第三百六十二話
「ふむぅ?周瑜は結局何をしに孫権とあったんじゃろ?一応それなりに根回しはしておったようじゃがイマイチピンとこんのぉ」
根回しは大事であることに異論はないがわざわざ周瑜自身が動く必要はどこにもないからのぉ。
孫権も同じ疑問を抱いておるようで……というか悪巧みしているのではないかと疑っておるようでしばらく揚州に残ると報告書とともに届いた……紙に書かれておる文字は震え崩れ、結構な量の血飛沫が付着しておるんじゃが……大丈夫じゃろうか?
「しかし孫権も関羽もおらんとなると寂しいのぉ~」
「ですね~。ツッコミ役不在だと悪ノリが止まりませんよ」
「……そうじゃな」
最近孫権がツッコミ役になっておるかは疑わしいが……うむ、そうじゃな。悪ノリが止まらんのじゃよ。
「だからいい加減忙しいのに銅像を作ろうとか言い出して作っちゃったんですけどね」
うむ。最近世の乱れ……余(吾とか帝とか)も(生活が)乱れておるがここでは関係ない……ておるからちょっとしたパフォーマンスとして、洛陽の北側に華琳ちゃんの健闘を讃えて華琳ちゃん、夏侯姉妹の等身大。南東には孫権と関羽の五倍サイズ。南に孫策と周瑜の等身大。西には董卓と呂布を等身大、賈駆と張遼を胸から上、おまけにSDっぽい陳宮を。そして南西には劉備のパイ拓(一応乳首は隠した)銅像を『このものを見かけたら報告せよ』という看板付きで設置した。
……完全に悪ノリじゃな。特に最後。
ちなみに劉備のパイ拓は借金の形として接収したものの一つじゃ。……というかこれを見つけたから有効利用としてこんな悪ふざけを思いついたんじゃがの。
それに南西のパイ拓銅像はこれで終わりではない。次に趙雲、黄忠、厳顔、魏延と続いて張飛、諸葛亮、鳳統となる……が、最後の三人はネタ枠じゃな。だって全然差が……というかパイ拓すら成立して――おっと、何やらどす黒い殺意がっ?!主に薄い本にされる感じで――んー、普通に需要ありそうじゃの。主にBL方面じゃがの。男の娘じゃし。
「結構人気があるんですけど……随分と各所に恨みを買っちゃいましたけどね」
まぁ忙しいのに銅像を作るぞ!しかもいっぱい!なんて言われたらそらキレても不思議ではないじゃろ。お返しにお仕事をお届けしておいたが。
ついでに言えば銅像の一番人気は南西じゃ。毎日拝んでおる者までおるそうじゃぞ。まさか劉備の洗脳はこんな形でも発揮するのかや?!スゴイナー。羨マシイナー。
「それでどうします?せっかく情報網を再編成しましたけど、また戻しますか?」
「別にしばらく放置で良いじゃろ。問題が起こったところでなんとかなる……はずじゃ」
揚州が取られて正史の呉を形成したところで吾は別に困らんしの。むしろ仕事が減って万々歳じゃ。
実際今回のことで後処理が面倒ではあるが孫策に渡した領土分だけ仕事が減る予定じゃからな。むしろもっと押し付けるのもあり……なんじゃがそれをやると周瑜が死ぬかもしれんから悩みどころじゃ。
優秀な文官は一人でも生き(地獄)て欲しいというのは吾のささやかな願いじゃ。