最近は短いですが、今日は一段と短いです。
理由は……風邪引きました。
鼻水が止まらない→鼻をかむ→鼻血のコンボが綺麗に決まり大惨事です。
第三十三話
「ふう、やはり我が家は落ち着くな」
あれから抗争はシャア達の乱入でハト派が有利となり、タカ派は体勢を立て直すために撤退したことで一旦は終了した。
そして私はシュネー・ヴァイスIIことトゥッシェ・シュッヴァルツを操縦していたパイロットレベッカ・ファニング少尉を救うために、状況説明に来ていたリカルド(原作のロベルト)の帰還に同乗させてもらった。
「……隠し通路?」
「うむ」
お目付け役としてイリア・パゾムも同行している。
ハマーンも来たがっていたが次期党首を敵地のど真ん中に連れていけるわけがないのでインゴルシュタットでお留守番だ。そもそも貴重な戦力でもある……その点で言えばイリア・パゾムもそのはずなんだが。
ちなみに隠し通路はここに来た当時、あまりアクシズを信用していなかったのでいざという時の脱出路を作っていたのだ。
所謂、こんな事もあろうかとっ!というやつだ。様式美とは良いものだな。
「さて、設備は……うん、無事だな。防衛システムも起動していないところを見るとこちらに構っている暇がなかったのか、それともここを軽視したのか……まぁ私と患者にとっては都合がいいな」
「防衛システム?」
「そのあたりの説明は時間がある時に、な」
さて、早速手術に取り掛かるとしよう。
イリア・パゾムには監視カメラをモニターしてもらう。
ここが自分の領域ではあるが周りは敵ばかり、少しの油断がどうなるかわからない。
「……悪役博士が怪人を作っているようにしか見えない」
「心外だ……と言いたいところだが触手を使って手術をしていては否定し辛いところがあるな」
本当は助手が必要なほどの手術ではあるがエロ触手があるおかげで1人で行うことができる。
ちなみにサイコミュ本体はアクシズ内ハト派が抑えてある格納庫に置いてある。ギリギリだが有効範囲内だったのは幸いだったな。
「アレン博士、お客」
「ちっ」
客はといっても本当の意味の客ではない。
しつこいようだがここは敵地のど真ん中である。そこに客と言えば敵しかいないのだ。
エロ触手で手術を続けながらモニターを見ると……おや?この顔、どこかで見覚えが……確かフラナガン機関のデータでマルチロックオン数36という最高記録……というより設定上限が36……を叩き出した名前は……そう、ヤヨイ・イカルガだ。
姉妹も居ないと書いてあったのでまず間違いないだろう。
まさかこんなところで出会うことになるとはな。……それにしてもなぜ以前アクシズで行ったニュータイプ検査で引っ掛からなかったんだ?
それはともかく……確かにこの感覚……なかなか優れた素質を持っているようだ。
いつもなら気づいたのだろうが手術に集中するあまり気づくことができなかった。イリア・パゾムに見張りをさせていたとはいえ少し迂闊だったか。
……そうか、ハマーン達は気づかなかったようだがエロ触手はサイコミュを使っているためニュータイプだと気づかれる可能性があるのか。
それに現在は遠距離で使用するためにサイコミュ本体は最大出力で稼働しているのだから余計に気づきやすいだろう。
しかし、ヤヨイ・イカルガは幸いにも1人のようで、部屋のドアの前を行ったり来たりしている。
どうやら彼女はニュータイプでは珍しいポジティブ系のニュータイプらしいな。好奇心旺盛で何かを感じてここまで来たのだろう。
大体のニュータイプはトラウマによるネガティブ系ニュータイプが多いが、中には好奇心や感性で生きているポジティブ系のニュータイプも存在する。
シャリア・ブルや私はポジティブ系で、シャアやハマーンはネガティブ系だな。ちなみに強化人間はネガティブ系だ。(余談ですがジュドー・アーシタやエルピー・プルはポジティブ系)
「さて、どうすべきかな」