段々と短くなっている……
すみません。今日はいつも以上に忙しかったですorz
第六十四話
「えいやーっ!」
「……」
「そこです!孫権なんて一思いに殺っちゃってください!」
「とりゃーっ!」
「……」
「ああ!惜しい!」
「どっこいせ!」
「……」
「振り下ろした剣を持ち上げるのに顔を真っ赤にするお嬢様萌え〜」
「死にさらせ〜!」
「……もういいです」
「なんじゃ、吾の見事な剣さばきに恐れをいったか!」
「…………ソウデスネー」
「よっ、さすがお嬢様、中華全土が絶望的な才能に涙しますよ!」
くっ、おぬしが吾の剣の腕前を見たいというから相手をしてやったというにその態度か。
そして安定の七乃じゃな。全吾が泣くぞ……なぜじゃ想像の中の吾の涙が蜂蜜しか思い浮かばぬ……いや、心当たりはあり過ぎるがな。
それにしてもせっかく華琳ちゃんが匙を投げてから諦めておった剣をわざわざ引っ張り出してきたというのに失礼なやつじゃな。
「有事の際には助けを呼ぶことと逃げることをお勧めするわ」
「ふん、そんなことわかっておるわ。吾の逃げ足はちょっとしたものじゃぞ。これでも五勝十三敗で関羽に…………負け越しておるとはいえ、逃げ切ったことがあるのじゃ」
「そういえば関羽が振り切られたと驚いてたわね。あれから随分訓練してたわよ」
なぬ?!妙に足が速くなったと思ったら関羽もトレーニングしておったのか。
吾も負けぬように鍛えねば!
「対抗しないでおとなしく仕事をしてください」
「関羽は吾のことを知らんからあまり真面目にしておったらいかんのじゃよ。おかげで孫権が来るまでは睡眠時間は平均三時間程度じゃったな。最近は四時間ぐらい寝れるから孫権さまさまじゃな」
「もっと寝ないと大きくなれないわよ」
「嫌ですね〜お嬢様は一生この大きさなんですよ〜?」
まぁ自分で言うのもなんじゃが、このサイズの吾が一番可愛いとは思うがな。
もっとも成長済み(原作のこと)でも今と変わらんことは保証されておるから安心して良いぞ七乃。
これで前世の記憶が無ければ華琳ちゃん(胸)同様コンプレックスになっておったじゃろうな。
おおぅ、今背中がゾワッとしたぞ。相変わらず覇王の勘は精度良すぎるじゃろ。
「なんか寒気が……」
「お嬢様、また曹操さんの悪口言いましたね。あの洗濯板のちびっ子は怒らせると怖いんですからほどほどにしておかないと大変なことになりますよー」
いや、おぬしの方が酷いからの?明らかに喧嘩売っておるからの?見事にブーメランじゃぞ?!
くっ、ほれみろ!寒気どころ殺気が?!
孫権しっかりするのじゃ、ここには敵はおらんぞ。だから剣を構えるな!
波才を通して廖化と周倉に連絡が取れた。
免罪の代わりに仕えろと伝えたところ、廖化は諾、周倉は否と返って来たのじゃ。
この対応の差は廖化はこの世界と演義では黄巾賊となっておるが、史実では関羽が荊州にいる頃に主簿として登場、周倉は架空の存在でもあるし、涼州出身の黄巾賊であるあたりが関わっているかもしれんな。
今のところ吾が知っておる範囲で声を掛けて返事がないのは張燕、韓暹、劉辟じゃな。
この三人は距離が離れておるから仕方ないのじゃ。
張燕と韓暹は并州、劉辟は黄巾党の本体近くとなかなか難しいんじゃよ。
他にも魯粛が推す者に声を掛けておるが知らん者ばかりじゃな。本当にモブなのか吾が知らんだけなのかは不明じゃがな。
廖化は自分が率いている黄巾党と一緒に来るそうじゃが、人数は五千。
黄巾党にしては人数が少ないがそもそも一揆勢力にこういうのもおかしいが真っ当な人間を集めたと考えればかなり多い方じゃろう。
普通はやはり戦闘経験がある盗賊や山賊などを引き入れるからのぉ。
ただ、五千人もの人口が一気に増えると問題になるのは食料と仕事じゃな。アメリカが抱えるメキシコからの不法移民でも分かる通り、移民というのはかなり問題が多いのじゃよ。
一応更にインフラとして役所と河川港の建設を新たに始めた。
役所とは今まで大規模な都市にしか行政機関がなかったのを中規模の都市にも行政機関を設置する予定じゃ。
現代風に言えば今までは県庁しかなかったところを市役所を設置する感じじゃな。
さすがにまだ区役所は設置できるほどの財政も人もないがな。
……もっとも市役所が不正の温床となりそうで怖いから要注意ではあるがの。
これが実施されれば仕事の量が半分に減る予定じゃ。
……と言うかもっと早く気づいておればこれほど苦労せずに済んだであろうに。