第五十七話
周泰GETじゃぞ!
給金を確認しておる時に桁を数えながら目を回して、数え終わると倒れたそうじゃ。
それとおまけに猫猫喫茶のフリーパスポートも付けてやったのじゃ。
余談にして今更じゃが猫猫喫茶の猫猫の意味は猫(動物)猫(店員)、つまりコスプレ喫茶でもあったりする。ただし、客のマナー違反が多くて猫(店員)の方は今後どうするか検討中じゃ……これだから中国人は!……あ、日本人でもあまり変わりなかったか。
それはともかく、周泰を何処に所属させるか悩むところじゃ。
原作的に考えて影に所属させるのが妥当ではあるが情報収集や情報操作などの比較的綺麗な仕事ならばともかく、暗殺や拷問などの汚い仕事をやらせるのは気が引ける。
しかも、仕官して早々の新人を近衛隊よりも信頼を置く影に配属させるのはどうかという話じゃ。
戦闘能力や気配を消す技術などは原作キャラだけあって隔絶した差があるのも確認しておる……まさか影が誰一人として周泰の姿を捉えることなく全滅するとは思わなかったがの。おかげで影達のモチベーションがガタガタじゃ。
影のエースにしてリーダーの楽就すらも一蹴されてしまい、実力に申し分なく、性格も裏切ることはなかろうから将来的には影入りで確定なんじゃが今をどうするか困っておるわけじゃ。
足の速さと戦闘能力を考えれば将として使うより護衛、連絡係、諜報員あたりが適切じゃろうな。
護衛……は新人に任せるにはやはり信頼が足らぬ、連絡係も情報を扱うという関係上、こちらもあまり好まれぬ。
というわけで残った諜報員でも頼むかの。
諜報員ならば多角的に検討するから一人の情報はそれほど重視されぬからちょうど良いじゃろう。
「それにしても……袁紹ざまぁは何やっておるんじゃ」
冀州牧になった袁紹ざまぁは各地の名士を募って繁栄を目指しておるようじゃ。
その中には荀彧の名があったあたり史実通りのようじゃが……問題は官軍が袁紹ざまぁの私兵化したり、吾や華琳ちゃんの討伐軍を妨害してくることじゃ。
本人は自分が指揮をしておる軍を使って何が悪いというかもしれんが、さすがに黄巾賊討伐を放り出すのはどうかと思う。
そして何より吾の討伐軍と華琳ちゃんの軍がもう少しで黄巾党本隊に辿り着けそうだというのに朝廷を通して足止めされておるのじゃ。
もっとも袁紹ざまぁはそのような器の小さいことをせぬからおそらく家臣が勝手に行っておることなんじゃろうが……さすがにこれは許せんぞ。
それに袁紹ざまぁの軍が動き始めておるなら百歩譲って待ってやっても良いが……全く動く気配がないのじゃから余計に腹が立つ。
ちなみに関羽から華琳ちゃんへの苦情が引っ切り無しに届くのは吾の楽しみとなっておる。
いやー、関羽のどうしたらいいのか困って狼狽えておる姿が目に浮かぶ。そして、春ちゃんと秋ちゃんが嫉妬に燃えておるのも見えるのぉ。
おお、そうじゃ。この思い浮かんだ光景を関羽に送って華琳ちゃんに見させてみよう。どういうリアクションをするか見えぬのが残念じゃのぉ。
「うむ、となれば早速準備をせねばなるまい」
<曹操>
「あら、貴女から私のところに来てくれるなんて……閨の準備をしなさい!」
あの関羽がとうとう私のものに!ああ、先陣を駆けるあの凛々しい立ち姿、踊るように舞う美しい髪……ついに——
「……いえ、今日は袁術様から贈り物を届けに参りました」
……わかってたわよ?ええ、そんなことじゃないかと思ってたわ。だからそんな冷たい目で見ないでくれるかしら?……興奮してしまうじゃないの。
「それにしても美羽……袁術から贈り物……蜂蜜ではないでしょうね?」
「いくつかはありましたが主だった物はこちらだと書かれていました」
何かしら、この入れ物の大きさからすると巻物かしら?それとも新しいお菓子かしらね
美羽の作るお菓子は及第点を下回ったことがないから期待しているのだけれど……残念、巻物だったわね。
さて、何が書かれているのかしら、ただの書簡という可能性もあるけどそれなら箱に入れるのは不自然ね。
となると美羽の描いた絵でしょうね。わざわざ戦場にまで送って来るなんてそれだけの傑作なのかしら?
「これで大したことがなかったら破り捨てて送り返してあげないといけないわね」
止めてある紐を解き、巻物を開いていくとまず見えたのは……っ!関羽?!それに私?!美羽、貴女にしては空気読んでるわねっ!
これは一生の宝よ。何処に飾ろうかしら…………あら?まだ続きがあるの——ぶっ?!な、な、ななこ、こんな赤裸々な——
「か、関羽殿!ご、ご苦労だったわね!さ、下がっていいわよ」
「……?失礼します?」
あ、危ないところだったわ。こんなのを見られたら大変なことになる……美羽もなんというものを送って来るのよ!嬉しいけど!!
も、もしかしてこの関羽の裸体は美羽が見て描いて物なの?羨ましすぎる。
さて、まだ続きがあるようね……ああぁぁ、そ、そんなことまで?!こ、こんなことまで……美羽……や、やるわね。
ああ、いけない鼻血が……ふうぅ……少し冷静になりましょう。
「これは危険物だわ。……以前も思ったけど美羽の才覚は侮れないわね。本当に芸術家としての道を歩んだ方いいんじゃないの」
……ふぅ、水が美味しいわ。
さて、続きを——
(一部がヒートアイランド現象を起こして更に大洪水が発生)
…………くっ、はあぁ……ハァ……ハァ……。
「な、何かしらね……この敗北感は……絶対美羽のせいね。間違いないわ」
それにしてもなんでここまで私好みの展開を押さえてるのかが気になるわね。
……そして長いわよ。いえ、別に飽きたとかそうじゃないのよ?でも一体何回慰めればいいのよ。
あら、今度は春蘭……え、なんで七星餓狼を持ってるのよ。ここは三人で、いえ、秋蘭も合わせて四人ででしょう。
え、あ、春蘭の目に光が……え、どうして……なんで春蘭が私を刺して…………なんで、なんで春蘭は笑いながら泣いているの——ちょっと!春蘭!なんで自害してるの!
「これで華琳様は私一人のもの、そして私も華琳様のもの……って!こんな終幕ってどういうことよ!作者出て来なさい!!」
ちょっと興が乗り過ぎてヤンデレな展開にしてしまったが華琳ちゃんは喜んでくれたじゃろうか。
まぁ少しは考えてくれるじゃろう。
では次は関羽寝取られものでもするか?それとも春蘭と秋蘭寝取られもアリか?……いや、さすがに本人達に知られる可能性を考えるとそれは無理か、特に2つ目は本人達に見せるのに抵抗なんぞありはせんじゃろうから間違いなく知られる。
……うむ、吾がたたっ斬られる未来しか見えぬ。
ならば袁紹ざまぁと華琳ちゃんのカップリングで顔良と文醜が華琳ちゃんを嫉妬で殺そうとして返り討ち、そして袁紹ざまぁが本当に大事なものに気づき、悲しむという鬱展開にするか。
「私の希望としては袁術様と曹操様もありだと思うのですが」
「……いや、さすがに自身を作品にする気はないぞ」
「私とお嬢様のを是非描いてください!」
「……」
さすがにこういう話は孫権や周泰の前ではできんな。
……いや、魯粛や七乃の前でもする気はなかったんじゃがまさか描いておる途中に見られるとは……失態じゃ。