第百九十七話
冬コミも大成功。
軽く死にかけたけど大成功。
コロニーに大穴開きかけたけど大成功。
アイナ達に怒られたけど大成功。
そんなこんなで0087年スタートだ。
ちなみに冬コミで稼いだ金額は去年11月以前の収入を合わせた額を上回っている。
今年も続けばこれは立派な収入源になる。
ただし、今年は珍しさも多少薄くなるからもう少し収入が減るかもしれない。宇宙へ何度も足を運ぶのは億劫だろうしな。
もっともその頃には食の聖地ルビーが本格的に稼働しているだろうからリピーターも新規ユーザーも獲得できるはずだ。
「というかルビーの建設遅すぎないか。後から建設し始めた農業用コロニーオパールの方が先にできそうなんだが」
「それは連邦各地域やジオン、ロシアから色々注文が来て大変なことになっているみたいです。具体的に言うと出店エリアの奪い合いですね」
へー、そんなに注目してくれてるのは作る側としては嬉しい限りだ。
そして1番気になるのはジオンの料理だな。
サイド3に尋ねた時に出てきた料理はフランス料理と中華だったが、ジオンの名物ってあるのか?
「なんでもザクライスというそうですよ」
「……なんだその痛々しいネーミングは」
「内容は平たく言えばなんとなくザクっぽく見せたチキンライスですね」(実際ガンダムカフェにあるらしい)
なんかすごく微妙……チキンライスってことは赤い彗星仕様なのか。
「そんなのでいいのかジオンは」
「まぁ観光向けですからいいんでしょう」
観光向け……うん、間違ってはない、のか?あまりそういうネタに走った店が多くあると困るんだが。
「大丈夫ですよ。区画分けして管理しますから」
つまり他にもネタに走った店がいくつかあるんだな?
「ノイエ・ジールパフェとか食べてみたいです」
十中八九巨大な抹茶味パフェだろ。
それに俺達は普通の食べ物は食べられないぞ。
「残念です」
「その代わりαタイプとβタイプ、アプサラスアーマー喰おうぜ」
「……そうですね。αもβもまだ余裕がなくてアプサラスアーマーしか食べれませんけど」
だな。
βタイプは少数生産の試作機、αタイプにしてもまだ万全に配備ができているわけではない。
「ガンダリウムγの生産がネックだな」
生産設備の導入して量自体は増えている。増えては居るんだがマフティーに提供する量も増えているため余裕がない。
ガンダリウムγ自体はジオンやアナハイムからマフティーに伝わってはおらず、市場をブルーパプワが独占している状態だ。
独占するのはいいが供給が追いついていないのは皮肉だな。まぁ製造方法を教えたところで宇宙空間でないとシャレにならない製造コストが掛かるからそもそも無理なんだけど。
こんな感じで品薄状態がまだ続いているのが現状だ。
「あの、今気づいたんですけど……アプサラスアーマーはガンダリウムγでできてますよね?」
「もちろん……あ」
なんということだ。
うっかり過ぎるにもほどがあるぞ。俺はアーチャー召喚したり、守銭奴だったり、宝石使う魔術師だったり、心の贅肉ばかりの肥満体型じゃないぞ。
「つまり、アプサラスアーマーを生成して分解してモビルスーツに使えばいいわけか」
「そう、なりますね。アプサラスアーマーの装甲の加工費なんてたかが知れてますし……あ、でも生成コストと製造コストはどちらが有利なんでしょう」
何にしても品質、早く、簡単と嬉しすぎる三拍子。
多少コストが高くても目くじら立てない。
「というわけでアプサラスアーマーの展示会をはじめてみた」
「規格外にもほどがあるだろう……便利だが」
とりあえずギニアスに見せてみた。
アプサラスアーマーの装甲はαタイプやβタイプへ、可動砲やアプサラスの中身はアプサラスシリーズの予備パーツになる。
燃料はかなり減るがどんな金属でも喰えば燃料を経由してアプサラスアーマーに変換ができるんだからマイナスにはならないはず。
最近海底食材がなくなってきたから宇宙食材に……と思ったんだけど廃品回収業で雇用を生み出しているからあまりやりたくない。
近いうち、またレインボーゴーストが降臨することになりそうだ。
他人の荷物は蜜の味。
「これでニューギニア特別地区の兵器更新が可能になった」
「資源がなくて新兵器更新にうまくいかないなんて戦争末期なことにならずに済んだな」
戦争状態でもないのに自国生産の資源が不足なんて恥ずかしすぎる。
農業コロニー、オパールが完成した。
予想通り、食の聖地ルビーの完成より早く完成した。
やはり利権争いとは醜いな。
世の中汚い大人ばかりだな。
「農業コロニーには第一コロニーダイヤを建築した経験やノウハウがあり、人を住まわせるようにできてない反面で無人である農業コロニーは効率のよく建築することが可能でした」
将来はオパールの食料で他のコロニーも支えられるといいな。
宇宙で育てた農作物はあまり美味くないらしいけどな。
すいません。
疲労困憊で眠気に勝てませんでした。
中途半端で申し訳ありません。