こんにちは、861です。
今回は初の戦闘回です。
上手く書けたかは不安ですが、どうぞ。
*今回、幾つかネタを仕込みました。
簡単なのから、指摘されても意味がワカラン物もありますが。
それでは、どうぞ。
*指摘により一部校正かけました!
『……あら、随分と時間が掛かりましたわね? 』
私が戦場に到着すると、先に来ていて、高い所にいたオルコットに声を掛けられた。
『仕方あるまい、淑女の仕度には何かと時間が掛かるものなのだからな』
『まぁ……、確かにそうですわね。……淑女?』
『ああ。言葉遣いから察するに卿は貴族、即ち公家の娘だろう? ついでに言えば、私は武家の出身だ。要はそういう事だよ』
『……そういえば、この国は700年間封建制武家政権でしたわね。ややこしいったらありませんわ、全く』
『全くもって同意だ』
『『……』』
『そういえば、卿のIS、【ブルー・ティアーズ】だったか? 』
『それがなにか? 』
『成層圏まで狙い撃てそうな見た目だなとか言われた事ないか? 』
『何を言っているのか、意味がわかりませんわ。
そんな事、ISなら普通にやれるでしょうに』
『いやいや、ストラトス違いなんだがな……』
『……いきなりストリートファイト仕掛けてくる自称覇王の方なら知ってますわ』
『そうか』
『そうですわ』
『『……』』
『……そろそろ始めるか』
『……ですわね。
あんまり長くお喋りしてると、観衆から野次飛ばされかねませんもの』
そうして、互いに得物を構える。彼女が構えるのは長大なS・ライフル。
私が構えるのは……、
『取り敢えず、基本的な装備から……っと』
『……遠距離射撃型の私に近接戦用ブレード一本で挑むなんて……、貴女、わたくしを馬鹿にしてますの? 』
手始めにブレード一振りを構えると、呆れたような、怒ってるような反応を見せるオルコット。
『それは無いな』
『なら……、』
『悪いが、これは唯の武装確認だ』
『まさか、まだ増えるというんですの……?! 』
『勿論。何なら今から見せるかい? 』
『結構ですわ。一方的に手の内晒されて戦うなんて、フェアじゃありませんもの』
『そう言うなら仕方ないな。
……さてと、いい加減に始めようか』
『えぇ』
そうして掛かる開始のアナウンス。
『さぁて、一差し参ろうか』
『踊りなさい、このわたくしと【ブルー・ティアーズ】の奏でる|円舞曲《ワルツ》で! 』
そう言うが早いか、初撃はオルコットからライフル一発。
『……ちいっ、悪いが精々、リアルな意味での「てつーのはーねー、まとったー」ぐらいしか私は知らないんでね!』
咄嗟に身体を捻り、レーザーを避ける。そして即座にブレードを仕舞い、両手に拳銃二丁を構え、適当に乱射する。
『この……っ、それはワルツ違いですわ!というか、貴女の今歌ったのは根本的にそれと全く関係の無いヤツですわよ!!』
『……有るんだよ、それが! 』
『はぁッ!? 一体どんな! 』
『曲と作品のテーマが、奇妙を通り越して、違和感を感じないのが最大の違和感であるかの様に噛み合うのだ! 』
結果的に、互いに攻撃を躱しながら怒鳴りあう形になった。
『それは、よくある事ですわ! 』
『さらに言えば、もう一つ! 』
『今度はなんですの! 』
『Mr.グリーンリバーだったか、彼が片方の主人公役であり、もう片方の主人公の兄役なのだよ! 』
『す・さ・ま・じ・く、どうでもいいですわ!!
あぁもう、行きなさい、ブルー・ティアーズ!! 』
そうオルコットが叫ぶと、両肩の斜め後ろに浮いていたV字の羽から、三角の物が跳んできた。
『……成る程、この三角なのがブルー・ティアーズという訳か』
『さ、三角……。
……オホン、まぁ良いですわ、ここからが本番でしてよ? 』
『……なんだ、今までは単なる準備運動だったのか。
ならばこちらも、ギアを一気に上げようかね! 』
『……まったく、随分な啖呵切りですわね。
その自信がどれ程のモノか、見せて貰いますわよ!! 』
『だ・が・断・る!そして、私は逃げる! 』
『……は? え、あ、ちょっと!? 』
顔はセシリアの方を向き、全速力で距離をとる。
『さぁて、鬼さんこちら、手の鳴る方へ♪』
『このっ、馬鹿にしてェ……っ!!
墜としなさい、ブルー・ティアーズ!!! 』
『おっと、これは流石に不味いか……』
『……一応言っておきますが、今更謝っても、遅いですわよ? 』
『……お、オルコット……、目が、ヤバいぞ』
『自業自得、ですわ!! 』
瀑布の様に降り注ぐ、オルコットの激情が乗り移ったかの様な苛烈極まる熱線の嵐。
近付くこともままならず私は只管躱す、ただただ躱す。
『えぇい、このままでは埒があかん、どうにもならんものか……!? 』
『涼しい顔でヒョイヒョイ躱しながら、よくもまぁ言いますわね!!
自信がなくなってきますわよ全く……』
『……さて、いい加減一太刀入れようか! 』
一旦止まり、ブレードを構える。
『そこ、隙だらけですわよ!! 』
それを好機と捉えたか、私の上下に浮遊していたビットからの一斉掃射。
そして、追い討ちとばかりのオルコットの狙撃。
『悪いが、隙だらけはそちらの方だ!! 』
ビットからレーザーが発射される瞬間、二重瞬時加速(デュアル・クィックブースト)を掛け、熱線の檻から摺り抜ける。
そのまま一気に肉迫し、白刃一閃。だが反射的に身を捩ったのか、左腰の銃状のサイドアーマーを斬り裂くに止まった。
『え?? ……キャアッ!? 』
『先ずは一太刀、続いてもう一つ! 』
『調子に乗らないで!! このぉッ、【インターセプター】っ!! 』
返す大刀を振るうも、オルコットが咄嗟に出した短剣と鍔迫り合いになり、そのまま斬り合いになる。
そして、十何合程刃を合わせた位で互いに距離を取る。
『……アレを躱した上に二大刀目を止められるとは、予想外だったよオルコット。
卿の様な射撃戦メインの御仁は、白兵戦が不得手だと思っていたのだが、考えを改めなければな……』
『お生憎さま、こんなのは見様見真似の付け焼き刃。自慢にもなりませんわ』
『……そうなん? 意外に謙虚やなぁ』
『えぇ。苦手だとはいえ、格闘戦の鍛錬を怠っていたツケが回ってきただけですから』
『そりゃ、しゃあないなぁ』
『それにしても、松原さん。貴女、本当に何者なんですの? 』
『は? うちはうちやろ? 言っとる意味がわからんわ』
『だからそういう意味では……、もういいですわ、これ以上言ってもはぐらかされるだけですもの』
『ならえぇわ。それで、セシリアはん? 』
『なんですの? というか、さっきから気になってたのですが……』
『なんや? 』
『それですわ。その……、』
『あぁ、なるほどなぁ。何聞こうとしとるか大体わかったわ。
ウチ、出身が京都やからこれが素の喋り方なんよ。なぁ、何か文句あるん? 』
『京都……、なるほど。所謂高校デビューという奴ですのね』
『うーん、まぁ、大体そんなとこや。そんで、聞きたかった事って何なん? 』
『そうでしたわ。貴女、先ほどわたくしの事を名前で呼びましたわよね。
一体どういう心境の変化ですの? 』
『あぁ、簡単な話や。ウチは相手を名前で呼ぶのは、どうでもよくない相手だけなんよ。つまり、ウチはあんさんを好敵手として認めた訳なんや』
『それは光栄ですわね』
『さて……、今のウチは頗る機嫌がえぇ。正直言って、強者との全力での競い合いが愉しくて堪らんのよ。今、大きい野望も出来たしな』
『……それで、どのような野望ですの? 』
『セシリアはん、その前にちと確かめさせてくれや……、ブリュンヒルデの称号もろうたんは、織斑センセ以降で誰かいたんか? 』
『いるにはいたと思いますが……、それがどうかしたんですの? 』
『あぁ、いたんか……。とは言うても当代のは所詮、織斑センセが辞退したヤツのお流れやろ?
なら、ウチが玉座簒奪しても、誰も咎められへん訳やろなぁ……? 』
『えぇ……、そうなりますわね』
『……ならウチが、ISで天下ごっそり掠め盗ったるわ、別にえぇやろ、別に! 』
すると一気にざわめき出す観客達。
『貴女、大きく出ましたわね。
ISで天下人……、尋常じゃない道程になりますわよ? 』
『それがなんや?
ウチはな、山が高く聳え立っとる程、闘志が漲る質なんや』
『全く……、お淑やかなのは外見だけ、中身はとんだ孫悟空ですわね』
『ありがとな。最高の誉め言葉やわ』
『それで、互いのS・エネルギーも後僅か、そろそろ決着着けませんこと? 』
『ちょい待ち、〈織斑センセ、今何分や? 〉』
『〈……そうだな、丁度7分経過した所だ。
ついでに言えば、第一次移行完了まで、残り18分程だな〉』
『〈わかりました。織斑センセ、ありがとな〉
……今、七分経過やと』
『意外でしたわね、まだそんな程度だなんて』
『……あ、そういえば、まだ切り札切ってなかったな。
今、見せたるわ』
そう言って取り出したのは、柄から刃まで真っ黒な戦斧。
『……ちょっとお待ちになって、まさか、それは……』
〈Exactly.nice to meet you too,Miss' Alcott.〉
『……そのまさかや』
…To be continued…….
如何でしたか?
纏めるとかなり長くなるので、ここで切ります。
さて、何か出してほしい武器(ISとは関係無い)ありますか?
あれば、武器名と作品をば。
それでは。