第二百八十四話
あの後はハマーンとプルシリーズを可愛がって(意味深)過ごし、特に目立った行動をすることもなくミソロギアへと帰った。
ちなみに帰った後、ハマーン達にはアレンの起こした騒動の収拾するというお仕事が待っていた。
ついでにいうとハマーン達が可愛がられて(意味ry)いる間、ずっとハマーンの代行としてイリアが対処していたのでほぼアレンと会うことがなく、この収拾にあたっていた。それに思うところがあって当然で、日頃はハマーンに忠実な下僕であるイリアが珍しく拗ねてしまい、ご機嫌取りに翻弄されることになったのは余談……いや、こちらの方が本命か?
それはともかく、ネオ・ジオンに平和(災害処理はあるが災害は過ぎたという意味で)が訪れた。
しかし、ある場所で負の遺産が動き出そうとしていた。
「なぜ我々がこんな場所に居なくてはならない!」
「そうだ!スペースノイドなんぞにいいように使われている連邦なんてうんざりだ!」
「あのいけ好かないハーレム野郎(シロッコのこと)も不甲斐ない。所詮は木星帰りの若造か」
「あの若さで木星への派遣されたのだ。魂がスペースノイドとなっても不思議ではない」
「ジャミトフも生き残りはしたものの現役復帰をするつもりはないようだ」
「たかがコロニー1つを所有する組織程度しか手元にないのだ。仕方なかろう」
彼らは平たく言えばティターンズ残党である。
しかし、彼らは元々他のティターンズとは毛色が違う。
ティターンズとはジオン残党を鎮圧する、対テロリスト部隊である。その構成は精鋭のエリート部隊というイメージが強いが、本当のところは一年戦争の被害者で反ジオン、反スペースノイド、つまり憎しみを持つ者が優先して選ばれていたのだ。
そして、この場にいる彼らはその初期メンバー達が率いる特殊部隊である。
さらに言えば特殊部隊の直々の上官がバスク・オムであり、そのバスク・オムを崇拝していたと言えばどのように特殊な部隊なのかは察することができるだろう。
「立つぞ」
「しかし、このようなタイミングでことを起こしても成功するか?ただでさえ我々の勢力は……」
威勢のいいことを言ってはいるが所詮は残党である。ジオン残党よりは活動拠点が地球であり、彼らの思想であるアースノイド主義に同調する者が多くいて、支援を得ているとは言っても重ねていうが所詮残党である。
「それがここ最近、新たな大口スポンサーがついたのだ」
「その話は聞いてはいるが……それほどのなのか?」
「前金としてジェガンクラスのMSが50機、ネモクラスを20機、ことを起こすならペガサス級を1隻とミデアを10隻、ネモクラスを30機を追加で提供してくれるそうだ。」
「なんだと?!」
「本当か!!」
「ああ、既に前金は頂いた」
会議室はざわめきで覆われる。