こんばんは、残暑に茹だりながら書いてます861です。
とりあえず原本とにらめっこしながら、書いてます。
それでは、どうぞ。
…………
「……先程は、すまなかったな」
「別に、構わないさ。あの手の騒ぎの調停は慣れっこだからな」
クラス代表決定戦の開催が確定した後、授業再開したのだが……、
「ある意味すげえよな、松原って。あれだけ騒いでた連中を二言三言で黙らせるんだからな」
『篠ノ之束』の名前(名字か寧ろ?)に反応した某女子+αによって、篠ノ之への集中砲火が発生、
それを私が宥めた形だ(主に女子側を)。
「慣れだよ慣れ。…それで、どうするのだ織斑? 」
すると、上級生と思われる生徒がこちらに来たので、私は黙る。
聞こえてくる話の内容から察するに、織斑に修練を付けてやろうという事らしいのだが……、
「……結構です」
「……む? 」
断りを入れたのは篠ノ之だった。
そして、当然訝しむ上級生に対して彼女は……、
「……問題有りません。私は、篠ノ之束の『妹』ですから」
……と。
その一言で諦めたのか、上級生はこちらに来た。
「大体の話は聞こえていたのでこっちに来るのは予想がついてましたが、……なんですか? 」
「あ……、隣だし、そりゃ聞こえるわよねぇ……」
「それで、用事は? ……あぁ、やっぱりいいです」
「……え?!」
「この時期に興味抱かれてもアレですから。
それに、私は我流稽古の方が性に合っているんですよ。
なんというか、一人で黙々と反復するのが性に合っているとでも言いましょうか……」
「あ、そう……」
「えぇ。すいませんね、態々」
そう言うと、残念そうにその場を去っていった。
「……さて、私は自力で鍛えるからいいとして。織斑、君はどうする? 」
「そうだな……、どうする
「全く……、しょうがないな。わ、私が稽古をつけてやろうか? 嫌なら別に良いのだが……」
箒……、良いのか? 」
「ああ。私は、お前の幼馴染みなのだからな。遠慮なく頼れ!」
自信有りげに胸を叩く篠ノ之。心なしか嬉しそうな……?
「話が纏まったところで、私はお先に失礼するよ。あとの話は、お二人で……」
そう言って席を立つ。
「あ、ああ。また後でな」
…………
以下省略で放課後。
ここで一つ問題が出てきた。
「(アリーナの使用許可、どうする……? 専用機無しでは時間が掛かるというし、どうしたものか……)」
一応私は《専用機》を持ってはいる。
だがしかし……、
「(……手続きが楽にはなるが、個人的には、まだ出したくはない。こういうのは、もっと大きなイベントの時に発表してこそ。
だが、そうなると手間が掛かる上、いつまで隠し通せるか……。)
うぅむ……」
「りせちー、どうかしたのー?」
「……ん? ああ、布仏か。どうかしたかね? 」
「さっきからりせちー、しかめっ面してたよー? どうかしたの? 」
「あぁ、ちょっとね」
「ふーん」
「……さて、アリーナの使用許可申請でもしてくるかな……」
隠してもバレるモノはバレる。
ならば、先に開示するも一つの手。
そのまま、私は教室を後にした。
………
特に理由もなく、足の向くまま気の向くまま敷地内を歩く(彷徨く?)。そうしていつの間にか剣道場の前に。
「……さて、これも何かの縁だ。久々に剣を執るのも悪くないな……」
そう独りごち私は、剣道場の中に入った。
…………
◇◆◇◆◇◆◇
「一体なんなんだ、その様は!!」
私、篠ノ之箒は、再開した幼馴染みが余りにも弱体化しているのに憤っていた。
「いやいや箒、そりゃないだろ……」
「一夏、お前は一体何をやっていた! 」
「何って、中学三年間ずっと帰宅部だ。皆勤賞だぞ皆勤賞! 」
「お前なぁ……」
「……ん? 箒、あれ……」
「なんだ一夏、今は私の話を……、」
「……それはいいから、あれ、あれ!」
仕方なく一夏の指差す方を見る。
するとそこにいたのは……、
「松原……? 」
剣道場の隅、丁度私の斜め後ろで、まるで極力目立たない様にするが如く、そこで彼女はひたすら竹刀を振っていた。
「……あぁ、さっきから何か風切り音がすると思っていたが……、そういう事か」
「お、止まったぞ」
「そうだな。……む、竹刀を下ろした? 」
「もう、帰んのかなアイツ? ……あれ、なんだあの袋……? 」
備品と思われる竹刀を壁に立て掛け、松原は壁際に置いてあった袋の中から……、
「……なぁ一夏、アレってどう見ても……」
「真剣、だよな……。まさか、な……」
袋から取り出し、鞘から抜いたのは刀身二尺半ほどの浅反りの日本刀。
彼女はそれを正眼に構え、今度はイメージトレーニングなのか、動きに変化がついてきた。
今までのただ只管正眼の構えで振っていたのが、明らかに何かと試合しているような動きになっていった。
それは暫く続き……、
「…………」
暫くして、彼女が刀を納めた。
そして……、
「ふむ。そんなに注目しないでくれないか。今のは、昔の経験を引きずり出していただけなんだ」
などと、今まで見られていたのをさも知っていたのかの如く言った。
◇◆◇◆◇◆◇
「……それで、お前は一体何と試合していたのだ? まぁ……、太刀筋から見て、長柄相手が三回、刀剣相手が三回、後は……何だか良くわからんのが二、三あったな」
「ほう……、今のでそこまで解るか。いやはや君には感心するなぁ……」
「お世辞はいい。で、お前は何と試合していたのだ? 」
「一言で言えば、『知り合いの強者達』だよ。
さて、それでは、失礼するよ」
そう言って、私は剣道場を後にした……。
…………
そんなこんなで一週間はあっという間に過ぎ去り、クラス代表決定戦の日と相成った。
どうでもいいが、篠ノ之と織斑は一度もアリーナに来なかった。
ただ単に、私と噛み合わぬ様に練習していただけなのかもしれないが……、な。
間違えた、『搗ち合わぬ』だった。
これは失礼。
To be continued…….
如何でしたか?
それにしても 、2012年はアホな天気ばかりです。
どか雪降るわ3月の終いでリアル雪の降る町状態になるわ、四月頭に台風並みの荒れ模様だわ……。
夏は全然雨降らんわ……、まぁ、愚痴ってどうなる訳無いんですが……。
それでは。