第百四十九話
北京奇襲作戦レポート。
死神の衣
戦力90
固有ユニット
ハマーン、クリス、リリーナ、ナンバーズ
ロシア軍
戦力2000
固有ユニット
なし
中国軍
戦力4000
固有ユニット
なし
1ターン目
死神の衣は奇襲に成功し、先制のチャンス
ハマーン「ふっ、私とサイコタイプの前に跪くがいい」
中国軍は15のダメージ
リリーナ「……狙い撃つ」
中国軍は15のダメージ
クリス「怖いでしょうね。でも、怖いのには耐えられるけど一人ぼっち(で死ぬのは)になるのは耐えられないから(一人で逝かせない)」
クリティカル!中国軍は30のダメージ
中国兵「ぐわー……アル」
死神の衣他大勢は出遅れた
2ターン目
死神の衣フェイズ
ハマーン「永遠(とわ)の眠りにつくがいい」
中国軍は15のダメージ
リリーナ「……殲滅」
中国軍は15のダメージ
クリス「数は多いけど敵じゃないわね」
中国軍に15のダメージ
中国フェイズ
中国兵「反撃を——」
リリーナ「……援護」
すかさずリリーナが援護射撃
中国軍は15のダメージ
中国兵「ぐわー……アル」
死神の衣フェイズ
クリス「あなたは死ぬわ。私が撃つもの」
クリティカル!中国軍は30のダメージ
中国兵「ぐわー……アル」
中国フェイズ
中国兵A「おい、お前が行くアルヨ」
中国兵B「嫌アル。そんなに言うならお前が逝くアル」
中国兵A「ざけんなヨ!そういいながら逃げる気アルネ!」
中国は混乱している
死神の衣フェイズ。
死神の衣A「ハマーン様!バンザーイ!」
死神の衣大勢「「「「バンザーイ!」」」」
中国軍は25のダメージ
中国兵「ぐわー……アル」
中国フェイズ
中国兵A「このままでは死ぬだけネ。射撃で反撃するヨ」
中国兵B「おお、それならみんな平等ネ」
中国兵C「ならとっとと撃つアル!」
中国兵の全体攻撃
ハマーン「ふん、この程度で私が止まるとでも思ったのか」
攻撃を回避しました
ハマーン「滅せよ」
ハマーンの反撃、15のダメージ
リリーナ「……?」
攻撃を回避しました
リリーナ「……や」
リリーナの反撃、15のダメージ
クリス「援護します」
攻撃を回避して援護射撃、15のダメージ
クリス「追撃!」
クリスの反撃、15のダメージ
死神の衣A「お前に足りないものは、それは!情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ!」
死神の衣B「そしてなによりもォォォオオオオッ!!」
死神の衣C「ニュータイプが足りない!!」
攻撃を回避しました
ロシアフェイズ
ロシア兵「撃って撃って撃ちまくれえぇ!!」
間接攻撃で中国軍は40のダメージ
中国兵「射程外?!卑怯アルヨ!」
ハマーン「陣が乱れた。掛かれ!」
死神の衣の連携攻撃が発動、200のダメージ
イベント発生
中国指揮官「5分もしない間に1割以上の損害だと?!あれが噂の死神の衣か!予備戦力も出せ!」
中国軍4500に回復
・
・
・
誰だ、ゲーム風にレポートあげたの。
「俺だ!」
「お前かよ」
ゼロ、もうちょっとリアル思考でいこうぜ?どこまでゲーム脳なんだ。
「しかも自分は死神の衣A扱いって……それでいいのか?」
「問題ない」
しかも兄貴の名台詞とか……この世界にもスクライドあんの?
それと司令ポーズは止めなさい。
「それで結局補給が持たずに撤退したわけか」
マリオンズの行動が書かれていないのは撤退を視野に入れた温存策で、撤退戦では殿を務めた。
「エゥーゴが辿り着く前に落としきれなかったことが敗因だ。例の赤いリック・ディアスがハマーン様を、もう1機のリック・ディアスはリリーナとクリスを抑えに回ったせいで弾薬の消費が激しくなって持たなかった」
死神の陽炎は目立った被害はαタイプ5機、パイロットは無事だからほとんど無傷と言っていいがロシアは戦力の半数を失ってしまう。
もっとも東中国は2500、エゥーゴ700を失ったのでイーブンどころの話ではない。
そして最近の戦場ではロシアの被害が減ってきていると報告があがっている。
どうやら戦闘経験者が増えたことによって現場の兵士のレベルが上昇、そして軍学校の教官も現代化できたようだ。
「東中国の動きが目に見えて鈍ったな」
「北京の防衛はできたとは言っても、俺達の奇襲で甚大な被害が出た上に半数を取り逃がした。もう1度同じことをされたら今度は落ちるかもしれないと警戒しているんだろ」
わかってても防げないのは奇襲じゃなくて正攻法と言ってもいいかも。
ちなみにゼロは死神の衣のメンバーだがトップ30に入っていない……腕が悪いとかそういうんじゃなくてゲームしてばっかだからだ。
マリオンズによくデータを消されてるのにめげないんだよなぁ、そんな精神力あるんだったら強化人間の発作も大したことなさそうだよな。
「北中国が少し余裕できたことでティターンズも行動し難くなる……それを抑えるために西中国が本腰入れるかな」
「ですねー、ちょうどその報告が入ってきましたよ」
マリオンちゃんが「はい」と資料を渡してきたので受け取る。
「本腰入れてる、と思うんだけど東中国に比べたら見劣りするなぁ」
経済基盤がしっかりしていて日本と連邦という大きな後ろ盾がある東中国と内地であるために経済が2歩も3歩も劣る上に後ろ盾が武力はともかく権力が小さいティターンズである西中国では規模が違う。
大体半分程度だからな。
「あ、そういや例のブツは手に入れれたのか?」
「ああ、フソウとかいうヤマトの量産型か、鹵獲には成功したが撤退戦だったからな。3機ほどしか確保できなかった」
うっし、東中国でしか配備されてないレア機体GETだぜ。
後で味見してみないとな。
「無理をしたんだからサイコタイプの配備、優先してくれよ」
「ああ、約束は守るさ」
と言いつつ最初から優先配備する予定なんだけどな。
来週までには派遣している全機サイコタイプにする予定だ。
ロシア側からも自分達の兵器は後回しでいいからサイコタイプはよ!と言われてるしな。どんだけ酷使するつもりだ。
今までは13機程度しか配備できてなかったから本領発揮できていない。
サイコタイプが量産された暁には地球などあっという間に滅ぼしてくれるわ!……あれ?なんで魔王的な感じに変わってるんだ。
「今回はジャジャ丸も前線に導入したというのに成果はこの程度か」
はにゃーん様が勝手にジャジャ丸を持ち出して前線で使ってたんだよ。
まぁおかげで艦搭載サイコミュのデータは取れたけどな。
「ニュータイプを十分満たせるなら艦もサイコミュ搭載すべきですね」
「確かに……この戦果はなかなかだな」
アプサラスIVより可動砲が少ないため対地はあまり得意ではないが、対空に関しては評価していい。
設計しているアプサラスVとタッグを組ませると面白いかもしれない。
まぁコンセプト的に面白いだけで効率的ではないだろうけどな。
アプサラスVは奇襲、強襲用だからザンジバルじゃ追いつけないんだよ。
「問題は交代要員を乗せるとサイコミュ起動中は常時共鳴状態になってしまうことですね」
「そうなんだよなー」
どうもニュータイプは養殖は養殖同士、天然は天然同士でしか共鳴しないっぽいということは判明したんだが、天然物はあまりに数が少なすぎてザンジバルに交代要員に乗せるにはその戦闘能力は惜しい。
あ、天然ニュータイプはマリオンちゃんズブートキャンプで訓練すると一部例外を除くと養殖よりレベルが高くなることも判明している。
まぁ一部の養殖ニュータイプは天然を上回ることがあるけどな。クリスがその例だな。
「だからって技量がないやつに任せるわけにもいかんし……」
覚醒しても弱い天然物も存在するが……使い道がなくて困ってるんだよなぁ。
今は廃品回収業で精を出しているはず。
「やはり長時間の戦闘を避けるしかありませんね。後はある程度ハロに処理させるしか今のところ手はありません」
「だな」
準サイコミュあたりまで簡略化されれば複数人のニュータイプを同時に投入できるかもしれないが……これもあくまで予想だし、まだ未来の話だ。
「ハマーン様達の様子はどうだ。連戦で疲労している様子はないか」
「今のところ大丈夫です。しかし、本人が気づかない程度の疲労があるようなので少し注意しておきますね」
ニュータイプって便利だよなぁ。精神疲労も相手に伝わるんだから……まぁその分プライバシーは守られないけどさ。
「念の為にフォローとして追加で100人ほど派遣するか、正直残りの死神の衣にも戦争経験は積ませておきたいし」
「そうなると士官が足りなくなりますし、兵站の問題もありますから兵数は変えず、人員の入れ替えだけするべきだと思います」
あまり酷使し過ぎて精神的に病まれても困るからそうするか。
「じゃあ交代のスケジュール調整は任せた」
「はい、ついでにサイコタイプの配達もあるので片手間ですね」
片手間で送られる死神の衣のメンバーがちょっと可哀想な気が……したのは気のせいか。
「ティターンズも西中国の進攻が気になっているのか足が遅くなっているんだから北京奇襲作戦は確かに意味はあったが……」
「今後は事前に知らせるようにもう1度抗議しておきます」
「ああ、そうしてくれ」
一応気づいた時にロシアに警告を出したが、もう1度出しておく。
あまりにも対応が悪かったら契約違反として罰金と即時撤退も止むを得ない。
死神の衣が不在でどの程度粘れるかも観てみたい気もする。
「それにしてもシャアとララァの存在はうざいなー」
「ハマーンさん達も苦戦してますね。2度も仕留め損なうなんて」
まさかシャアに惚れて真・はにゃーん様に覚醒したんじゃないだろうな。
ララァとレコアとはにゃーん様の4角関係とか……全人類の敵にランクアップ間違いなし、その上ロリコンとか業が深すぎて殺したくなる。
戯言?は置いとくとしてララァってそんなに強かったんだなぁ。
エルメスに乗ってるイメージしかないからモビルスーツをどの程度操るのかは知らなかった。
旧北朝鮮領での戦いは死神の衣の初陣だったから評価は控えたけど、今回は死神の衣も経験を積んだ上での引き分け、まぁ実質負けだけど……ララァを評価するには十分な成果だ。
「殺すだけなら私達が出て行ってパパっと蹴散らせばそれで終わりなんですけどね」
「無双ゲーより戦略ゲーの気分だからしばらくはこの環境を楽しむつもりだけどな」