第二百五十三話
死神強襲回……じゃなくて死神教集会は好評で幕を閉じた。
死神ステッカーはあまり売れなかったがヒーリングお守りは値段が高いのにかなり売れた。
美容と健康にも効くと付け足したせいだろう。
お守りを受け渡す瞬間にヒーリングをするため、他の人が若返る瞬間を目撃しないとも限らないので一列に並ばせて売ったため時間と神経を使ったがな。
それにしても死神教ってどれだけ浸透してるんだ?という疑問を抱いてとりあえず特別地区内だけでも把握しておこうと街頭調査を実施、すると……
「まさか73%もの人が知っている……だと」
「しかも街頭調査対象者数3000人に対して信者が10%もいるそうですよ。しかも知らない間にブルーパプワ死神教本部なんてものができてるようです」
なんてこった。
ご神体の意志に関係しないところで増殖しているとは……しかも——
「ちゃんと奉納もあったようですよ。ほら、私達が食べているガンプラとかそうらしいですよ」
……なんかきっちり宗教になってきてる?ネタじゃなかったのか?
しかもなんで俺達がガンプラ喰ってることを知っている。
「別に食べていることを知っているわけではないようです。巷では私達がガンプラを集めていると噂になっているみたいです」
死神がオタクとか失笑モノだろ。
まぁ世の中リンゴ好きな死神とか刀で戦う死神とかいるぐらいだからオタクの死神がいてもいいか。
「調べてみると他にもブルーパプワに多くの寄進がされていたり、特別地区内のイベントでボランティア活動などしてくれているようです」
案外助けられてた?!
そういえば偶にいる規定されていない青い腕章を付けた集団がいたが、もしかして……
「それが死神教信者ですね」
「もう言葉が見つからん」
「ちなみに他にも諜報員として活動している方もいるそうですよ」
ガチで助けられてるし。
うん、これだけの規模になってるなら集会開いてよかったな。
諜報員達は参加できてないだろうけど。
「そういえばファさんが新しいモビルスーツの開発しているから私達にも協力して欲しいと連絡がありました」
「いや、これ以上同時開発する余裕はないだろ」
研究、開発の人材はクローン兵をいくら生産しても数に変動はないため、労働力とは違って不足を補うことは不可能。
空母開発に可変モビルスーツの次世代機、サイコタイプの可変モビルスーツ化、ラビット水陸両用型そしてサイコミュ制御システムの開発で更に圧迫しちゃってるからなぁ。もちろん他にも俺が忘れているだけで開発されているはずだ。
「ですからファさんと可変モビルスーツの次世代機開発を共同でしたらどうでしょうか。そうすれば人材の負担も軽減される……かもしれません」
「んー、他社と機密共有ってのはどうなんだろうか。……まぁ背に腹は代えられないか」
「ではそのようにしますね」
それに機体の情報漏えいがあろうとパイロットの強さは変わらないし、どうせこちらで生産する場合はサイコミュ搭載は必須なんだから致命傷とはならないはず。
何より……ファ側の可変モビルスーツの開発を担当は十中八九カミーユだろう。
Zの次がどんな機体が出てくるのか、楽しみじゃないと言っては嘘になる。
後継機っぽい名前のZZは系統が違いすぎるし、リゼルなんかは後継機には違いないだろうけどカミーユが設計したというわけじゃない。
まぁ廃人になっちゃってたから仕方ないんだけど……そもそも開発者として就職するかも疑問だけど。
「ルセットさんからはアナハイムが買収しているティターンズのメンバーリストですね」
「……それを俺達に教えて何かあると思ってんのかね」
せいぜいジャミトフに恩が売れるぐらいだぞ。しかも把握済みの可能性もあるし。
「どうやら私達と接触したことでアナハイムはルセットさんをマークしているようで、大した情報は掴めないらしいです」
警戒されてこの成果なら上等の部類か?しかし……監視体制の状態で裏工作の発覚とか、普通に考えれば泳がされてるよな。
つまりこれは偽情報の可能性が高い。
「もしくはこの送られてきた情報自体が囮か」
「なるほど、政策部に精査してもらいます」
もしそうだったとしてもルセットが疑われているという事実は変わらない。
さすがにこんなことで死なれると困るんだけど……いっそこっちに引き抜くか?でも呼び寄せる方法も無ければ迎えに行く方法もないんだよなぁ。
まさかモビルスーツで行くわけにもいかないし、呼び寄せる手段も思い浮かばない。
これがティターンズなら正面から寄越せ!わかりました!で終わりなんだけど、アナハイムはそうはいかないだろう。
……あれ?どちらかというとアナハイムの対応の方が普通じゃね?ジャミトフとかギレンとか軽すぎる気がする。
<マレーネ・カーン>
「ハァ、今日も疲れました」
ちょっと端ないですが服も着替えずにベッドに体を投げだしてしまいました。
仕事もやりがいがあり、人間関係もギスギスしていない、いい職場なんですけど……唯一問題があるとすれば偶にある——
『マレーネ、秋分大会をやるぞ!』
最高責任者からのこういう無茶振りですね。
それと……
「また端末をハッキングしてますね。直通にせずにちゃんとコールしてください」
『細かいことは気にするな。俺は気にしない』
ええ、わかってます。
いくら言っても無駄なのはわかってますよ。でも言い続けないと変わるものも変わらないと私は思っています。
「それで秋分大会とはどういったものですか」
ゆっくり休むには素早く、丁寧に話を聞かないと休むに休めない。
『食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、行楽の秋、これらを競い合うと文化レベルが上がるはずだ』
特別地区はいい加減イベントが多いことで有名なのに更にイベントを増やすんですか。
それに大会運営費も結構バカにならないんですけど。
何より読書の秋と行楽の秋って何を競うんですか?
『食欲の秋は料理と早食いと大食い、芸術の秋はコンテスト、スポーツの秋は運動会、読書の秋は速読と感想文と音読会、行楽の秋はどれだけ貧乏人な落語家なのかを競う』
「……意味が分かりませんが最後の行楽の秋は絶対違いますよね」
『(さすがに人物名のボケは無理か、笑点なんて宇宙世紀になかったし)気にするな。行楽の秋は山登り大会とかどうだろ。行楽といえば紅葉狩りだろ』
とりあえず全て実現できそうではありますね。
読書の秋が1番微妙そうですけど、許容範囲です。以前の滝行大会なんて大失敗でしたから……開催費用もそれほど掛からなかったことが唯一の救いでしょう。
「しかしどれも同時に行うと人が足りないと思いますが」
ここで無駄に抵抗してもブルーニーさんが折れることはほとんどないので前向きに検討することがこの職場では大事なことです。
検討した結果、企画が不可となったらそれは認めてもらえるので助かります。
『1つの大会を1週間開催すれば無問題』
「問題ありありですよ」
どっちにしても労働者が足りないじゃないですか。
それにこの好景気の中で政府がイベントなんてしなくても皆さん勝手にすると思いますが……言っても仕方ないですね。
「わかりました。検討してみます」
『ああ、頼む』
ハァ、やっとゆっくり出来ます。
お風呂どうしましょう。
今日はゆっくり入りたい気分ですし浸かるのもいいですね。
日本ブームが来て良かったです、
最近感想が返信できなくてすみません。
ガチで忙しくて仕事→帰宅→風呂、食事、小説書く→爆睡のループが続いています。
その影響で小説の内容も一段と薄くなってます。
申し訳ありません。