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加筆を行いました。
……更新しない方がいいと言えるほど短いです。
GWも忙しくて今日は眠気に勝てませんでした。
中途半端な話を上げて申し訳ありません。
第五十四話
袁紹ざまぁが冀州牧になったそうじゃ。
袁隗ばあちゃんから書状が届き、吾にも励むよう激励が書かれておったが恐らく皮肉じゃな。
州牧という意味でなら揚州でなれたとは思うが南陽に比べると面積は広いがどうしても田舎なんじゃよ。
商会を経営する上でも南陽の方が都合が良かったしのぉ。揚州も長江の終わりに位置するだけあって物資集積所としては優秀ではあるが洛陽から遠い。更に言うと揚州はあの広大な土地に対して人口四百三十万人、それに比べて南陽は一郡で二百四十万人じゃ。圧倒的じゃろ?
それに孫堅の後釜というのもよろしくない。後ろ盾であった吾が揚州の州牧となってはいらぬ疑いを掛けられる可能性がある。
いい加減名声がないのに汚名をあげては誰も寄り付かなくなってしまう……原作の袁術と同じような立場になってしまうのじゃ。
決して負け惜しみではないぞ。
それにしても……このタイミングでなぜ州牧就任なんじゃ?
黄巾賊を討伐した後でもいいようなものじゃが……というか袁紹ざまぁが率いておった討伐軍はどこいったのじゃ?!
ああ、討伐軍といえば華琳ちゃんなのじゃが……関羽の尻を追っかけて北上中らしいぞ。
陳留の黄巾賊は大体叩いたため、華琳ちゃんも思い切って動くことができたようじゃな……決して本当に関羽の尻を追いかけたのではないと信じておるぞ?……もしどちらに賭けると聞かれれば尻を追いかけた方に賭けるがの。
さて、華琳ちゃんが出撃してくれたので将来の敵になるかも知れぬから軍の情報を集めるとするかの。まだ勢力としては小さい華琳ちゃんじゃがその才能は間違いなく中華屈指じゃ。
その華琳ちゃんが率いる軍はまだ未熟であろうが参考になるはずじゃ……関羽、おぬしの犠牲は無駄にはせんぞ!
討伐軍には適当に狙い、戦果をあげるように指揮権は丸々渡しておるんじゃが……これからどのように動くんじゃろう。
組みやすしと張燕が率いる黒山賊を狙うか、冀州にまだおる黄巾賊を刈り取るのか、それとも袁紹ざまぁに顔を見せに行くのか、それとも張角達の首を目指すのか、その判断は現場にゆだねておるが……恐らく冀州に寄って補給に務め、黄巾賊の頭である張角姉妹を潰しにかかるに違いない。
文聘と程立なら自力で張角姉妹達の居場所も割り出しておるかもしれんしな。
「関羽も人助けができて嬉しいようじゃな」
民の為に成せることがあるというのは義に厚く、プライドが高い関羽じゃからの。報告書の節々に嬉しさが滲み出ておる。
そのプライドの高さが足を引っ張らねば良いが……
「関羽さんの良いところなのはわかりますけどー、ちょっと問題がありますねー。あの気難しさは好き嫌いが激しそうですから危機的状況になったら部下に裏切られて殺されちゃいそうです。まぁ義理堅いですから孫策さんよりは信用できていいですけどねー」
何気に七乃が関羽の敗因にして死因を突いておるぞ。
そしてさり気なく孫策をディスっておるな。
南陽の商会の売上が本当に若干じゃが落ち込んでおる。
それは物価の上昇というより黄巾の乱で購買意欲の低下が主な要因と分析されておるようじゃ。
まぁ自分達は関係ないとは言っても乱の最中じゃからの……なんとも皮肉なことに商会が経営しておるマスコミの情報配信により起こったことじゃがな。
マスゴミではなくマスコミ、つまり捏造や偏向報道などを取り除いたのじゃが、その結果がこれとなるとマスゴミ化したくなる気持ちがわからんでもない。
真実とは諸刃じゃな。
「というわけでポイントカードとクーポン券……じゃなくて割引判子券と割引券を提案するのじゃ!」
「なるほど、買い物に更なるお得感を出して購入金額の底上げを図るわけですね」
「うむ、更に割引券はともかく、割引判子券を製造する上で偽造防止などで費用がかかる。つまり雇用対策にもなるぞ」
「商会で提供する程度ではそれほど雇用には……ああ、他の店にも広めるんですね」
さすが魯粛、話が早くて助かるの。
もっと言えば割引判子券と割引券を提供した場合経費として計上されるので税が掛からぬ、そしてその上に免税対象とする。
「それでは税の収入が減ってしまわない?」
「孫権の言い分ももっともじゃが経済が落ち込むというのは早め早めに手を打っておく方が良いのじゃ」
「……そうなんですか」
まぁ本当は違うがの。
経済が落ち込むと言っても黄巾の乱によるものじゃから鎮圧され平和になり時間が経てば回復するものじゃ。
しかし、孫権は読めておらぬようじゃが……いや、潜在的に問題と思っておらぬのかもしれんな。揚州は異民族の多さもあり、独自性が強いからのぉ。漢王朝が倒れたとしても気にすまい……むしろ楚復活とか言いかねん。
それはともかく、問題はその後も戦乱が続くということじゃ。
確か少しの間だけ平和は続くはずじゃが……黄巾賊の爪痕が残る大陸では弱肉強食が更に顕著になり争いが争いを呼ぶ時代に突入するのじゃ。
南陽の経済は少なくとも停滞で無ければならない。そうしなければこれからを戦っていけぬ。
思った以上に周りから兵糧をかき集めることができたがまだまだ足りぬ……そうじゃ、食料といえばせっかく漢中に伝手ができたのじゃからスーパードクターKこと華佗ほどの腕利きでなくていいから五斗米道の人材がほしいの。
医者というのは掛かる時は嫌なものじゃが、現代ほどの効果はないにしろ必要な存在じゃ。
周瑜の死亡フラグは折れるのか、もし折れるならどうすべきなのか……人手が足りぬ我らとって周瑜は殺すべきではないかもしれんが果たして吾の下で満足するのか、それとも原作同様あくまで独立を目指すのか。
まぁ、独立を目指すにしても吾と敵対せずに目指す可能性もあるがの。
そういえば、陸遜と呂蒙はどこにおるんじゃろ?そもそもあの二人は孫策の配下というより孫権の配下というイメージが強い。もっとも孫権に付いて出てきたから、という理由なだけで違うのかもしれんがな。
陸遜はあの性癖は役に立つ、デスマーチに是非参加してもらいたいんじゃがの。
呂蒙は士別れて三日なれば刮目して相待すべし、日本だと男子三日会わざれば刮目して見よの語源となっただけあって最初は無知であったが努力して知恵を得たので現状がどの程度の存在かは知らぬが原作を鑑みるに三日を過ぎた仕様なんじゃろうが……あ、そういえば原作では両名とも孫策とは初対面であったような気が……なおのことどこにおるかわからぬではないか。一応探させてはおるんじゃがのぉ。
それにはわわあわわはどこに行ったのじゃ。ニアミスしたあの時から探しておるんじゃが……これが世界の修正力というのか?!
まぁ関羽や程立、郭嘉が客将とはいえ仲間になっっておるから修正力ではないはずじゃ……多分。