総合評価5000突破
累計PV160万突破
ユニークアクセス16万突破
拙作に過剰とも言える評価を頂き有難うございます。
期待に添えられるよう頑張りたいと思います。
26話
「……うわ、もうネットで話題になってるぞ。どんだけでかいネタにするつもりだ」
学園から帰って直ぐ、HPの更新をしてネットをチェック。
……その中に、特有の単語を幾つか散見した。
とあるマンモス学園での夢のような学習法を全国の学校に紹介するスレ。
……まぁ、タイトルからしてあれかなぁと思って見てたんだが。どうも学内に情報提供を行っている奴がチラホラ居る理由。
今まで、麻帆良に関するネタスレは立ち上がってもあっと言う間に消えてしまうのが殆どなのに、今回は随分長生きしている。
……十中八九何処かの企業が煽ってるんだろうが。
図書館島の件で朱雀がメディアさんに何があったか報告したらしいけど……即座に本当かどうか確認の電話があったからな。
かなり怒っていた、椎名が避難してたから良かったものの巻き込まれてたら……それこそ、あのゲームに参加させられていたらと思うと……考えたくねぇな。
一応正直に答えておいたらGF使って麻帆良叩きを始める事にしたらしい。
ネットでの情報の拡散もその一環なんだろうが。
ちらほらと出てくるキーワードがなかなか危険だ。
130 名前 麻の住人 ××/△△/○○ ID:xxxxxxx
あそこの中等部のクラス分けは容姿レベル順
A組とK組は並んじゃらめぇっ学力同じでも、これからの人生で勝ち負け決まってるんだからぁっ つ「鏡」
131 名前 一般人 ××/△△/○○ ID:xxxxxxx
つか、英単語野球拳ってマジ?
発売日決まったら速報ヨロ
ANAZOMで予約希望
132 名前 逸般人 ××/△△/○○ ID:xxxxxxx
下で売ってるあるよ。
http://XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXxx
131 名前 一般人 ××/△△/○○ ID:xxxxxxx
おまっ、何ちうたん家に勝手にリンク
おおっ、今日は久方ぶりの更新が。ビブリオンktkr
133 名前 逸般人 ××/△△/○○ ID:xxxxxxx
つか、そのクラスの担任頭子供、子供でも先生になれる素敵な学園魔帆良GJ
134 名前 逸般人 ××/△△/○○ ID:xxxxxxx
子供じゃないよ、変態と言う名の子供だよ
ツイスターゲーム時の写真もきぼん
135 名前 逸般人 ××/△△/○○ ID:xxxxxxx
あの学園の子は好感度上がると近付いてきてスカートたくし上げて見せてくれるらしいヨ。
じいちゃんが言っていた。
「……結構情報流出してないか」
と言うか、最後の何だ。普通どれだけエッチなヤツでも、それは……それは……
……しそうなクラスメイトが数名頭に浮かんだが忘れる事にする。
とりあえず、最後のは火消ししておこう。
事実が多いだけに、さすがにそんな馬鹿げた噂まで広まるのは嫌だ。
「しかし……眠いな」
深夜遅くまで図書館島にもぐって、殆ど仮眠も取れずに登校。試験前の授業を一日受けた後、HPの更新……さすがにキツイ。
「ちと、仮眠するか」
コスに皺が付くのは気になるが、もう着替えるのも辛い。
HPの更新は失敗だったかもしれない……が。
「明日以降は更新のチャンスなんて無いだろうし……」
近衛の家出の受け入れ先を探す名目で施設に集まる約束をしている。
まぁ、親御さんとの話が上手く進めば、何の問題も無いんだろうが。
「……良いか……寝る」
集合は明日の昼過ぎの予定だ。さすがに昨晩の探索行で体力も限界。
PCの電源を切るのも億劫なまま、ゆっくりと眠りに落ちていった……
コンコンコン
コンコンコン
小刻みに続くノックの音。
それがゆっくりと眠気を払っていく……
窓から差し込む陽が眩しくて、少し肌寒い……毛布に包まるようにして眠ってしまったようだが、思ったより薄着で眠ってしまったようで……
「ん……7時……朝の7時かよ、今日土曜だろ」
図書館島の探索もあったから、今日は昼まで眠り続ける予定だったんだが。
……と言うか、こんな朝早くに起こしに来る非常識は誰だ。子供先生か、神楽坂か、吸血鬼か……あの辺なら、そのくらいの非常識はやりかねない。
「……居留守だな」
面倒なので放置して二度寝に入る事にする。
その内諦め……
「千雨ちゃーん……やっぱりまだ寝てるかなぁ」
耳朶に届いたのは聞きなれた幼馴染の声だった。
「椎名かよ……」
こんな朝早くに何の用かは知らないが、ドアをノックしているのは幼馴染のようで。
「ん〜、私達だけで先に行くしかないかな」
一瞬。もの凄い嫌な予感がした。
眠気を振り払って起き上がると鍵を開けてドアを開ける。
目の前には驚いた様子の椎名と大河内、後、何やら怒る寸前の大魔神のオーラを纏った近衛。
「……こんな朝早くに何の用かを、簡潔に分かりやすく教えてくれ」
「あ、うん……なんとなーく、寮に居たくないから、ちょっと早いけどお婆さんのところに遊びに行こうかなって」
いきなり危険ワードが飛び出してきた。
椎名が……ここに居たくない……? 私の耳には天変地異がもう直ぐ来ますよと言っているように聞こえた。
「大河内と近衛は?」
「……桜子に起こされて……」
こっちを見ながら何度も瞬きをしている大河内、こいつも寝不足か。
「うちは、朝方までお父様と話ししとったんやけど、話は前に進まへんし、お父様はいきなり忙しくなった言うて電話切るし……家出する事に決めたんや」
まぁ、精々数日のプチ家出だろうけどな。
「そんで、まだ朝早いけど、ハルナもたまにこんな時間まで起きとるから、長谷川さんはどうやろ思って見に来て」
椎名が起こしに来るところだったと、後、そこで不安そうにするのはやめてくれ椎名。
お前が不安そうと言うのは真剣に洒落にならん。
「うぅぅ、できれば今直ぐ出発したいから、えっと、タクシーは呼んであるし」
「……金は?」
麻帆良から出るだけでもそれなりに距離がある。中学生の小遣いでタクシーは厳しいんだが。
「一昨日、メディアさんにお小遣い貰ったから大丈夫」
それは、タクシーで何処まででも行けそうだ。普段は断ったりしてるのに、今回は運良く受け取っていたか。
「てか、時間の余裕は」
「無い気がする」
大河内と顔を見合わせる。
何が起こるかは知らないが、本当にこの場に居たくないらしい。
私達を誘いに来てくれたのを感謝すべき何だろうが。
「早く行こ」
ぐっと、椎名に腕をつかまれて進まされる。
「おい、鍵くらい……大河内」
「あ、うん」
部屋の玄関の傍にかけてあった鍵で大河内に施錠してもらい、私と椎名と近衛は小走りで廊下を走る。
大河内は健脚だから直ぐに追いついてくるはずで。
「な、何や忙しいんやなぁ」
「……なんか知らんがとりあえず付き合え、椎名の勘は真剣にヤバイ」
慌てた様子の椎名に引っ張られて寮の外に。
薄着のせいでひどく、肌寒い、上着の一枚でも取って来れば良かった。
だいたい、この“衣裳”は冬場に外で着るようなもんじゃ……
ふと、置きぬけの自分の格好を見下ろしてみる、昨日、HPを更新した後そのまま仮眠に入って……
「ぐぁっ」
衣裳のまま寝ちまった上に、そのままの格好で寮の外まで来ちまった。
具体的には、『魔法少女ビブリオン』
「ま、待て椎名、せめて着替え」
「あ、来ましたか千雨………………ちゃん」
何でお前が寮の前にいる、タクシーの運ちゃんと朗らかに談笑してやがる。
「……いえ……直感で嫌な予感がしたもので、念のためメディアさんに連絡してみたら……かなり派手な事になりそうでして、目立つのが嫌いな桜子ちゃんならと」
眼を逸らしつつもちらちらこっち見てんじゃねぇ。
つか後部座席に押し込むな椎名、流れで乗り込むな近衛、無理矢理乗り込んでんじゃねぇアキラ。
「お譲ちゃん達、一応乗車人数は……」
「麻帆良を出て○○町まで、これで足りますかね」
朱雀が運ちゃんの目の前に万札を十枚くらい突きつける。
距離的には十分の一も要らないはずだが……
「……じゃ、出発するよ」
まぁ、世の中そんなもんだよな。
「急ぎでお願いします、追加で特急料金も支払いますので」
不安そうな椎名に、そんな椎名の様子に更に不安な私と大河内、訳が分からず右往左往な近衛と。なにやら訳知り顔の朱雀。
さっきはメディアさんの名前まで出てきた。
「おい、一体何」
「ちょっと頭を下げててください、もう集まり始めてるみたいです」
麻帆良大橋を渡って、麻帆良の外に出ようとすると……何か、見慣れぬものを幾つか見かけた気がする。
と言うか、普通はありえないものを……
「ん〜、もう大丈夫かな」
麻帆良を出たことで椎名の様子も安定する、不安げな様子はなりを潜め、何時もの快活な雰囲気を取り戻し。
「……朱雀、何が起こって……いや、何が起きる?」
大橋の外にあったのは、何台ものカメラ。
ついでに、タクシーの対面から向かってくるのは中継車のように見える。
「……簡単に言ってしまうと……2-Aで教育実習中の担任の問題行動がマスコミにリークされました。麻帆良は対応に大わらわです」
「もしもし、佐々木様のお宅でよろしかったでしょうか。
私、GFテレビ『HODOステーション』のキャスターの古畑と申します。
はい、そうです……実はですね、現在ある教育現場の問題について特集を組んでおりまして、麻帆良学園に通われておられるお子様の居られる保護者の皆様方に電話にてインタビューのお願いをしているところでして。
はい、突然で申し訳ございません。
麻帆良学園で発生している問題でして……はい。
——あ、お時間よろしかったでしょうか。
はい、それで問題の件ですが……いわゆる、不適切な学習方法や、生徒への不謹慎な行動の強要等が、あるクラスを中心にして行われているということでして。
えぇ、麻帆良学園のとある男性教諭が、授業中に英単語野球拳と言う学習法を取り入れたと。
——はい、野球拳です。
学生の1人が冗談半分に提案したことを採用したらしく————
回答率の低かった何人かの生徒は、周りからも脱衣を強要され、男性教諭の前で下着姿にされたとも聞いておりまして。
—————はい、何人かの生徒がです……
はい、はい……それで、事実確認のためにも、出来ましたら保護者の方からお子様に事実関係の有無を確認して頂けないかと思い、電話させていただいております……えぇ、事実であれば然るべき処置をとる必要もありますし、私共の方でも、学園内で有耶無耶にさせないよう声を上げようと思っております……はい。
可能でしょうか、それでしたら別の件につきましても、同じく確認して頂きたいのですが、実は部活動でも似たような例があるようでして、深夜に部活動を行い、その場で監督していた学園関係者が複数の生徒にツイスターゲームを強要したと言うような内容なんですが。
はい、ツイスターゲームです。
えぇ、深夜に……学園関係者が道具を用意しての事だったと私共は聞いております。はい————制服姿での活動だったようですが————あ、チャイナ服を着ていた生徒も居たとか。
えぇ、事実であれば至急問題提起したいと、はい。
可能でしたら、お子さんに身の回りで、そう言った類の有無を確認していただければと————はい。
昨今では、生徒へ口止めの強要をする教員も見受けられますので、もし、お子様の周りでそのような事実がある場合でも、その場でお子様に問い詰めるようなことはなく、私共なり、直接教育委員会へ連絡するなりして連携した上で対応して頂ければと。
はい、私共は既に教育委員会や有識者とも連携しておりまして、えぇ、至急に対応を図るつもりでおります。
それと、未確認の情報ではありますが、明日明後日の土日に、件の男性教諭が、部活の件での学園関係者の許可の下、学園に生徒たちを招集しているとの話もあります。
この件では、不適切な指導が無いよう外部の有識者、教育委員会による確認も含め……えぇ……疾しくなければ同席は受け入れられるかと思いますが……
この教諭には、女子寮内で公然と行動しているというような疑惑もありますもので。
では、お子様への確認が出来ましたらご連絡頂ければと。えぇ……くれぐれも、お子様に対し強い口調での詰問等はこの時点では避けていただければと。
————はい、事実であった場合は一旦手短に連絡を終えていただいて。外部から至急に問題行為に対する是正措置を————はい。
私、他の保護者の方へのインタビューもありますので、連絡はXXXX-XXXXにしていただけるか、番組HPのお問い合わせの項に番組への連絡先がございますので、そちらに『麻帆良学園の教育問題について』問い合わせ頂ければ直通で対策チームに繋がるようになっております。
はい、早ければ明朝、土曜の朝のニュースででも————はい。よろしくお願いいたします」
図書館島の頃からずっとこれをやりたかったw
むしろこれをやるために図書館島に3人を捻じ込んだと言ってもいい(マテ
漫画だから許されてますが、授業中に野球拳や部活動中にツイスターゲームの強要は普通に性犯罪です
学園内だと揉み消されるので、外から大事にして一気に押し掛けてみましたw
保護者の皆様方にも説明済みですw
他にも女子寮に居候で、風呂も一緒に使って、そもそも労働基準法違反。
麻帆良の外で、麻帆良の常識を語りたければ語るが良いw