第二百六十八話
ノイエジールII強奪事件の情報が少し追加された。
モビルスーツ(正確にはモビルアーマー)を強奪するというのは地球なら隠れるための障害があるから強奪して逃げられなくはない。
しかし逆に言うとサイド3、つまり宇宙空間で強奪したとしてもミノ粉散布できないとほとんど丸見え、そして酸素や推進剤には限度がある。
それなのにノイエジールIIの強奪に成功した。つまり迎えるための艦が存在したのだ。
その艦は……というか艦隊は、サラミスやムサイ、チベ、アイリッシュ級など混合されたものだったので巷ではどこの所属か憶測が飛び交う。
ただ……アイリッシュ級ってアナハイムしか製造してなくね?更に言うとアイリッシュ級みたいな最新鋭の大型艦なんて、取引の記録を調べればすぐわかるだろ。
あ、アナハイムの取引記録を調べる権力って今のところないのか?ティターンズならともかく、経済の依存がまだまだ深いジオンがそんなことはできないか。
なんにしてもエゥーゴが再編された……もしくは今地球圏に向かってきているアクシズと連動しているのか。
原作知識的にはアクシズと連動していて、第一次ネオ・ジオンと第二次ネオ・ジオンの融合ってのが1番信憑性がありそうだが、さて。
「なんにしても戦乱の臭いか」
「再来年が楽しみDEATHねー」
でも、これが最後の戦争って感じがするよな。
原作だとこの後に閃光のハサウェイとかF91とかクロスボーン・ガンダムとか、Vガンダムとかあるがぶっちゃけ起こる気がしない。
結局は求心力を持った国家の不在が長い戦乱を起こすわけだが、アクシズが終わればジオンも安定するだろうし、ティターンズも安定するだろう。
と、これは前にも考察したな。
「でも戦争……いえ、この場合は内乱ですか……には、私達は参加できないんですよねー。偉くなってから退屈ですね」
「本当になぁ」
キャンセル依頼料とか設定するんじゃなかった。
アクシズという組織からするとジオンより資金が豊富であるとはとても思えないので、ジオン側で参戦する……んだったらいいんだが、問題は内乱というところにある。
内乱とは国内で起こるものだ。
国内で起こった問題を他国の者の手を借りて鎮めた場合、威信や名前などがズタズタになってしまう。
国内の問題は国内で、それが基本だ。それが出来ないなら国家は存在意義を失うということだ。
つまり内乱だと自軍だけで解決しようとするするのは間違いないということだ。
「やはりレインボーゴーストの出番ですかね」
「いや、別のモビルスーツで乗り込むという方法もあるぞ」
そもそも問題なのは俺達が正規軍より戦果を上げることだ。
知っての通りアプサラスが戦場に出れば手柄を独り占めは容易、しかし俺達がβタイプで戦闘するとなるとかなり効率が落ちるので手柄もそれほどでは……ない……はず?だったらしいな。
普通に旗艦を落としたりしてあまり変わらないような気もするが多分気のせいだろう。
「もういっそボールで出ちゃいましょうか」
「……さすがに無謀だろ」
無謀……だよな?
いくらシローがボールでアイナが操る高機動試験型ザクと引き分けたとはいってもモビルスーツの世代が違うからな。
無理無茶無謀だな。うん、間違いない。
……さすがにボールなら俺もスマートに勝てるはずなんだ。
「それにしても今回の強奪事件はティターンズにも影響を与えましたね」
そう、原作だと強奪対象であったティターンズだったが、今回のジオンの強奪事件は他人事ではないないとセキリティの見直しをスタート。
これは完全に強奪フラグは途絶えたか……まぁ俺達と共同開発をしている現状で強奪はかなり難しいと思うが。
すいません。
今回はかなり短いです。
書く時間は合ったのに眠気に勝てませんでした。