第四百十五話
「よーし!私達姉妹の本領発揮だ!総員、搭乗!」
「イエッサー!下位メンバーの実力見せつけてやります!」
「下位の実力を見せつけたら鼻で笑われるだけじゃない?」
「ガーン?!」
「ほらほら、せっかく仕事ができたんだからさっさと始めるよ」
「「はーい」」
無駄話を切り上げ、下位ナンバーのプル達は素早くプチMSに乗り込んで宇宙へと飛び出していく。
狙うはもちろん――
「お宝がいっぱいですねー」
「アレン様がこのデブリを見た時には目を輝かせていたって噂は本当だね。きっと」
ミソロギアは現サイド4に無事到着し、そこにはしっかりと豊富な資源の山(デブリ)と新しき我が家(廃棄コロニー)が存在していた。
アレンは容姿にあった童子のように喜び資源の回収を指示した。
「ここのところアレン様はお忙しいようで話できていませんが……お体は大丈夫でございましょうか」
「医者の不養生って言葉もあっからねぇ。どんなにアレン兄さんが凄いって言って限度があるっしょ」
「でも姉様方や上位ナンバーが付いている。問題はないだろう」
「えー、姉妹が付いてても言う事聞いてくれるかなぁ?」
「……無視して研究されている情景が思い浮かぶ」
「未来視なんてしなくても確実ですわ」
プル達が懸念している通り、アレンは絶好調でデブリを資源へと精製する準備をしたり、サイコミュの生産をしたり、前の世界で拾ってきたνガンダム、ZZガンダムの残骸を解析したり、強化処置を施されたイーノの治療なども始め、本当に多忙である。強いて救いがあるとすればそれらの多くがアレン自身が楽しみにしていることだろう。
「今度のコロニーが整備されたら食料生産に力を入れるらしいけど、そんなに必要なのかなぁ?今の規模でも間に合ってると思うんだけど」
「どうやら姉妹を万に届かせたいらしいですよ」
「おお、万……凄いね。でもそれだけ増やしたらもっとこだわりを増やさないと、だね」
「髪型とか髪と瞳の色を変化させるだけでじゃ限界があるのは間違いないね。肌の色も変えれるが、こちらはカラフルにはできないからパターンが少ないし」
「でもさすがにろくろ首にはなりたくないよねー」
「違いない」
プル達がそんな和やかな会話を交えつつせっせとデブリが回収されていく傍らで、キュベレイ・ストラティオティスを新たに30機配備され、合計70機となり、精鋭戦力は十分と判断し、一時生産を停止してレナスの生産とそれに必要な送信、受信用のサイコミュ、空母搭載用のサイコミュの生産、そして母艦級をMD母艦へと改修作業が行われている。
母艦級は元々MD母艦をベースに改造されたものであるからそれほどの手間はない。