しばらくぶりでした、861です。
今回はBパート、ようやく色々なケジメがつきます。
それでは、どうぞ。
第九話【
・・・教会内へ突入。今の所特にエンカウントはなし、かと思いきや。
「やあやあ、クソ悪魔の皆さん、久しぶりの再開だねぇ、感動的だねぇ」
「・・・立ちふさがるのがアンタかキチガイ神父。全くアレだ、悪い合縁奇縁だ」
「全くですよ、雑に言やぁアンタらのせいで、連勝記録ストップしたんだからな・・・、こちとら落とし前つけてもらわねぇとならんのですよ!」
端から臨戦態勢なキチガイ神父こと、フリード某。そんな事よりも問わねばならん事が。
「なぁフリード某。堕天使の連中の、今回の案件の首魁以外どこ行きやがった? その内のハットにコートのオッサンに用があるんだが」
「あらぁ、何で俺サマが言わなきゃなんねんですかぁ? 」
相変わらずの他人を虚仮にしたような言い回し。
「・・・まぁいいか、会話する時間が勿体ない」
「そんな事よりも! アーシアはどこだイカレ神父! 」
しびれを切らした兵藤。
「んー、そこの祭壇の下に地下祭儀場への隠し階段がございますぞ」
「や、やけに素直じゃないか・・・」
怪訝そうな兵藤。
「あー? キミタチはどうせココで死んでもらいますんで~」
余裕綽々なイカレ神父。
「そのついでにもう一回聞くが、堕天使のオッサンはどこだ? 」
「あーん? まぁいいや、教える義理はこれっぽっちも無ぇけど一応教えてやらぁ。アンタの言う首魁? の堕天使の姐さんはこの下。他の3人は外回り。これでオーケーっすかー? 」
「OKだ。という訳で、アンタには個人的には何も恨みは無いが、リベンジの踏み台になりやがれ! 」
俺の台詞に呼応し、先制攻撃とばかりにベンチをぶん投げる塔城。それを完璧なタイミングで真っ二つに両断するフリード某。でもって、投げ飛ばしたベンチの陰から飛び出してフリード某に斬りかかる木場。
「・・・良い連携だ。手慣れたモノだ、・・・な! 」
最近やったゲームの魔法の真似で、セイクリッド・ギア側の指先から魔力を矢の様に撃つも、フリードの野郎の銃弾で逸らされた。
「うわーお。なんて威力ざんしょ。コイツはお返しだ! 」
反撃とばかりにやたらめったら撃ってくるフリード某。だが・・・、
「・・・ん? 」
「ありゃ、効果は今ひとつですかー? 」
まともに当たったというにも関わらず、まるでダメージになっていない。
「・・・あうっ」
それは、木場をガードするように割り込んだ、同じように
「チィっ、チビ助のくせに馬鹿力だと思いきや、この固さ。アレか、
「・・・チビ助」
その台詞が地雷を踏んだのか、さっきよりも激しいペースで長椅子をブン投げまくる塔城。それを千本ノックのノリで斬って斬って斬りまくるフリード神父。それでもって忘れるなとばかりに、投げた長椅子の陰から斬りかかりフリード神父と斬り合いになる木場。
「やるね君、かなり強いよ」
「アンタもやるねぇ、アレか、
「そうかい、それじゃあ、僕も少しは本気を出さないとね。・・・喰らえ」
「なっ、何しやがった!? 」
脈絡もなく、フリード神父の某光の剣もどきの刃が掻き消えた。
「
「クソっ! テメェも神器使いか! 」
そうして、ガチャガチャ光の剣もどきを弄っているフリード神父に、
「・・・なんだったんだあれは」
「さぁ・・・。ともかく、急ぎましょう」
「・・・そうだ。木場、さっきのホーリー・イレイザー、一本作ってくれないか」
「え、えぇ、構いませんけど」
そうして木場からホーリー・イレイザーを一本貰う。
「さて、お前等は下、俺は外。後でな」
「はい、高島先輩! それでは後で」
・・・そうして、俺は教会の外へ、三人は塔城がふっ飛ばした教壇の下の階段から地下へ降りていった・・・。
Interlude Side:F,
「・・・クソっ、クソっ、クソっ、あーもうクソったれ!」
・・・一方、こちらは脱兎の如く教会から絶賛逃げ出し中のフリード・セルゼン。
「アイツら、今度会ったら絶てーぶち殺す、ヤラれっぱなしで逃げ恥さらすんは俺サマ、フリード・セルゼンの流儀じゃねー!」
そんなノリで廃教会からダッシュで遠ざかるフリード神父。その上、振り返って教会の方を見ながら某堕天使の姐さんに殺られちまえなどと宣う始末。 ・・・さて、ここで登場、想定外な第三者。
「・・・あら、何やら叫んでたようですが? 」
「・・・あーん? おたくどちら様? 」
ふらりとやって来たのは黒メインの洋装をした、薄い水色の髪を額出しのセミロングにした妖艶さと儚さW盛美女。・・・敢えて例えるなら、【髪を水色に染めた妖艶増しマシ性転換な某ウェイバー君】的な感じである。
「私が誰か、ですか? 強いて名乗る程の者ではありませんわ」
「あ、そう。・・・じゃあ、こんな時間に出歩いてるとか何なのオタク? 一般人はフツー用も無えのにこんな時間にこんなトコまで来やしませんぜ全く」
「・・・まあ、確かに私は普通の者ではありませんが。これからあの廃教会に向かおうとしていたところですわ。・・・誰もいないのを良いことに屯してバカ騒ぎをしている輩がいると聞きましたので」
「あー、そうですかそうですかそうですか、・・・俺サマもその、屯してバカ騒ぎをしている輩の1人だとしたらどうします・・・、か!! ・・・おぉやぁ、こっちとしては完全に不意打ちだったんですがねぇ」
「・・・どうするもなにも、叱るか叩き出すか黙らせるに決まっているじゃないですか」
脈絡もなく祓魔銃の引き金を脳天狙いで引くフリード神父。それを軽く首を傾けてた上に、何にも無いところから透明な刃物一振りを取り出して祓魔弾をガードした正体不明(?)の美女。それでもって彼女の背中からは4対の黒い翼が。流石にフリード神父もこいつぁやべーと今更ながら感じたようで。
「・・・えぇっと、オタク、ホントにどちら様でしょうか。・・・うげぇっ!? やべー、こいつぁマジでやべー!!」
「・・・ふふ、言いましたよね? 普通の者ではない、と。さて、どうされますか? 貴方如きの実力で、私に勝てるとは思いませんが、大人しく尻尾巻いて逃げるなら無理に追いませんよ? 」
「う、もしかしなても俺サマ大ピーンチ! 三十六計逃げるに如かず、全力撤退ー!! 」
・・・そうして、フリード神父は全力撤退したのであった。
「・・・あらあら。さて、懲らしめにいきますか」
・・・SIDE,OUT.
・・・所変わって、廃教会の裏手の森の中の道のようになった場所。
「・・・そういや、アンタの名前聞いてなかったな。仇の名前も知らんなんて変な話だから、今聞いといてやる」
「・・・フ、確かに、止めの差し際まで互いに相手の名を知らんというのも奇妙な話だな。・・・我が名はドーナシーク、この名、覚えておけ」
「そうか、ドーナシークか。俺は高島奏司。コレがアンタへ敵討ちをする者の名だ。別に、覚えておかんでもいいが、な」
2人が立っているのは道を挟んで反対側。互いに樹にもたれかかるようにして立っている。・・・とはいえ、双方五体満足という訳でもなく、何の因果かほぼ手詰まりの相討ちという始末。かたや捲った制服の袖の肘から下の中身が相手によって切り落とされ、もう一方の腹にはついさっき木場悠斗から奏司が借りた
「・・・ううむ、惜しい、実に惜しい」
「言ってろ勝手に。・・・しかしまあ、互いにアレだな。満身創痍ってヤツだな」
「そう言っておきながら随分とお互いに口が回るではないか」
「仕方ないだろ、男はやせ我慢だ。・・・とは言っても、負けたくねえんだよなぁ、実際。参ったなあ、どうするかな」
そんな事をしみじみと呟きながら傷口をセイクリッドギアで止血する奏司。
「・・・先程も言っていたな、仇討ちも出来ずして何が男か、と。そうして、それがこのざま、か」
顔をしかませながらも、皮肉を返すドーナシーク。
「・・・ここで俺が死んだらどれだけ哀しむかな。まずは両親だろ? それに妹の陽香だってそうだ。・・・それに、クロナにアリシア、この二人は後追いしかねん」
・・・奏司の頭によぎるのは、両親や妹の顔、そして現在進行形で付き合っている、2人の少女。同居している【クロナ・エヴァンジール】と、遠距離恋愛の体になっている【アリシア・デュルフェ】。
「・・・なんの話だ、いわゆる走馬灯というヤツか、それは? 」
唐突な奏司の指折りながらの発言に、訝しむドーナシーク。
「更にはクラスメートの連中だろ、弓道部の顧問やら部員やら。あとアレだ。リアス・グレモリー部長も哀しむな。なんてったって俺の
「・・・それで、貴様は一体何が言いたいのだ? 」
「まだいるぞ。鍛冶師の
実際には他にもまだまだいるのだが、そこまで言うと、指折り数えるのを一旦止める奏司。
「・・・なんだね」
「ところで、この案件? 事件? まあ、どっちでもいいんだが、お前ら側の目的がまるでわからないまま巻き込まれた形になるんだよ、俺は。実際の所、その辺どうなんだ? 」
「・・・ふむ、知ってどうするというのだ? 」
「・・・いや、知る権利ぐらいあるだろ、いくらなんでも。知ってどうするのかはその後だ。実際、関係あるかないかと言われれば、あると言えばある、無いと言えば無いんだがな」
「ならば、」
「それでも、だ」
・・・そう言うと、いい加減に鬱陶しくなったのか、億劫そうに今回の案件に対して説明し始めるドーナシーク。・・・内容は別の所で誰かが言った内容とだいたい同じである。
「・・・これで充分か? 」
「だいたいわかった。なんというか、身勝手な話だな。決めた、おしゃべりはここまでだ。さっさとお前を倒し・・・、おっと」
話を聞いて義侠心に駆られ、立ち上がろうとするもフラつく奏司と、そのザマを見て、呆れた風なドーナシーク。
「全く・・・、アレだけ息巻いておいてそのざまか」
「放っとけ貧血だ、うるせえ。あーくそ、何とかしてーなー、畜生! 」
色々と感情がアレしたのか、昔の多少やんちゃだった頃の口調になった奏司。それがきっかけになったのか、奏司の前腕部にあったセイクリッド・ギアが光を放ち・・・、
「・・・なに!? それが貴様のセイクリッド・ギアの真の姿か」
「・・・らしい。いや驚いた、びっくりだ」
・・・奏司の右腕に現れたのは、前腕部から指先まで覆う金色のガントレット。ただし、手の甲の部分には、東洋龍の頭状のパーツが。
『・・・おーおう、やっと、やあっと出られたわい。はて、何時振りの娑婆かのう』
・・・驚くのは更に更に、眼の部分が光ながら、そのセイクリッド・ギアが言葉を発し始めたのだ。
「・・・なんだアンタは一体? とりあえずはじめましてか? 」
『おーおう、礼儀正しい
「じゃあ、九に龍で
誰しも聞かずにはいられない事を聞く奏司。
『儂の能力か。どれ、掌を傷口の際に充ててみぃ。・・・【再癒】!』
言われたまま、奏司が掌を傷口の真上に翳し、黄龍が叫ぶと見る見るうちに片腕が再生したのである。
「・・・ただ傷を治すだけに留まらず、喪失した箇所を再び生やすとはなんという力だ!? 巻き戻しか再生か・・・、或いは事象の破却か。何れにせよ、黙って見過ごしてはおれまい。そのセイクリッド・ギア、貰い受ける! 」
何だか良くわからないうちに、気合いを入れ直し、満身創痍に鞭打ち立ち上がるドーナシーク。
『あー止めとけい。もうお主には無理じゃろ』
「・・・倒れる前に言っておくがなドーナシーク。こっちは恨み清算したんだ、逆に俺を祟るなよ、面倒だからな」
「・・・フ、そういう台詞は、止めを差してから言うものだぞ少年」
「気づいてないのか? 致死量超えて失血してんのを」
「・・・そのようだ、な」
またどさりと倒れ込んで、そのまま動かなくなった。
「・・・じゃあなドーナシーク。悪いがアンタには感謝してんだ、世界が広がるきっかけを与えてくれてな」
そう言うと、ドーナシークに右手で合掌してから帽子と黒い羽根一枚を拾う奏司。
『さて・・・、これからどうするね』
「そりゃまあ、部長と姫島のトコに戻るだろ。それはともかく」
『なんじゃ』
「このセイクリッド・ギア、なんて名前なんだ? 」
『我が名は黄龍、色は金色、眼は金剛石、能力は気の加速による再生。さしずめ、
「・・・ギアーズ・アクセラレーター」
噛み締めるように呟く奏司。そうして、リアス部長と姫島の元に戻るのであった・・・。
「・・・あらあら、この期に及んでそんな戯れ言が通るとお思いですか? 」
「「「・・・!? 」」」
・・・さて、こちらは廃教会の地下祭儀場。場面としては、兵藤一誠がアーシア・アルジェントの死にブチぎれて、その怒りを引き金に彼の
「・・・とりあえず、貴女は敵なのかしら」
「まさか。私はあくまで第三者ですわ。・・・それにしても、その髪で昔を思い出したわ。本当に懐かしいわね、紅髪の
昔を懐かしむような態度をとった後、一瞬、姫島の方に視線を送った謎の美女。
「・・・なんすかそのおっかない二つ名」
「部長の二つ名だよ」
・・・と、ついでに由来を説明する木場。
「それで、貴女はあくまで第三者だというなら一体、何のご用かしら、・・・堕天使さん? 」
その出自故一発で件の女性の正体を見抜き、臨戦態勢をとる姫島。
「強いて言うならケジメ、ですわ。私の部下ではないとはいえそちらに迷惑をかけたようですので。・・・そういう訳で、名も知らぬ堕天使さん、貴女はここで終わりなさい」
それをまさかの堕天使側から言われ、先程以上に狼狽しだすレイナーレ。
「・・・・・・部長、お願いします」
「・・・なんなら私が、やりましょうか」
「・・・結構よ。貴女風に言えば、 コレは私のケジメ」
・・・そうして、堕天使レイナーレは兵藤一誠の実質的な死刑宣告の後、リアスの滅びの魔力の直撃にて骨すら残さず消滅したのであった・・・。
「・・・部長、みんな、俺とアーシアの為に本当にありがとうございました。で、でもせっかく協力してくれたけど・・・」
その言葉を遮るようにしてポケットの中から何やら取り出すリアス部長。曰く、
リアス部長曰く、
「・・・それで、生暖かい目でこっちをずっと見ていた貴女はこれからどうするのかしら」
「とりあえず、見たままを報告させて頂きますわ。・・・それにしても、こうして会うのは何時振りだったかしら、
『・・・さあてな。何せ、こうなってからもかなり長いんでな、こちとら恨まれた人数が多すぎて、アンタといつ関わりがあったんだかサッパリだ』
あからさまに態度が変わった堕天使を警戒して、兵藤の前に立つ部長と、若干とぼけた風でいきなり喋り出した赤龍帝ドライグ。
「・・・・・・そう。私としては別に、未だに恨みを引き摺っているつもりではなかったのですが。 それではごきげんよう、リアス・グレモリーとその眷族の皆さん」
それだけ言うと、片足一踏みで形成した魔法陣で転移していった。
「・・・何だったんだいったい」
「・・・・・・余りにも遅いから来てみたら、解決した、でいいのかしら」
「そんな感じだ」
・・・そうして、全員で廃教会から引き上げるのであった。
・・・To Be continued・・・.
如何でしたか? 因みに、今回の話はそれほど難産だったという訳ではなく、ハイスクールD×Dのソシャゲなら何やらやっていて頭が回らずという・・・。
それではごきげんよう、皆様良いお年を!