12月4日。
9月4日より投稿を開始して3ヶ月が経過しました。
もう3ヶ月経ってしまったのか、まだ3ヶ月しか経ってないのか。
難しいところですが。
作品数 69部
総合評価 10945評価
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感想件数 1662件
拙作に変わらぬ過剰な評価を頂きありがとうございます。
作品を投げ出さず、更新を続けることが期待に応える手段の一つと思いますので。
投げ出さないよう頑張って逝きたいと思います。
ですのでどうか、皆様も作者の暴走に多少の寛容さをお願いいたします(マテ
思いついたらアクセルを踏み込んで、ブレーキ等、邪魔と言い切る馬鹿ですが、お付き合いください。
62話?に加筆しただけですので申し訳ないですが、一話分程度の分量は増えてますのでご理解ください。
62話
「やれやれ、待たせてしまいましたね」
3日目は完全自由行動日と言うことで、女子3-Aの1班と男子3-Aの1班は示し合わせて大阪のUSJへ行くこととなっていた。
USJの入り口前で待ち合わせの約束のため、電車を乗り継いできたのだが。
その前に、多少のトラブルがあったため朱雀と新田の出発は遅れ。
「明日の課題が増えるだけだと思うんですけどねぇ」
「考え無しなのはいつものことでしょう」
結果として、ホテル近郊の探索に朱雀たちも付き合わされ……結局、捕らえる事が出来ず無駄足を踏んでしまった。
また、その最中に超からも急な連絡が入っており、協力関係を築いたフェイトからの伝言が伝えられ、そちらも気にしなければならず。
「あっと言う間に走り去りましたからね」
結局、月黄泉先生の課題からエスケープと言う死亡フラグを打ち立てた三馬鹿を放置して、朱雀と新田は目的地であるUSJへと到達する。
入り口ゲートの前にはレベルの高い十人ほどの女の子がたむろしており。
「……おや」
見知った幼馴染達が眼に入ったところで朱雀は足を止めた。
新田は他の事に気を取られているようだが、朱雀にすれば優先すべきことが別にあり。
「……なんだ、そんなに変か」
最初に眼に入ったのは長谷川千雨、普段軽く束ねている髪をストレートに下ろしている。
それだけでも珍しいことではあるが、普段に無い様子はもう一つあって。
「いえいえ、千雨ちゃんは眼鏡は無い方がいいと思いますよ」
普段している伊達眼鏡を外していた。
元々視力はけして悪いほうではない、無くても何の支障も無いが……千雨は昔からずっと眼鏡をかけていた。
見るものにフィルターをかけるような心積もりの其れは願掛けのようなもので。
「まぁ、偶には良いけどな……」
「うん、その方が良いと思うよ……千雨は」
大河内アキラも、普段ポニーテールにしている髪を下ろしてうなじの辺りで軽く結ぶようにしている。
何処と無く普段の千雨のような髪型で。
「アキラもそう言う髪型でも良いですね」
「そうかな」
何処と無く恥ずかしげなアキラ。
千雨のほうを見て一つ頷く事で、昨晩に確かめ合った絆が伝わってくるようで……メディアから状況のみ伝えられていた朱雀も安堵する。
幼馴染との関係は良い方向に深まったようだと。
「私も髪を下ろしてみた、ほら、千雨ちゃんのリボン」
椎名桜子も、普段サイドでアップにしている髪を下ろし、三つ編みも解いていた。
軽くウェーブのかかった髪をサイドに下ろしながら、アキラ同様にうなじの後で髪を結び。
「3人ともよく似合ってると思いますよ」
目の前にいる3人を堂々と誉める朱雀に照れた様子の3人……柿崎や釘宮等がにやにやと口元を緩めて笑っているのも恥ずかしさに拍車をかけるようで。
「あちらの方々は? 初日に見かけた方もいるので同じ学校だと思いますが」
そんな中で朱雀と3人娘には近付かない方がいいと判断した新田は迷わず柿崎に話しかけた。
二日目を一緒に行動したため気兼ねもなく。
「あ、うん、目的地が同じだったから一緒に来たんだけど、来る途中でちょっとナンパに絡まれてね」
揃いも揃ってアイドル顔負けの容姿を誇る3-A、それも長身のアキラを初めとして、スタイルの良い面子が揃っている1班と、スポーツで身体を鍛えている4班である。少なくともアキラと龍宮は中学生に等見られない。
何人か声をかけてくる男もいて……
「途中、しつこい人が居たのよ、押しの弱い大河内さんとか亜子に絡んで……それを龍宮さんが追っ払う前に」
「あぁ、それでディルムッドが居たんですか」
柿崎と新田の会話で、意外な顔ぶれの理由を悟る朱雀。
朱雀の行動が少し遅れたため、1班の警護としてディルムッドがついていたのだ。アキラ達に声をかけていた男達は容易く追い払われ。
「……ああなったわけですか」
困った様子のディルムッドと、それをきらきらした瞳で見上げる和泉。
釘宮は応援する気満々なようで、離れようとするディルムッドの服の裾口を掴んで離さない、初日に駅まで車を運転したのはディルムッドなので勿論、釘宮は知り合っており。
朱雀の言う事に逆らえないことまで把握している。その為に態々4班も待っていたのだろう。
「ほらほら、朱雀さん来た、朱雀さん、ディルムッドさんも一緒に良いですよね?」
好意か憧れかはともかく、4班の面々に好感を持たれた様子のディルムッド。
桜子の幼馴染でもある釘宮の誘いを断れ切れずに此処まで連れてこられてしまった様子で。
「まぁ、構いませんけど」
「朱雀殿……」
ディルムッドが困った顔を見せるが、ここで断って釘宮達に睨まれるのも嫌と朱雀は簡単に許可を出す。
警護としてついて回ることは確定しているため、表立って行動を共に出来るのは、そう言った意味では便利で、ナンパ除けとしては最上の部類でもある。
唯一、フェイトからの接触があることを考えると表立っていると接触しにくいかとも思うが。
「何だかわくわくしてきた」
「よし、じゃぁ行こう」
「亜子、濡れスケのチャンスだよ」
「ちゃ、チャンス? それはチャンスちゃうと思う」
「そうだよ、悩殺セクシー濡れスケはアキラの出番だから」
「わ、私は……」
「いい機会なんでサインもらえますか、あっちじゃ高く売れるんすよー」
「あぁ、私も何枚か貰っておきたい」
この雰囲気で止めるのも何なので放置する事にした、フェイトならば超経由で改めて連絡することも可能だろうし。
和気藹々と。1班と4班、それに数名を加えた団体はUSJへと向かおうとして。
「見つけた」
其れは朱雀の前に現われた。
一瞬でディルムッドと朱雀が警戒態勢に入る。それくらい目の前の存在は異常だった。
「……知り合いか?」
「え、朱雀さんて現地妻増やし痛いイタイイタイ、桜子、痛いから耳引っ張るのやめてぇ」
千雨の問いかけに返答をする余裕も無い。其れに秘められた魔力を感じ取ったのだろう龍宮も警戒の片鱗を見せる。
警戒の必要が無いアピールとして軽く目配せするが、当の朱雀からこそ緊張が消えることが無い。
自分達よりも幾つか幼いだろう外見。けれど、一つ一つの特徴を確認するうちにどんどんと朱雀の冷静さは失われていく。
白い髪、表情の伺えない双眸、学生服のような装い。
けれど有り得ない、それはおかしい。
超経由で伝えられたフェイトからの伝言は一言、完全なる世界から監視の人員が到着したため、今から連れて行くと。
今から連れて行くと言うことなので、フェイトが目の前に現われること自体はおかしいことではないのだが。
「……フェイト?」
「それは地のアーウェルンクスの旧世界での名、私は
フェイトに酷似した姿をした、丸みを帯びた体つきで肩まで髪を伸ばした……
見るからに、
「……女の子?」
「先立って説明は受けている筈。パパより早期に監視を行いたい為に送り出された」
暫し呆然と立ち尽くす朱雀。
彼が知るのは墓守の宮殿への突入までの原作知識のため、それ以降の知識は無く。まさか4〜6番目が今更登場する等、想定外で……まして、同系で女性体が居る等と言うのは想像だにしていなかった。
「後、パパ?」
なにやら有り得ない呼称が聞こえた気がするので確認してみる。
「デュナミスは
「誰ですか、そんなふざけた知識を与えたのは」
深く溜息を漏らす。
まさか此方のデュナミスはそういう性格なのだろうか。
原作では出て無かっただけで、小娘呼ばわりしていたフェイトの従者達にもそう呼ばせたりしてるのかと。
「此方で接触した旧世界人だ、ここまでの案内をさせた際に様々な知識の集積に役立てた。
思わず膝を突き前のめりに倒れこむ。
一瞬で全てが理解できた、出来てしまった。
朱雀の他には新田も微妙な表情をしている……他は疑問符を浮かべるだけだが。
この世界に、そんな微妙な発音の差異を態々レクチャーする馬鹿が果たして何人居るだろうか。
少なくとも朱雀と新田は一人しか知らない。
逆に言うと、一人は知っている。
「12種類の義妹語と派生パターン、アヤナミ系・人形属性持ちの言語パターン等、
僅かに胸を張るようにする6
前のめりに倒れ臥したまま、朱雀は辛うじて震える手を上げるのが精一杯で。
「……誰に……教わり……いえ、誰が教えたかは大体想像がつくので……何でそれらと知り合ってしまったのですか」
「フェイトが見つけた案内役だ、ザクヤン兄ぃ」
「……デュナミスから聞いてはいたけれど、随分早かったね」
関西呪術協会の所有する家屋の一つ、其処は京都の闇に暗躍する実働部隊の拠点として使われていた。
その隅に、実働部隊で新入りとして扱われる少年、フェイトは移動用のゲートの
転移魔法を用いる際、目的地としても出発点としても使用できる中継点となる。欲を言えば水系統の
ざわめいた水溜りから現われたのは、フェイトより幾つか年上に見える少女の姿。
其れは地に足をつけると、辺りを軽く見渡す。
「Here is Japan in the Old World」
「そう、此処が日本だ……それと、世界共通語で構わないよ、確かに旧世界ではその言語が一番多いけど、日本は違う」
「理解した、言語の統一が?」
「この国は全てに先んじて共通語を取り入れている、魔法世界人が言語で苦労することは無いよ、逆もまた然りだけどね」
「理解した、デュナミス様より協力者監視の命を受けた、
僅かにフェイトが顔を歪める。
じっと少女を見つめた後で息を吐き。
「分かったよ。けど、デュナミス程度に様なんてつけなくて良い。それと、僕は今フェイトと名乗っている、以降はそう呼んでもらいたい」
「……其れは命令か? 」
「……君は、記憶の補助をどれくらい受けているんだい」
不思議そうな顔をするフェイト、目の前の少女はあまりに、在るべき知識を持ち合わせず。
「稼動直後のため、必要最低限のみを。必要領域は実働経験より集積するよう言われている」
「デュナミス……何を考えてそんな真似を……」
フェイトからすれば正気の沙汰に思えない、これならば従者の誰か……焔辺りが来るのが望ましいだろう。
見る限りにおいては常識の有無すら危うく。
「染められる前に早く此処から離れるよう命じられた」
怪訝そうな顔をするフェイト、染められるという意味が分からない。
彼には理解できぬ何事かが発生したことを意味するが……この後、スクナ復活スケジュールを考えれば、朱雀陣営に預けるか単独待機のいずれかを早期に決める必要がある。
そして、デュナミスの望みは早期の朱雀陣営との接触。
「そうか……呼称については旧世界での風習とでも思ってもらえれば良い、僕はフェイトで、デュナミスは呼び捨てで良い」
「理解した、情報の集積の際に世界間の言動の齟齬を重点して理解に努める」
僅かにフェイトの顔に嫌悪の色が映る、さも人形のような、その在り方はあまり好ましいものではなく。
ともすれば、デュナミスの悪意すら感じてしまう。
「まぁ、良いけどね……少し待ってくれ」
懐から仮契約カードを取り出すと、つい半日ほど前に仮契約したばかりの少女と連絡を取る。得られた答えは彼等の正確な居場所で。
用向きを告げると念話を断ち切る。
「遊園地か……騒々しい場所は好きじゃないんだけどね」
少女に声をかけるでもなく
京都駅の階段の隅へと一瞬で移動し。
「大阪に基点はないから、交通機関を使って移動したほうが良い……一緒に」
少女は当然のように後を追ってきたが、フェイトは困った顔を見せる。
手には振動する携帯電話、仕事用に持たされたものだが……実働部隊ではなく、その少し上、自身の従者を言い包めて利用する関係を構築した者の名が有り。
「面倒でも発生したかな」
実を言えば大体の見当はついている。犬上小太郎の行動……本山と道場から回復魔法具を総ざらいする……が問題になっているのだろうと。
千草と月詠は昏睡中、小太郎は活動中であれば最後に連絡は自分へと行き着く。
「さて、困ったね……一人で……」
「何かお困りかなお坊っちゃん達、ありとあらゆる属性の味方のボクはショタでもいけちゃうんやよ」
「無表情クールっ娘はいいもんだにゃー、友愛の証としてお義兄様って呼んで欲しいにゃー」
妙な二人組みに声をかけられた。
面倒だから永久石化した上、砕こうかと思ったフェイトは何ら間違ってないだろう。
むしろ、一部から賞賛されるべき行いだったろうが……運の最悪な事に。フェイトはその二名に見覚えが在った。
襲撃目標であった近衛木乃香の周辺は常に監視していた、その中にあって、いろいろな意味で目についたのは警戒対象として朱雀とその近辺を哨戒するディルムッドであり。見たくもないのに眼に入ってきたのは奇態を曝すこの二名と何故か付近の年下の女性に向かって吹き飛ぶ一名だった。
ちなみに、その残り一名は少し離れたところで、修学旅行らしき神学校の制服の少女に噛み付かれている。
「……君等は、確か、朱雀と一緒に居たね」
「さっすがはザクヤン、興味無い振りしながらきっちりショタっ子もゲットしとったんやねぇ、そう、ボクはザクヤンの
「てか、通報はマジでもう勘弁だにゃー、何度もおっかけっこしたせいで足がボロボロだにゃー」
数瞬の逡巡。
けれど、解答は容易く出た。
正直人形じみた少女の姿は快いものではなく。
仮初とは言え協力関係にある男からの呼び出しがあり。
目の前には案内するぐらいは可能だろう朱雀の自称魂の兄弟が居る。
「ヴィシュタル・リ・シュタル ヴァンゲイト
「て、あれやばい……かにゃー」
属性上、精神操作は然程得意ではないが、短期間、言いなりになる傀儡にする程度ならば難しくなく。
一瞬にして目の前の二者を余計な事を考えられない状態へとする。
「彼女をUSJまで案内するように、その間の記憶は一切残さず、一切逆らわず、一切の虚偽もなく、他者とも連絡を取らないように、終わったら戻ってきて今日のこれまでの事を全部忘れた後、日常に戻っていいよ」
「美少女のエスコートならボクにまかせるんやー」
「お義兄ちゃんが護るにゃー」
……大丈夫かな。
一瞬そう思うが、所詮、感情操作された傀儡。
目的地まで辿り着けば同じ場所まで戻ってきて元に戻るようにすれば朱雀達に迷惑もかけない。
「じゃ、顔はこれ……後は任せたよ」
傀儡に連れられて移動を開始する
……短期間の移動時間で、彼女がどれ程の学習意欲を見せたかを知るはずも無く。
『それは常識なのですね』
『そうやよー一般的にはアヤナミ言うんや、知らん方がおかしいんや、お守りは壊れた眼鏡とかがいいかな、忘れたらあかんのが創造者への心酔と反逆かなー 最初はマスターとかお父様とかパパとか呼んでおいて、クライマックスで人間の味方につくんやー、ザクヤンとか主人公タイプなんやくそーモゲろザクヤン』
『義兄君だぜぃ、お義兄ぃだぜぃ、にいちゃだぜぃ。こっちじゃ友好関係にある相手は義兄扱いするのが一般常識だからこの機会に覚えると良いにゃー 大事なのは“義”の一文字だにゃー』
『ふむ……色々と興味深い。フェイト……フェイトお義兄様が不快な表情をしていたのはそれが原因ですか、以降は気をつけましょう、次に、絶対必須義務と断言した『萌え』についてのです、旧世界での活動において……』
朱雀かフェイト、そしてデュナミス。
誰かが気付けば止めただろう、それだけはやめろと。
けれどもう止まらない。
少女は貪欲に
結論 どうせ焔を出すはずだったし。それがちょっと変わって前倒しされただけ(ぉぃ
まぁ、焔まであっちに逝ってしまったのはすまないと思う。と言うか、最初あんなに数は無かった。
調(腐)
環(下着穿かない)
栞(惚れっぽい&キス魔疑惑)
暦(ドジっ子)
で上から順に問題ありとして朱雀に敬遠されて消去法で焔になるはずが、何故こうなったwww