しばらくぶりになりました、861です。
今回は生徒会メンバー初登場回になりました、それではどうぞ。
クロスの許可については、アメフラシ氏から一括で許可を頂いておりますので。
それから数週間過ぎ、五月に入り、いよいよクラス対抗戦を次週に控えたころの事である。 その頃になればもう、一夏やガルシアへの質問攻撃やら視線包囲網なんやらは少しは収まって来た。・・・とは言え、学園内の話題の対象には相変わらずであるが。
・・・閑話休題、今日も今日とて一夏'Sとは別のアリーナにて特訓中のガルシアではあるが、ふと何かを思い出したのか、自機の展開を解除してから携帯電話(某Jにより魔改造済み)を取り出した。
『おーい、もしもし、こちらガルシア、そちらはSenior'ZORO? 』
『もしもしこちら稲荷。何か用かガルシア? それ以前に、なんだその、頭に怪傑とか怪盗が付きそうなカッコいい呼び方は? 』
『何をカッコいいって思ったかはともかく、ちょっと用事があるんだが』
『なんだ? 』
『いやその、翠屋っていったか? Senorita'高町の実家の』
『おう、それが? 』
『なんと言うか、実はだな・・・、』
とりあえず電話越しに要件を説明するガルシア。
『・・・はー、把握はした。ま、普通なら
「出来る訳がないじゃないですか、ファンタジーやメルヘンじゃあるまいし」
とでも言われるだろな、常識的に考えて』
『だが、あんたらには出来る』
『もちろん。稲荷の再現力は世界一ィィィィィィッ!! 』
『耳元で叫ぶな。で、こっちに来て来れないか? 』
『その必要はねぇだろ』
『は?』
『逆に考えるんだ、こっちが引っ張ってくりゃいいんだと。 で、何故にスカさんが来とんのよ? まだDメール送ってねぇだろ』
『は? Dr'J来てるのか? 』
『なんだ、私は翼の機動兵器でも造るのかね』
唐突に割り込むスカえもん。
『・・・出来そうだな。 で、引っ張ってくりゃいいってなんだ? 』
『こういう事だよ。・・・ガルシア、こっちに来ーい』
『は? ・・・なん、だと・・・!? 』
『オサレ乙』
そのままガルシアはわけのわからない力(稲荷種)により、遠隔拉致された。
それから数分後、ガルシアは無事に帰校した。
但し・・・、
「どうして付いてきたんですかドクターJ」
「何か問題でもあったかね? 」
「・・・特には。ただ、外来者の手続きがある意味事後承諾になったとか、ぐらいですね」
・・・翠屋へと到着し、用事を済ませたのはいいのだが、その時の格好がまんまIS学園の制服だった為、微妙に面倒な事になったのである。
「その制服で現れたときの稲荷くんの驚きっぷりは、顔文字で表せば まさしく
「・・・わざわざ画面に打たなくても。 ところで、これから俺は生徒会室に行くんですが、Dr'は? ・・・やっぱり付いてきて下さい」
Dr'Jに問うも、嫌な予感がしたのか、即質問を撤回するガルシア。
「なんだねガルシアくん、私はそこまで
やや心外そうなDr'J。
「なら良いんですが、何かされたら申請した俺の責任になるんで、重ね重ねお願いします」
そのまますたすたと校舎の方へ歩き始めるガルシアと、それを追いかけるDr'Jであった。
・・・因みに、
1、IS学園に帰校。
2、Dr'Jの(無許可でIS学園に来た事になると面倒な為)外来手続き。その後にDr'J来校。
3、Dr'Jが折角IS学園に来たのだからと、とりあえずアリーナへ(あまり目立つとアレな為、第6アリーナ)。ついでにISを診てもらうガルシア。
4、第6アリーナから出て、校舎の方へ歩きながら話す二人。←今ここ。
・・・このような流れである。
「・・・さてと、生徒会室ですが。待っててくれますか」
「構わないよ、ガルシアくん」
「ならいいんですが」
とりあえずノックをしてから中に入るガルシア。
「お~、ガルルンだ~」
「ガルルン・・・。 それはそれとして、
出迎えたのは布仏本音、と・・・。
「ただいま。あら、ガルシア君」
「おかえりなさい、会長」
そのタイミングで生徒会室に入って来た更識会長。
「入れ違いでしたか。 それで、用件ですが、この間の礼というやつですよ」
そう言って右手に持っていた長四角の紙箱(よくあるアレ)を見せるガルシア。
「あら、見た目通り真面目なのね」
「それはどうも」
「会長? 彼は確か・・・」
「そう。彼がこの間言ったガルシア・バルバロッサ君。 二人目のISを動かせる男子よ」
「・・・厳密には、俺は二番目なんですが、ね」
「「「二番目? 」」」
ついうっかり口を滑らせたガルシアに対し、まさに異口同音な更識会長・布仏本音・それともう一人。
「(まあいいか。どうせバレるし)当人が目立つの苦手な所為で、基本偵察やら先鋒の露払いやらの裏方仕事やってるそうですが。それはともかく、自己紹介まだな二人がいますけど? 」
更識会長に確認をとるガルシア。
「そういえばそうね。まず、そっちの『お堅いけど優秀』なかんじの娘が・・・」
「布仏虚です。それで、こっちは妹の本音」
「改めて、よろしくー」
「こちらこそよろしく」
自己紹介に応答するガルシア。・・・何故かは不明だが、頭の中に某『うにゅ?』が浮かんできた。
「・・・? 」
「なんでもありません」
すると、
「・・・ガルシア君、念のため言っておくが、私とてあまり長居はするつもりはないのだがね。まぁ、それとは別に、そもそも君は、いつまでもいるつもりは無かったのだろう? 」
と、ドアの向こうから声を掛けるDr'J。
「ガルシア君、今のは? 」
「そうですね布仏先輩。Dr'、入って来てもいいですよ」
「そうかい。それじゃ、失礼するよ」
そうして、生徒会室に入って来たDr'J。
「紹介します、俺の知人の」
「ジェイル・スカリエッティだ、よろしく頼むよ諸君。・・・なんだい、私の何が気になるのかね? 」
「なんというか、その・・・」
「安心したまえ、私は怪しい者ではないよ。・・・あ、それとだね楯無君」
「な、なんでしょうか」
ぐいんと話を急に振られ、反射的に敬語になった楯無会長。
「なぜ敬語になったのかはともかく、
「え、ええ、そうですけど」
「今日は時間的に無理だろうが、いつか、見せてくれないかね? 」
「・・・それは、ご遠慮していただきたいわねぇ」
「・・・なら、仕方あるまい」
「・・・やけに素直ですねDr.J。それに、何やら言いたそうな顔ですね更識会長。一切合切NOなのであしからず」
「つれないわねぇ、ガルシア君。私、何かした? あ、座ってもいいわよ? 」
楯無会長にそう言われ、座りながら考え込むガルシア。
「・・・いえ、ただ単に、手玉にとられるというのが癪なだけです。相手が“年下”、ならなおさら」
「失礼かもしれませんが、バルバロッサ君は、年、幾つなんですか?」
年下を強調したため、案の定聞いてくる布仏先輩。
「ガルシアで構いませんよ、布仏先輩。ちなみに年齢は18ですね。とは言っても、次の誕生日は来週、クラス対抗戦の当日なんですが。因みに、ご存知でしょうけど俺、クラス代表なんですよ。そういう訳でして、更識会長にお手を煩わす訳には」
「・・・あー、それなら、仕方、ないわよね。
・・・まあいいわ、ガルシア君がせっかく持って来たんだから、食べましょうか」
ガルシアの何やら含みを持たせたような言い方に、含みを持たせた返しをした更識会長と、何か考えている風なDr.J。・・・なんだかんだ会話はしているが、テーブルの上には、丁度更識会長が話を切り替えたタイミングで布仏先輩が淹れた紅茶と、ガルシアの持って来たケーキ×5。この数になった理由? 偶々である。
「ショートケーキ ’Sの内訳は苺に生クリームにチョコレート、チーズケーキにモンブラン。さ、好きなのをどうぞ。・・・お、これは美味い。」
選択肢を生徒会メンバーに譲ってから紅茶を一口飲むガルシア。
「ふむ・・・、なかなかのお手前ではないか、虚くん 」
「は、はあ、お粗末様でした」
「でしょう? 虚ちゃんの紅茶は世界一よ」
「ええ。それはそれとして、この3人だけ、なんですか? 」
「そうだけど、それが? 」
「いやその、チョイスの基準は一体? 」
「・・・さて、他はともかく、ここIS学園において、【生徒会長】という肩書きは、ある一つの事実を証明しているの」
ガルシアの質問に答えるかのように何やら解説しだす更識会長。
「・・・」
口を噤み、フォークを持つ手を止め、完全聞く体勢のガルシア。
「生徒会長、即ち全ての生徒の長たる存在は———」
「存在は? 」
「最強であれ、・・・とね」
「ほう、生徒会長たるならば常に最強たれ、ではなく、常に最強故に生徒会長である・・・、か」
「あら、上手く纏めてくれましたね、Dr.スカリエッティ
「おー、うまうま♪ 」
「ガルシア君、これはどこのお店のなんですか? 」
「・・・喫茶【翠屋】。場所は“ちょっと”遠いですが、味は格別です、はい。 それで更識会長、質問の答えは? 」
「・・・なるほど、“ちょっと”、か」
含み笑いなDr.J。
「あぁそうね、生徒会長は最強でないといけないけど、他のメンバーは定員まで好きに入れていいのよ。だから、私は幼なじみの二人をね」
「そうでしたか。・・・因みに、空いてる席は? 」
何気なしに聞くガルシア。
「私が会計で、」
「私が書記ー」
先に答えたのが虚先輩で、後に答えたのは本音である。
そんな感じで大体一時間は生徒会室にいたガルシア達(ガルシアとDr.J)であった。
その後、生徒会室を退室した二人は、入校許可証を返してから正面ゲートへ。
「それじゃ、私はここで失礼するよガルシア君」
「ええ、また必要になったら呼びますので」
「そうかね。いやー、今日は貴重な体験をした」
「そうですか。・・・どこから跳ぶんですか? 」
「適当な路地裏でも探すさ、それではごきげんよう」
そうしてDr.Jはゲートの向こうへ、ガルシアは道を引き返したのであった。
to be continued・・・.
いかがでしたか? 聞かれてもないのに勝手に語りますが、仕事の都合と、携帯が壊れた事が重なり、かなりの時間が掛かる次第となりました。
あと、ガッツ様へ、その、【シエル】とやらは、どのようにして違和感なく混じりこんだのですか? なにぶん、月姫は全く知らないもので。
それでは。