前話の後半が異様なボリュームになって分けざるを得なかったです
何故に此処まで膨らんだ
44話
「
「大体想像通りですが……オコジョは犯罪者では?」
「ふむ、下着ドロで捕まってたガ、刑罰が
ディルムッドから、オコジョ妖精の女子寮への侵入を阻んだという報告は受けていましたが、正式に無償奉仕として子供先生のサポートするのなら、学校へは同伴する可能性もありますか……
それと、高畑先生により神楽坂さんの後押し……本当に、学園長のシナリオどおりに進みそうですね。
まぁ、特に気にすることではないですが。
「それと、神楽坂さんだガ」
「あぁ、ちょっと待ってもらえますか、虫を潰してきます」
簡易に張った認識疎外の結界を離れ、パフォーマンスを終えた桜子ちゃん達の方へ近付きます。
麻穂良学園の1学期には初等部から中等部へ進学してくる生徒が多く、体育系で21、文科系では160程もあるクラブはそれ等の勧誘のためクラブ紹介を行います。
まぁ、千雨ちゃんは帰宅部で興味も無く、アキラは女子水泳部で、男子禁制の室内プールなので何の問題もないんですが。
図書館探検部やまほらチアリーディング等、クラブの規模が大きく、学区を離れても協力することがある場合はクラブ全体から紹介の時のメンバーを選ぶ訳で。ぶっちゃけ綺麗どころが集められます。
で、少等部の辺りでは男子チアリーディングも有るわけで、クラブ紹介が男女両方に向けて行われるわけで……まほらチアリーディングのクラブ紹介には正直、馬鹿な虫が寄ってくるんですよね。
桜子ちゃんが混じってる以上、あんまり変な真似すると呪われると言うのに。
パフォーマンスの合間で3人組になってる桜子ちゃんと、柿崎さんと釘宮さん。
それに声をかけてるのも3人組の男子のようで。
……ツンツン頭と、金髪と……
「いやいや、ボクぁチアガールのみならずバンドメンバー、学ラン、コギャル風味もいける包容力をげほぁっ」
とりあえず、問答無用で3人の先頭に居た青髪ピアスに拳を叩き込んだ私は悪くない。
……態々こんな所までナンパに来てるんですか彼等は。
「あ、朱雀ありがとね」
「どもども、助かります」
「ナンパ除けが居てくれるって良いですね、修学旅行の時も居てくれると良いかも、正直ウチ等3人だと結構大変で……前も助かりました」
とりあえず、前に柿崎さんと釘宮さんには挨拶しておいたのでさして問題にはなりません。
問題はよりによって危険人物 (呪われる的な意味で)に声をかけた
「あれ、朱雀じゃん、お前の知り合いか?」
ツンツン頭のフラグメイカー
「相変わらず綺麗どころ侍らせてんにゃー」
金髪にサングラスと言う、一応中学三年と言う年齢には見合わない私に匹敵する体格のにゃー。
「こ、これはきっと、介抱してもらって愛が芽生えるパターンかなぁ」
とりあえず、足元の青髪ピアスは踏みにじります。
彼等はうちの男子中等部のクラスメイトで、クラスの
「とりあえず、
「珍しくまだだにゃー、んで、後の子等知り合いか? 妹キャラとかメイド属性ある子居るぜよ?」
「
「ふっ、ボクの【無限の属性】ならどんな子にでも対応してみせるげふぁっ」
這い蹲ったまま、桜子ちゃん達のスカートの中を覗こうと身を捩った青髪ピアスを踏みにじります。
「どうせ踏まれるならあの子をしめぐえぇぇぇえぇ」
呻きながらも柿崎さんを指差す青髪ピアスに少し力を込めておきます、まぁ、彼なら大丈夫でしょうし。
「……槌帝、命が惜しいなら早めの撤退を勧めておく」
「あれ、ひょっとして……王の逆鱗かにゃ?」
いえ、まぁ……私云々よりも愛娘(?)をナンパされたメディアさんの怒りを買わないようにですが。
軽く笑ってあげると、地面に這い蹲って桜子ちゃん達のスカートを覗こうと奮闘する青髪ピアスに追撃を入れます。
……と言うか、そろそろ青髪ピアスには呪いが来てもおかしくないですね。
「……一人はそうですね」
王と言うよりは、王女の逆鱗ですが。
「て、撤退だにゃー、表でそんな危険は勘弁ぜよ」
「おーい、青髪ピアス忘れてるぞー」
そう言いながら、青髪ピアスを引きずって、撤退モードに入った槌帝を追う神上。
……前から思ってましたが、やはり槌帝って魔法生徒なんですかね。神上も怪しいですし。
「……個性的な友達だね、朱雀」
「クラスメイトです、それ以上でも以下でもありえません」
まぁ、傍から見てる分には面白かったのでしょう、釘宮さんたちもクスクス笑ってますし。
丁度、パフォーマンスの合間の休憩みたいですね、近くの自販機でジュースを買うと3人に渡し。
「噂の彼氏さんはやっぱり気が利くねぇ」
「どんな噂か聞きたくもないですけどね」
とりあえず、あの翌日に態々千雨ちゃんが足を運んできて問答無用で殴られましたから。
根も葉もない噂だと分かっていてもむかついたのだとか……触覚はどんな噂を流したんでしょう。
今度こそ、会ったらちぎります。
「あ、ディルムッドさんだ」
ふと、桜子ちゃんが声を上げたほうを見ると、指導員としての仕事か、注目を集めながら歩みを進めるディルムッドの姿。
此方に気付きますが、桜子ちゃんと一緒だと気付くとさっさと無視して去っていきます……これは気が利くというんでしょうか。
それと、後に続くあの女生徒の群は何ですかね。
「あれ、桜子、あのディルムッドさんとも知り合い? 今年から配属されたはずだけど」
……そうですか、既に柿崎さんとかの耳にも入るくらい有名になってますか。
と言うことは、あの群は追っかけ達なんでしょうか。
「うん、知り合い」
「うぅっ、金運のみならず男運までとは、麻帆良のラッキー仮面は化け物か。って言うか私にも一人くらい紹介してよー、3人で彼氏居ないの私だけじゃない」
別に、彼氏彼女の付き合いをしてるわけではないんですが……とりあえず、否定の言葉は言っておきますか。
「んー、でも、ディルムッドさん女の人にはあんまり興味ないらしいし」
桜子ちゃんが爆弾を炸裂させました、一応私達くらいにしか聞こえないくらいの声量ですが。
「その話、もっと詳しくっ!! 痛たたたたたたた、髪が、私のツインアホ毛がっ」
桜子ちゃんの迂闊な一言に呼び寄せられて触角が現われます。と言うか、この触覚はこの人ごみの中でよくも聞き及んだものですね。
ひとまず、次に見つけたら触角をちぎると決めてましたので、掴んで引っ張ります。
なかなか強情な触覚ですが。
「ちょっ、さすがにやり過ぎじゃ」
「ま、まぁ……あんな変な噂流されたら気持ちは分からないでも」
「さすがに痛そうだよ朱雀」
桜子ちゃんにまで止められたので解放しますが……どんな変な噂かは後で釘宮さんに聞きましょう。
触覚は力一杯握ったせいか、カクカクと妙な角度に捻じ曲がっています。
「わ、私のチャームポイントが」
「チャームポイントだったんですか、Gくらいウザい自己アピールかと思ってました」
「ひどっ、そんな事言うと朱雀さんのハーレムに入ってあげないよっ!」
「はい、ありがとうございます」
「お礼までっ! まぁ、私的にもハーレムメンバーの6人目は別なキャラ立てが欲しいけど」
ニヤニヤ笑う触角ですが……確か、触覚の噂では私は四股してると言う筈だったんですが、また増えていませんか。
桜子ちゃんに視線を向けると。
「最新のだと、私と千雨ちゃん、アキラと超さんと、ディルムッドさん」
「痛いっ、ちょっと私のアホ毛がちぎれるーーーーー」
ちぎってるんです、Gから人間への進化を手伝っているんです。
女性に手を上げるのは苦手でしたが、ここまで気兼ねなく暴力を振るえる相手は吸血鬼以来です。
「派手にやってるデスね」
「……と、とと、止めたほうが」
「朱雀さん、結構容赦ないなぁ」
相手によるんです。
触覚の悲鳴を聞き届けたか、現われたのは図書館探検部の面々です……体育系のクラブの勧誘に現われるのは珍しいんですが。
「皆さん、どうされたんですか」
「ハルナのクラブ活動を手伝ってるんよ、立ち上げたばっかやから人が足りひん言うて」
早乙女さんですか、図書館探検部に入ってるのは知っていますが、他に漫画研究会くらい入っていても不思議ではありませんね。
ただ、立ち上げたばかりと言うのが気になります。とりあえず、直感的に嫌な予感がするので。
「ちなみに、クラブとは?」
「非公式ディルムッドファンクラブやよ」
ぶちっとな。
「っぎゃぁぁあぁぁっぁぁーーーー私のアホ毛がーー」
「あ、抜けたね朱雀」
取り敢えず、ぶちっと触覚の片方を引き抜いた私は悪くない筈。
そうですか、魔法生徒経由で魔法世界に新たな販路を築き上げた元凶はコレでしたか……早めに潰しておかないといけませんね。
「てっきり着脱可能な飾りと思ってたですが……地毛だったんですね、ハルナ」
「ハルナ、大丈夫?……真っ直ぐ歩ける? 片方だけでも平気?」
「今度練習で使いたいんで、その髪の毛、分けてくれへんか」
地面に突っ伏したアホ毛を心配(?)する図書館探検部の面々。
近衛さん、意外と非道ですね……まぁ、生命力豊富そうですし、効果が出るか確認するのに良さそうですが。
ちなみに、ディルムッドの後をついていった群れは、非公式ディルムッドファンクラブのメンバーで、160以上ある文科系クラブの中でも一大勢力に躍り出たのだとか……
その活動内容としてカップリング議論も有るそうで……
アホ毛の残り一本は、タカ×ディルやセル×ディルを推奨するのと引き換えに見逃しました。
……最早止めても止まる勢いじゃなさそうですし……タカは個人で魔法世界でも人気があるので、うまく広めれば魔法世界の主従カップリングも少数派になるはず。
主従カップリングはもっての外です。
……えぇ、その方面に疎い私には……後に、『タカ×主寝取り』なんてのが発生するなんて事は、想像だに出来なかったのですよ。
そんな中で、私も学校に通ってる以上、修学旅行には参加する事になります。
麻帆良中等部の原則として、3年の1学期に修学旅行に向かいます、ハワイ等複数の箇所からの選択式で。
「はーい、皆さん静粛にー、あんまり騒ぐと課題を増やすですよー」
男子中等部3年A組も修学旅行での行き先を多数決で決める事になったわけです。
まぁ、2年の3学期の時点ではハワイがダントツ一番人気でしたので、十中八九ハワイに決まると思いますが。
……まぁ、京都で問題が発生したらメディアさんに召還してもらいましょう。
ディルムッドも随伴する予定なので然程心配はなく。
「では、無記名投票の結果ですけど……あれー、皆さん急にどうしたんですかー」
それにしても、何だかクラスの面々が殺気立ってませんか。
「んー……ハワイが十票ちょっとで他は京都……3学期のときはみんな、ハワイって言って無かったですかー?」
……意外な結果になりました。
ちなみに私はハワイに入れました、問題が発生したときさえ参戦すればいいのですから、面倒な血縁者が居る京都に大手を振って乗り込むのは都合が悪く。
「先生、オレ等は気付いたんぜよ、京都が持つ和風メイドの魅力に」
「そやねー、巫女さんサイコー」
「はいはーい、とりあえず2人はお医者さんに頭を看てもらうですよーそれで、本音は? 神上ちゃん」
「……聞かないほうがイイデスヨ」
……学園長辺りが洗脳でもしましたかね。
別に魔力は感じないんですが、催眠術と言う可能性も……
「まぁいいですけど、皆さんが学習意欲に目覚めてくれたなら先生はとっても嬉しいです。班決めは」
「「「「「「「「「「「「「「「「朱雀、一緒の班になろうぜ (にゃー)」」」」」」」」」」」」」」」」
何故か私に飛びついてきました、取り敢えず当たりそうなのは撃墜しますが。
何故に突然……
「うわぁ……」
「と言うわけで落ち着いてる新田君、説明を」
「はーい、先生も、水着だわっしょいって騒いでいたみんなが急に古都に興味を持ってくれた理由が知りたいでーす」
土下座するのやら掴みかかってくるのやらを凪ぎ散らしながら、一人落ち着いた様子の新田君に尋ねます。
どうも、私だけハブされたようですが、感じからしてクラスメイト達で何らかのやり取りがあったはずで。
「いや、ちょっと槌帝さんに聞かれただけだよ」
「だから何を」
「……仮に……その、椎名さんとかと修学旅行の行き先が一緒になったら、ナンパ除けとして呼ばれる可能性が高いって本当かって」
……そう言えば、釘宮さんがそんなこと言っていたような。
「…………つまり」
「うん、まぁ……朱雀さんと同じ班だと自由行動でも合流して一緒するかもって言ってしまって、ほら、小学校のときは、学校違っても合流したことあったし」
思い出すのは小学6年の修学旅行。
新田君も同じ班でしたが、何故か同じ行き先だった桜子ちゃんと一緒に行動してましたねそう言えば。
あの時は桜子ちゃんだけ違う学校でしたが、当たり前のように合流して意気投合しました。
「つまり彼らは」
「女子中の3-Aって……人気ある子多いから……班は5人以上だから、朱雀さんの幼馴染全員同じ班でも他に2人居るし」
つまりは、3-A女子とお近づきになりたい
……ですが。
「何故行き先が京都だと?」
「ふっ、オレの情報収集能力を舐めてもらっちゃ困るぜい」
「ついでに、カミやんとボクで春休みに新田の家に遊びに行ったときにカミやんがねぇ、いやぁ、学年主任の息子とかナイスポジション、何で女子じゃ無いのん新田ちん」
「待て、俺は嵌められたんだ、そんなこと知らなかったんだ、確かに見つけたのは俺だが」
「実行犯と思しき神上ちゃんは後で先生と新田先生と一緒にお話しましょうねー新田ちゃんも来てくださーい」
「不幸だーーーーーーっ」
「何で僕までーーーっ」
……最早行き先は決まってしまった。
京都ですか……みんなと同じ行き先なのは良いんですが、厄介な人達(血縁者)も居るんですよね。
「さて、このままじゃ埒が明きませんね、朱雀ちゃん、希望はありますか、朱雀ちゃんが指名するのが一番楽な決め方ですけど」
「最低でも班に一人、常識人が欲しいんで新田君を、後は抽選でもバトルロワイヤルでも好きにしてください」
一転、新田君に怨嗟の視線が向きますが我慢してください。
桜子ちゃんたち3人共と知り合いだから気兼ねないんです。
後は、誰を選んでも恨まれそうですし。チャンスは実力でつかみとってもらいましょう。
「はいはーい、では残り……あまり多くしても向こうに迷惑がかかりますし、3人を決めますよーバトルロワイヤルでは他のクラスに迷惑ですから抽選でーす。おーけーですかー?」
……ちなみに、最終的に私の班は新田君と
……これも神の意思でしょうか。
……とりあえず、カミジョー属性には気をつけておきましょう。
後は、闇の福音編は千雨ちゃんに相談するイベントくらいですかね
尚、本屋ちゃん仮契約事件は、カモが独自に学園に接近すると何処からとも無くディルが現われるため発生しません。
一応、学園長公認の立場に(裏では)なってるので、即殺もしません……ラブキス辺りが殺し頃ですかね(ぉ