第二百十九話
んー……たまにあった他の部隊への襲撃すらなくなった。
皆してハブするなんて虐めあかんで!
「明らかに虐めているのは俺達ですがな」
コッセルが何か言ってるが聞こえんなぁ。
もう俺やマリオンちゃんズが現場に出なくてもゲリラが出てこないから死神の衣を1人とクローン兵2人を1小隊としてあっちこっち分散して治安維持に勤めている。
分散しているから各個撃破を狙われる場合がある……というか普通は狙われるから以前にもやった高高度でマリオンズがアプサラスIVで待機している。
可変モビルスーツでも届かない外気圏だから気づかれることは……ある。
と言うかぶっちゃけ空を見上げてれば人工衛星と同じで肉眼で確認できるからなぁ。
「それがわかってゲリラは鳴りを潜めてるんですがね」
「まぁ俺達の目的は暴動鎮圧に治安維持だからいいんだけどね」
すっきりはしないけどさ。
まぁゲリラ戦の終了なんてこんなもんか。
「さて、量産型βは完成しそう?」
開発を始めて1週間、形にはなったと報告されてからスルーしてたけど、そろそろ完成するかと期待。
戦況が相当苦しいのか矢継ぎ早に催促がジャミトフから届いてて、早くしないと俺の胃(っぽい謎の機関)に穴が開くぞ……いや、そんな柔な身体じゃないが。
「最終調整に入ってます。トラブルがなければ1週間以内に完成します」
「ならばよし……ってまだ1週間待たなきゃならんのか」
根性じゃどうにもならないから仕方ない……んだけど、またジャミトフの対応が面倒くせぇ。
「そういえばこの前のエゥーゴの襲撃部隊ですけどスポンサーの中にマフティー……つまりファさんも関わっているみたいですよ」
「へぇ……喧嘩売ってんのかね?」
アナハイムに手を出さないのは世界経済が混乱するから、烏合の衆程度でしかないマフティーが喧嘩を売ってくるってんなら撃つよ?
ちょうど日本内古参企業が利権絡みで疎ましく思ってるとかって話だし、ついでに汚物(貴腐人党)も消毒しちゃうよ?
「どうやらアナハイムからアフリカの利権譲渡が約束されているようで、マリオンズに土下座して許しを請うていましたね」
土下座って無料だからなぁ、それで許してもらおうなんて甘いだろ。
と言うか、その程度の利権で俺達を敵に回すのか?過小評価し過ぎじゃね。
「で、なんて答えた」
「とりあえず日本の食料に掛かる関税引き下げで許してあげました」
いや、マフティーにそれほどの力はないと思うんだけど?
「貴腐人の党か」
「はい、与党は現在こちらに友好的ですから3大野党の1つである貴腐人の党が協力すれば可能との政策部の見解です」
年々需要が高まってる食料の関税引き下げはいいな。
「もし断るようでしたらニューギニア特別地区への奇襲を行ったのは日本ということにして韓国とまとめて報復する予定です」
元日本人としてはそうならないことを願うよ……まぁ日本征服もちょっとやってみたい気もする。韓国はいらんけど。
日本征服したら……さあ、復活するのだ!聖なる体操服(ブルマ)と水着(旧スク水)よ!……とかね。
あ、この世界では絶滅しているランドセルの復活も……冗談だけどな。本当にやったらマリオンちゃんズにボコられそうだから。
でも小学生にランドセルは様式美だと思うんだ!ロリコンの人にはそれがわからんのですよ。
……なんか変な電波拾ったな。これが毒電波というやつか。
5日後、量産型β完成。
ドップブースターやSFSの生産ラインを全部そっちに回して日産10機だと、ちなみに特別地区のみで。
南中国で30、オーストラリアで15が日産されているから合わせて55機だな。
量産型βはいくらβタイプよりは単純とはいえ、普通のモビルスーツやドップブースターと比べたら複雑な機構であるため、この程度が限界だ。
サイド6は既に注文されている分とニューギニア特別地区で配備するβタイプの生産していて無理。
とは言ってもこれで戦況が変わるはずだ。
空輸をメインとしているティターンズの兵站を脅かしていた可変モビルスーツへ有利になる。
兵器はこれでいいとして、やはり問題は強化サイボーグか。
「強化サイボーグの数は30人であることが確認されています。ジャミトフさんを襲ってくれたらマリオンズが対処できるんですけど、強化サイボーグは布陣に穴を開ける……切り込み隊長の役割ではありますが前線には出てきますが深入りはしませんから打ち取ることが難しいです」
一当てしてそのまま穴を開け続けるのが役割なのか、替えはきかないってことかな。
まぁクローン兵や養殖ニュータイプほどポコポコとそれなりに優秀な奴らが次々出てくるわけないか。
「それも追加で出した養殖ニュータイプでなんとかなってるみたいですけど……撃墜には至ってませんけどね。原因はいくらサイコタイプとはいえSFSに乗った状態で可変モビルスーツの相手は難しいことでしょう」
やっぱりニュータイプ専用可変モビルスーツを考えるべきか。
原作に準ずるならZガンダムだけど、簡略小型化されたサイコミュであるバイオセンサーは開発されてないしなぁ。
サイコタイプを可変させるか?よく考えるとサイコガンダムは可変できたんだからできるかも?
「というわけでナタリーに言っといて」
「早速こき使うわけですね。さすがブルーニーさん、容赦無い」
「そんなに褒めんなよ」
そんなわけで量産型βが前線に出るようになると一気にティターンズが有利になった。
まぁ、可変モビルスーツが主力になったからR・ジャジャやネモ涙目だけどな。
次々とティターンズがエゥーゴを撃破していき、シロッコとシャアがロリコン頂上決戦を繰り広げたり、カクリコンが死んだり(ぇ?)、急激な変化が起こっているが俺達は暇な時間を過ごしていると突然の来訪者が現れる。
それは既知となった転生者ファ・ユイリィと……誰だっけこいつ?確か原作キャラだよな?
「初めまして、アナハイム・エレクトロニクスから来ましたルセット・オデビーといいます」
名前聞いても思い出せん……が、アナハイム(敵)がなんのようなんかね?
すいません、台所の憎き黒いGを退治していたら短くなりました。