第二百八十五話
昔の人の名言とは真実を突いておるから名言なんじゃな。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている。
ニーチェ先生(コンビニ店員じゃないよ?)の言葉で賈駆の行いがよく現しておるの。
あ、ちなみにそのまま帰すのは勿体なかったので劉備達が新たな交易路を開拓しておる情報を教え、対処をお願いしたら泣いて喜んでおったぞ。決して神は死んだ的な表情ではなかったぞ。
さすがに手土産がこれだけでは可哀想じゃから干鯛や鰹節、昆布などの海の幸をプレゼントしてやったのじゃ。
本当は新鮮な物がいいんじゃが、洛陽で船と馬を飛ばしてギリギリじゃから涼州じゃと絶対無理じゃからなぁ。
更に劉備達の主力商品である果物も渡したんじゃが……
「こんなものより……人が欲しい……」
という言葉を言い残して去っていった。
普通に聞けば無礼ではあるが……
「激しく同意じゃな」
シンクロ率100%である以上、責める気は起きんかったな。
……ふむ、少し援護してやるかのぉ。
無論、吾等のやっと増えた余裕を割いてやるほどお人好しではない……というかそんなことをしてしまえば絶対謀反が起こるぞ。あ、ちなみに七乃や孫権達に不安を覚えておるわけではないぞ?むしろ原作周瑜みたいに病を隠して、結果病死なんてことはあるが過労での反逆はないはずじゃ。
心配なのは帝&司馬家じゃな。特に司馬懿じゃな。史実的考えてフラグじゃし、あのニートという存在は働かせすぎるとどう動くかわからんからのぉ。しかも相手はあの司馬懿じゃしなぁ。
……いや、むしろ完璧な夜逃げされる方が可能性が高いか。働きたくないんじゃから吾を排除しても忙しさは変わらんというか忙しくなる一方じゃからな。そうなったら結局吾等が死んでしまうかもしれんがの。
「というわけで割と暇そうな(当社調べ)華琳ちゃんに動いてもらおうと思っておる」
「しかし曹操さんに動かれると厄介なことになりませんか?」
まぁ確かに華琳ちゃんの勢力拡大は脅威……に見えるかもしれんの。
「どうせ溢れる書類の波を華琳ちゃんが処理できるわけない。むしろできるなら吾が押し付ける!」
「ですね~。それでお嬢様は曹操さんに何をやらせるつもりなんですか?」
「うむ、北伐じゃ」
「北伐……つまり公孫賛を打ち取ると!さすがお嬢様!あれだけ味方しておいて掌返しとは外道ですね!!」
「違うわ!異民族、烏桓をやっつけさせるのじゃ!」