また短いです。
連日の大雨によって被害が出た親戚の家の片付けに駆り出されてヘトヘトなためです。
第二百二十四話
「いいコロニーだね」
「まだまだ発展途上だが……否定はしない」
「私も早くこちらに移りたいな。一応ミネバ様が16歳になれば王位に就かれたら宰相の座を辞することが決まったんだけど……」
様子と思考から察するに問題がいくつもあるのだろう。
当然といえば当然だな。突然国の柱が入れ替わってしまえば不安になる者もいるだろうし、何より自由を手にするにはハマーンはあまりにも多くのことを知りすぎているのでネオ・ジオンとしては他国に移住されては困るだろう。
そもそも私達はネオ・ジオンに随分と嫌われているのだから尚の事だろう。
「それ以前にミネバはいくつだったか」
「12だ。」
後4年後か……。
「ハマーンは三十z——」
「ShutUp!」
ゴフッ……わ、私が躱し損ねた……だと……まさかハマーンの拳は亜光速をも超えるというのか?!……まぁ冗談だがな。躱すと更に怒りを買ってしまいそうだったからあえて受けただけだ。
「心配しなくても年を取ろうとも身体は若々しいままでいられる。いや、なんだったら身長以外なら18歳頃まで戻すことも可能だ」
もちろん、ただの人間のままではないぞ。
肌のお手入れ、などという非効率なものからも卒業し、メンテナンスフリーで保たれる美を手に入れることができるぞ。
……全てがそうなってしまえばその美に意味があるかどうかはさておくが。
「そういう問題じゃないわよ!!……頼むけど」
素直でよろしい。
「4年……長いなぁ」
「ところでいつもの猫(?)被りはどうした?」
「今は2人だけだから被らない。たまにの気分転換だからね」
プルシリーズがハマーンに対抗意識があるようにハマーンもプルシリーズに強い対抗意識がある。それがこういうところにも出てくるか。
「4年ぐらいはあっという間だろう。しかし、そうだな……何か方策を考えておく必要があるだろうな」
このままだとハマーンはこちらに移ることができずにネオ・ジオンに軟禁される可能性が高い。せっかく手塩にかけた検体を逃すのは惜しいので何か考えるのも吝かではない。
「それは助かるわ!引退するのに信用できる人間なんてほとんどいないのよね」
まぁ、今まで忠誠を誓っていた相手の国外移住を手伝う人間なんてよほどの酔狂な人間しかいないだろうからな。
「アレンが知っている人だとマシュマーやキャラは協力してくれているわ」
「あいつらか」
確かに、あの2人の忠誠はミネバ・ラオ・ザビよりもハマーン個人に向けられていたので不思議はない。
しかし、あいつらで根回しなどができるとは思えないが。
「信用できる者を探す時にはニュータイプ能力が優れていると楽でいいな」
「逆説的にはその能力のせいで人間不信になるのだがな」
「否定できないわね」