
「その時点で僕には不安しかない」
「奇遇ね、私もよ」
そんな事を言っているとなのはが少し離れた位置に立ち、
——彼女の背中から3種類、6枚の羽根を出した。
「「待てえええええええええ!!!」」
「にゃ!?」
「もういい!!何するか理解した!!だから終了!!」
「あれなの!?あの時の惨劇を再現するつもりかあんたはああああ!!」
「大丈夫!あれから結構上達したんだよ!」
「「余計だめだああああああ!!」」
膨大な魔力が吹き荒れる中アリサとクロノが必死になのはを止める。
「はい終了!!さあ、片付けましょう!!」
「そうだな!それがいい!」
「え、でも折角準備したんだし……」
「頼む!土下座でも何でもするからやめてくれ!!」
「にゃあ!?なんでクロノさん土下座してるの!?」
「あたしもするから!!」
「アリサちゃん!?」
「「お願いだからやめてええええええ!!」」
「どういうことなのーーー!?」
クロノとアリサの必死の懇願により最後の技披露は阻止。
その後、クロノの報告を聞いたリンディ・ハラオウンはより一層なのはがこちらに関わるのを阻止する事を決心するのだった。