83話
目の前で、突然始まったのは、想像もつかぬ程の規格外の戦い。
事態の急変の突然さと、規模故に、ネギ達は割り入る機会を逸し。
結果、ネギ達の前で生徒である、絡繰茶々丸は魔女による重力魔法で桟橋に叩きつけられ、チャチャゼロは槍に貫かれた。
そして、同じく生徒であるエヴァンジェリンは、上空で朱雀と戦って、片腕を切り落とされて、さらに、全身に槍戟を受けた。
そのまま、無惨な姿でエヴァンジェリンは桟橋に落ち……
そんなエヴァンジェリンに、朱雀は上空からさらに槍を投げ下ろす様子を見せた。
「っ、駄目ですっ」
突然の事に戸惑っていたネギは咄嗟に、エヴァンジェリンの前へと立ち塞がる。
一見して重態と分かる状態のエヴァンジェリンへの追撃、其れを見過ごすわけにはいかず。
エヴァンジェリンを庇うようにして立ち塞がるネギは。
「
自身が持つ最強の防御魔法で其の槍を防ごうとするが……
上空から飛来した、あらゆる魔術を打ち破る其の槍は、障壁を容易く突き抜け、ネギの右肩へと突き刺さった。
「ネギーーッ!!」
「ゴプッ」
その光景に明日菜が慌てて縋り付く、既に魔力の殆どを失い、体力的にも限界だったネギは、血を吐き零し喘ぎ。
「ネギ坊主、大丈夫アルカ」
「兄貴ぃぃぃっ!!」
詠春は、突然の事態に戸惑いながらも、朱雀たちのほうへと視線を向ける。
……言っては悪いが、傍で見ていた限りでは非があったのはエヴァンジェリンの方だろう。
高圧的に、友好的な関係でもない相手にアーティファクトを見せろと言うのは、かなり問題行為であり。
呪文詠唱を先に始めたのもまた、エヴァンジェリンだ……故に、朱雀たちを責めるわけにもいかず。
最悪の場合は、落下したエヴァンジェリンへの更なる追撃も有り得たからだ……
ただ、幸いにして、3人は戦意を失ったのか少し離れた辺りで足を止め、どうでも良さそうにこちらを見ている。
提供してくれた本人の前で、昼間とは全く別の用件で使うのも気が引けるが、他に手段の無い詠春はイクシールを取り出し。
「イクシールを飲ませます、刹那君、槍を抜いてください」
「は、はい」
「ネギッ、ネギ!? 何でっ……やだ、どうしよう、こんなに血が……」
木乃香を抱き上げていた刹那は、一旦其の身を桟橋に横たえると、ネギを貫いた槍に手をかける。
縋り付いて喚く明日菜を引き剥がすようにしながら槍に力をこめ。
一気に其の槍を、引き抜いた。
その勢いで、傷口からは大量の血が流れ出る。
「ネギ君、これを飲むんだ……しっかりっ」
ごぽっと、口から血を吐き出すネギに無理矢理イクシールを流し込もうとする詠春。
意識が朦朧としているのか、その喉がうまく動くことは無く。
「それを飲ませれば良いのっ!? 貸して」
その詠春の手からイクシールの入った栄養ドリンクの瓶を奪うと、それを自分の口に含む、そのまま、ネギの唇に自分の其れを合わせ、一気に流し込んだ。
直ぐに、右肩の傷口は光を放って回復を始め。
「エヴァンジェリンは……彼女も、危険ですね」
登校地獄による呪いを切欠として、魔女の呪いによる魔力抑制を受けた状態となったエヴァンジェリンは片腕を失い、全身にも槍戟を受けた状態だ。
多少の再生力は残されているようだが、危険である事に違いは無く。
復帰して介護にまわった茶々丸と共に、エヴァンジェリンに最後のイクシールを飲ませる詠春……其れにより、エヴァンジェリンの傷は其れまで以上の速度で癒え始め。
「……それで、馬鹿騒ぎは終わったかしら」
ネギ達の傷が癒えていき、明日菜やクーフェイがネギに縋って涙を流すほどに喜ぶその中へ、メディアは呆れた声音で声をかけた。
朱雀は興味も無さそうに少し距離を取り、ディルムッドは全体を多少警戒した様子で。
「っ、あんた達、いきなり出てきて一体何って、ちょっと、桜咲さん、離してよっ!」
「お願いですから、お願いですからこれ以上、事態を混乱させないでくださいっ、彼女達は助けに来てくれたんですよっ」
「だからって、何でネギがあんな怪我」
「喧嘩を売ったのはエヴァンジェリンさんなんです、ネギ先生は間に割って入っただけで、ネギ先生を傷つけるつもりは無かった……筈なんです」
とりあえず、ハリセンを手に、魔女に突っかかろうとする
この状況で魔女の機嫌を損ねることは、最悪、先程の大規模殲滅呪文が自分達に降りかかる事になりかねないのだから。
また、一瞬、最近のネギの行動から、『多少の他意は有ったかもしれないなぁ』と考えるが、口にするとさらに暴走しそうなので言わない事にする。
「……次の相手は彼女で良いのかしら、あぁ、それとも関東と関西で手を組んでGF退治かしら、相手になるわよ」
「い、いえ、そのような事は、けして敵対する意思など無いわけでして……その」
「……キャスターとでも呼んで頂戴」
不機嫌さを隠そうともせずに詠春と相対するメディア。
当たり前のように偽名を使うが、朱雀やディルムッドと違い、未だその顔立ちは目深に被ったローブに覆われている。この辺りは魔女としての矜持であろう。
「あなたが関西の長で良いのかしら」
「はい、関西呪術協会の長、近衛詠春です……まずは、ご助力に感謝を」
「別に、あなた達を助けたわけではないわ、見殺しにしても良かったのだけれど、鬼神を放置するのが問題だったから手を下したまでよ」
詠春がメディアと差し向かいで話をする。
治療が施されたばかりのネギは意識が朦朧とした様子で、木乃香と共に横にされており。
クーフェイとオコジョは、さすがにこの状況で、魔女たちに喧嘩を売ることの危険さに気付いたようだ。
「鬼神の叫びが、ホテルまで聞こえてきたわ……たぶん、京都全域にまで響き渡ったでしょうね」
「何と……それでは」
詠春の顔が一気に青ざめる。
先の鬼神の叫びは、詠春をしても身震いするほど凶悪な代物だった……それが、広範囲にまで響き渡ったとすれば、とんでもない事態で。
「GF関連のマスコミは抑えてあげるけど……関西の管理は、あなた達、関西呪術協会の管轄でしょう、当然、魔法の秘匿の管理者としての責務を果たしてもらうわよ」
詠春の青褪めていた顔がさらに青くなる。
魔法の秘匿の管理……有体に言うならば、「魔法バレ」への対策と言っても良い。
関東魔法協会に同等の対策機関があるように、関西呪術協会もまた、「魔法バレ」に対する対策機関を要している。
「……っ、何と言うことだ……本山の者達は石化されているし……」
関西呪術協会においては、戦闘能力の劣る構成員がその職責を負っており。
その殆どは、今、本山で石と化している……
「私達が鬼神の排除を急いだのも、わざわざ足を運んだのも、それが理由よ……魔法の秘匿は遵守されるべき、それは魔法使いの責務なのだから。ついでに助けたくも無い人間も助ける形になってしまったけれど」
「それについては……感謝の言葉を述べるほかありません」
詠春の中で幾つもの葛藤が錯綜する……
現状、自身の手勢は刹那一人であり、関東からの救援はGFに喧嘩を売った上に要介護状態。とてもではないが、魔法の秘匿対策を行える状態では無い。
そして、日本のマスコミは勤勉だ……鬼神の叫びが何処かで録音されていれば、其れがニュースで報道される事すら有り得るし、この時間なら生放送のニュースに流れてしまった可能性も高い。
何箇所で録音されていれば、時間差異から咆哮の発生点の特定すらやってのけるだろう。
其れ等を何とかするには、石化された巫女達を急ぎ石化解除して関係各所へのスムーズな伝達を行う必要があり。
……其れを行えるのは、目の前の魔女や関東魔法協会の主力であろうが……
「一応言っておくけど……私、あなた達は嫌いなの」
「はい、承知しています……」
けれど、魔女がこれ以上に関西呪術協会に助力することは有り得ない。
数十人規模の石化した人員の解呪など、受けられる筈も無いだろう。
ならば、関東魔法協会より多数の魔法秘匿のための人材を至急に受け付けなければならない……それは、関西呪術協会の組織としての体裁を崩しかねないだろう。
そもそも、この鬼神の復活だけで20人ほどの陰陽術士・剣士も喪われている、その隠蔽も至急の対処が必要だ。
「……でもそうね、私達が手を貸すのは有り得ないけれど、情報操作が得意な子を紹介してあげても良いわよ……情報・マスコミ操作なら私でも手を焼いたくらいの逸材を知っているわ。確か、関西に貸しを作りたいみたいな事を言っていたし」
無論、だから魔女にどうして欲しいなどと言う馬鹿な事は口にはしていない。
要は、後始末は自分がやるから、関西への貸しを分けて欲しいと申し出ただけだ。
関西呪術協会との繋がりなど、まったく欲しくない、むしろ縁はさっさと切りたい魔女達はほぼ無条件で其れを受け。
「本当ですか」
「確か、関西にある魔力溜まりに興味があると言っていたかしら、何かの儀式魔法に使いたいんでしょうけど……其の条件を飲むなら協力してくれるでしょう、どうするかしら?」
クスリと嗤う魔女に、深く頭を下げて願い出る詠春。
麻帆良学園に情報攻撃をかけて学園を封殺して見せた魔女の手を焼かせた人材となれば、能力に不満があるわけも無く。
「細かい条件とかは直接話し合って頂戴……ディルムッド、あの子、名前なんていったかしら」
「
これも、明らかな偽名だと言っている様なものだが、藁をも掴む思いの詠春は断る術さえ持たない。
ディルムッドが携帯電話で連絡することで、一先ずは鈴音の手により、魔法秘匿のための情報操作は始められる事となり。
「さて……これで、残る用はひとつだけね……鳥女」
「はっ、はいっ」
未だ翼を拡げたままの刹那が姿勢を正して魔女に向き直る……その腕は
最早、何も言わさず聞かせずに徹した様子で。
「選ばせてあげるわ……私は、大事な大事なお姫様を置いていけば良いのかしら? それとも、連れ帰ったほうが良いのかしら」
それは、桟橋に横たわり眠り続ける近衛木乃香についての事……
詠春と刹那が、木乃香を本山に留める事を決めたために、魔女は木乃香を見捨てたと言っても良い。
その魔女が、嘲笑を浮かべながら刹那に問いかける。
「…………それは、お嬢様だけですか」
「当然でしょう、そもそも本山に戻るのか、ホテルに戻る気なのかは知らないけれどね……石像だらけの上に、爆弾まで仕掛けられたんでしょう?」
「っ、ご存知で!?」
本山内部で発生した事態を把握している魔女に刹那が驚きの声を上げる。
けれど、それは魔女には当然なことで、笑みを浮かべて……ふと、何かを考え始める。
「朱雀、あの子、名前何て言ったかしら……サンシタ……イヌ……ベネ、そう、確かベネッ」
「
「そんな名前だったかしら……まぁ、いいけど」
魔女によって、
魔女の後で、詠春との会話に無関心を貫く朱雀は呆れたようにその名を口にする。
「ともかく、その魔法生徒は関東魔法協会からの預かりもののような者だもの、何かあったらいけないと思って、結界越しにも遠見が出来る術式を持たせて、遠見しておいたの。まさか、本山内へ招き入れられた上に転移魔法符を奪われるとは思わなかったけど、見ていて実におもしろ……いえ、可哀想だったわ」
「も、申し訳ありません……お返しします……」
明日菜を羽交い絞めにしながら、クーフェイに頼んでポケットより転移魔法符を取り出してもらう刹那。
それは、クーフェイの指から宙を舞って魔女の手に収まる。
「失礼します……本山の様子を遠見していたと仰いますが、もしや、今の状態も分かりますでしょうか」
その中で、話を聞いていた詠春が口を挟む。
木乃香を優先したとは言え、多くの呪術協会の構成員を残してきた詠春にすれば不安は多く。
「少なくとも、あの子の傍に居る
激戦により、式神との繋がりを絶っていた詠春が安堵する。
あくまでも、爆発は動揺を誘う効果のみを求められ、実害は無かったようで……
「それでも、まだ爆弾が有る可能性も否定できないらしいけどね……少なくとも忍者は警戒してるわ、それで、お姫様は私が連れ帰ったほうが良いのかしら?」
「「…………お願いします」」
頷きあい、刹那と詠春が再度、魔女へと頭を下げる。
鬼神は討たれ、千草も殲滅魔法に巻き込まれて死んだようだが……未だ、詠春が最も警戒すべきと判断した白髪の少年と、拳銃を使う男は健在だ。
今も尚、木乃香を狙っている可能性は否定できず。
「それと、春日とか言う子と、巻き込まれた一般人も連れて帰るから、本山内に転移させてもらうわよ……文句は無いわね」
「はい、その、石化されてしまいましたが……」
「解呪して、記憶も改竄しておくわ……本山からホテルへ戻り、昨日と同じく何事も無く夜を過ごしたと、口裏くらいは合わせられるわよね」
「か、重ね重ねすみません……出来れば、初日の夜と同じように過ごした様にして頂けますと……二日目の夜は、少し問題が……」
魔女の言葉に刹那が追加注文をつける。
……いい加減、腕の中の明日菜の意識を奪うべきかもと考えている様子だが……
一先ず、石像が立ち並ぶ本山で朝を迎えてもらうわけにもいかないため、一般人をホテルへと戻してもらい、記憶の改竄を行うのは刹那も賛成する。
昼間の宮崎のどかには、不審な様子はまったく見られなかったため、記憶改竄は任せても問題ないと判断し。
「……あぁ、そう言えば、馬鹿な真似してたものね、忘れてたわ、本国への通報もしておかないと」
「ゲッ、そ、それは」
「カモミールさん、神楽坂さんと同じ目に遭いたいですか、今は口答えは駄目です」
今、此処では魔女が最高権力者と言える。
明日の朝までの問題が山積みの状況で、詠春や刹那ではとても手に負えない状態を容易く解決してしまうのだから。
イクシールを全て使い切ってしまった詠春達には、宮崎のどかと早乙女ハルナの石化を解くことも難しく、木乃香の安全も確保できない、情報操作も困難だ。
全ては、魔女の施しに縋るしかなく。
「それじゃ、このかちゃんは預かっていくわよ」
「む、ふむーーーっふむっふむむむぐっ「イッテェェェッ」ちょっとあんた、今度はこのかに何すんのよっ」
桟橋に横たわる木乃香に魔女が手を伸ばしたことで、刹那に羽交い絞めされ、クーフェイに耳を塞がれ、オコジョに口を押さえつけられていた明日菜が吠える。
咄嗟にオコジョに噛み付くと、何とか口の自由を得……
「……いいかげん耳障りね、あなた……」
すっと、魔女の指先が明日菜を向く、一瞬でその指先からは魔力が伸び……
「っ、神楽坂さんっ」
「あら……既に記憶がかなり改竄されてるのね、あなた……
感情を鎮静させるように魔法を使ったところで、その身に為された強力な
事実、本人も知らぬことだが、その記憶にはかなりの術式が施されており。
「え?」
「っ! きゃ、キャスター殿、私達で抑えますのでそれ以上はっ!!」
突然訳の分からないことを言われた明日菜は呆けるばかりだ。
むしろ、詠春の方が慌てて、刹那と共に明日菜を取り押さえにかかる。
「まぁ、良いけど……じゃ、このかちゃんは、ちゃんとホテルに連れてってあげるから安心しなさい……それと」
すっと、その指を要介護状態の吸血鬼に向ける魔女。
茶々丸が慌てて立ち塞がろうとするが、その身はディルムッドによってねじ伏せられる。
「マスターっ」
「呪いを重ね掛けするだけだから安心しなさい……まさか、やめろとは言わないでしょうね」
「……はい」
吸血鬼の額に手を添えると、幾つもの魔法陣を浮かび上がらせる。
其れを、詠春は許容し。
自由になった茶々丸は、慌てて吸血鬼を護るようにして抱きしめる。
「おしまいよ、この子は東に強制送還しておいて貰えるかしら、車は用意させるわ」
「……分かりました」
これでもう用は済んだと、踵を返す魔女。
祭壇の破壊や、この場所で発生した死者など、まだまだ問題は山とあるだろうが。
其れ等は、関西呪術協会が時間をかけて行っても問題のないことで、直ぐに手を打たねば問題となる事柄は、魔女によって殆ど解決される。
詠春にすれば、不甲斐ないばかりだが、他に手もなく。
「待って欲しいアル」
その中で、明らかに強者と思われる魔女の言動に、礼節を持って聞き役に徹していたクーフェイが声を上げる。
彼女達の話を聞いていれば、殆どにおいて問題なく解決するようには感じられた。
けれど、一人、大切なことが忘れられており。
「真名は、このかの父君でも何とか治せるアルカ」
それは、石像と化し、半身を断たれた龍宮真名の石像……
会話の中で、一般人で石化したのどか達の事が出てきたが、これまで龍宮については触れられず。
刹那と詠春もまた、非常事態の連続に思わず失念していた。
「……すまない……石化の解除ならば、明日戻る腕利きの陰陽術士ならば可能だとは思うが……砕かれた上、半身が無いとなると……」
それを思い出した詠春は、自身の手には負えない実情を述べる。
石柱が降り注いだ石塊の中から龍宮の半身を見つけ出し、さらに繋ぎ直す治療……それは、関西呪術協会の総力をもってしても容易ではなく。
「っ、失礼を承知で聞きたいアル、あなた達なら」
「わざわざ助ける義理は無いわね」
少なくとも、不可能であるとは口にしなかった、それにクーフェイは桟橋に膝をついて土下座して願い出る。
「何とか、助けて欲しいアル……真名は、私達を助けるためにこうなってしまったアル」
どうしようか、僅かに逡巡する魔女……幸いにして、気を利かせた刹那によって明日菜は取り押さえられ雑音は無い、ネギが僅かに意識を取り戻してきているようだが、そちらも詠春が注意し。
「助けた方が良いと思いますよ」
「何かあったかしら、あ、実は可愛い妹が居たりする?」
「いえ、そう言うのは無いですが……明日の4日目、その子の班と一緒に回る約束をしてますから、不在となると予定の変更か、最悪修学旅行が中止になります」
「そう言う事なら、助けないわけにはいかないわね、朱雀、運んで頂戴」
肩を竦めて石像の半身像を持ち上げる朱雀。
木乃香は魔女の手にあり。朦朧として辺りを見渡すネギと、羽交い絞めされている明日菜以外は文句は無い様子で。
「じゃ、行くわよ……関西の長、この助力の貸しの細かい条件は鈴音と話して頂戴……」
「間もなく、此方を訪れるそうだ」
「分かりました……」
面倒な交渉事を、手駒にしている少女に任せると、朱雀とディルムッドを巻き込んで転移魔法を起動する。
それで、嵐を巻き起こしていった3人は湖から姿を消し……
京都での戦いは、終焉を迎えるのだった。
呪いの追加は記憶喪失にすべきか、言葉遣いの矯正にすべきか……
何か良いアイディアがあったらお願いします、アンケートではないです……ちょっと集計する時間が取れないと思われるため